奥多摩三山縦走【三頭山/御前山/大岳山】 2013/11/16 奥多摩三山縦走チャレンジは極めて過酷なルートであった
奥多摩三山縦走チャレンジ!【三頭山1,531m/御前山1,405m/大岳山1,267m】 単純高低差991m
※画像は大岳山から眺めた三頭山(中央)御前山(右側)
以前より無性に通行してみたかった小河内貯水池に架けられていた「麦山浮橋」が貯水位回復に伴い、11月2日より通行が再開されたとの東京都水道局の情報をキャッチします。
この通行再開により、紅葉を絡めた散策に出掛けなければならない使命感が自然と湧いてきました。折角ならばと、これも以前より計画していた奥多摩三山日帰り縦走計画を抱き合わせに、一気に実行してしまおうという案件が浮上します。そこで早速抱き合わせプランを練っていきます。
縦走路は奥多摩駅(バス乗車)⇒小河内神社で下車して麦山浮橋を起点にヌカザス尾根を経由、三頭山⇒御前山⇒大岳山⇒ケーブルカー御岳山駅⇒での日帰りプランが出来あがります。
当日は6時5分鴨沢西行きのバスに乗車して、予定通り小河内神社で下車します。因みに前回は「三頭山登頂前のダブルアクシデント編 」で思わぬ失態を咬ましてしまいました。バス停から貯水湖を覗くとなんと!麦山浮橋が紅葉、朝もやに包まれ絶妙な光景を目の当たりにして暫し感動に浸ります。
以前浮橋はドラム缶の浮子が使用されていましたが、現在はポリエチレン・発砲スチロール製の浮子が使用されています。そんな経緯から通称「ドラム缶橋」とも呼ばれています。通行するに従い、私の心はとてもドラムチックな気持ちに満たされることになりました。
続いて抱き合わせ企画の奥多摩三山縦走路に気持ちを一気に攻撃モードに転換していきます。最初のアタックダーゲット三頭山まで標高約1,000mをヌカザス尾根で一気に稼ぎます。続いて御前山に向かう訳ですが、その間距離にして9.5㎞の長くアップダウンのある山道に手こずります。終盤アタックターゲットの大岳山はほぼ夕刻の時間帯になっていました。夕日に感動しながら山頂から眺めた縦走路はとても美しく輝いていました。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
【ルート】:奥多摩駅【バス乗車】(6:05)⇒小河内神社(6:40)⇒麦山浮橋(6:43)⇒三頭山登山口(7:04)⇒イヨ山(7:58)⇒ヌカザス山(8:36-8:40)⇒入小沢ノ峰(9:00)⇒鶴峠分岐(9:15)⇒三頭山(9:36-10:11)⇒鞘口峠(10:54)⇒風張峠(11:34)⇒月夜見山(12:02)⇒月夜見第二駐車場(12:10)⇒小河内峠(12:38-12:43)⇒惣岳山(13:23)⇒御前山(13:38-13:48)⇒クロノ尾山(14:13)⇒鞘口山(14:25)⇒大ダワ(14:47)⇒大岳山(15:55-16:09)⇒芥場峠(16:39)⇒ケーブルカー御岳山駅(17:25)⇒御岳山駅(17:30)⇒バス停(17:43)⇒御岳駅(18:06)⇒奥多摩駅(18:24)
※歩行距離:29.0㎞ 行程タイム:10h45m
(注):行程時間は個人のペースで歩いたり、自然観察をしている為、またアクシデント・渋滞等発生により全く参考にはなりません。
AM3時40分、満月を見てギャオーン!!と吠えながら出発し、一般道を66キロ走行して奥多摩地域に到着します。そして町営駐車場に車をデポして奥多摩駅に速やかに向かいます。本日はバスと電車の公共交通機関を併用した山行プランとなります。
6時5分発鴨沢西行のバスに乗車します。奥多摩山域は紅葉の時期なので早朝バスでも混雑が想定されましたが、乗車率7割といった感じです。約35分ぐらいで小河内神社バス停に到着します。下車したのは私以外御夫婦のみでした。乗車していた他のハイカーは、鴨沢下車で雲取山に登頂されたかと思われます。
バス停で下車すると速やかに浮橋を確認に行きます。通行再開は当然わかっていましたが、前回の浮橋が外された光景がフラッシュバックのように脳裏を過ぎっていたもので・・・。目視の確認を終えて一先ず安心です。
楽しみにしていた浮橋横断を目前に一歩一歩着実に階段を下りアプローチしていきます。浮橋揺れる看板を読み込みゲートを潜ります。
朝靄の光景の中、貸切状態でまずは濡れた橋に黄金の右足を乗せていきます。そして大人の世界の腐った心が完全に童心状態へと変化していきます。”この橋、物凄ぉ~く渡ってみたかったんだぁ~!”
周囲の光景を身体全体で受けながら、浮橋では一歩一歩リズミカルにアンダンテを咬ましながら歩きます。やはり浮子はドラム缶ではなく、ポリエチレン製です。なんて、この橋ドラムチックなんでしょう!・・・とはもう使えません。今後は浮橋歩きでは封印しなければなりませんね。え?ブツブツ言ってねぇ~でサッさと歩けって。そうか、本日は奥多摩三山縦走の拷問シリーズでした。
浮橋歩きは呆気なく終了でしたが、軌跡を振り返って浮橋管理をしている東京都水道局&東京都民に感謝です。
さて、ここからは気持ちを切り替えて戦闘モードに入ります。三頭山登山口までは遊歩道を通過して、一旦V字型に戻って奥多摩周遊路を歩いて向かいます。
暫く車道を歩きます。奥多摩周遊路はAM8時までゲートが閉まっているので、ライダーや走り屋はまだ現れません。現れるとしたら猪突猛進の野生動物ぐらいでしょうか。
車道を900mぐらい歩いて登山口に到着です。ここからヌカザス尾根に入ります。
前日雨が降っていた関係で落ち葉は水分を含み濡れています。
やがて陽が射し始め、樹林帯は明るくなっていきます。
汗を掻きながらグングン高度を稼ぎにいきます。
イヨ山を通過して今度は急降下していきます。
奥多摩名物、斜度45度激しいぐらいの深刻な登り込み地獄に遭遇します。
深刻な急坂を振り返るとそこは標高1,175mの「ヌカザス山」でした。やはり奥多摩の急登は血尿が出そうなくらい激し過ぎる。
「糠指山」と漢字表記されていました。続いて第一アタックターゲットの三頭山に向かいます。
その後は急降下させてからロングな急登を登り込ませる。まさに奥多摩1級品の拷問ルートです。
入小沢ノ峰を通過してからは、急登無の安定した登り主体のルートに変わります。脚部に優しい安心ルートです。
鶴峠分岐からは更に詰めの高度を稼いで穏かなアタック体制に入ります。
まずは奥多摩三山の三頭山西峰にアタックです。西峰が三頭山三つのピークの中で一番山頂が広いです。まぁ、ここがランチポイントですね。
北側に見える山々を眺めていきます。
鷹ノ巣山(左)、雲取山(右)
西側に開けたポイントがあり、富士山、右側には三ツ峠
西峰より第二アタックターゲットの「御前山」まで9.5㎞もありますので、まぐろおにぎり(ファミマで100円で購入)で炭水化物を補給していきます。
エネルギー補給後、山頂の狭い三頭山(中央峰)に移動します。因みに中央峰が最高峰です。
三頭山(東峰)も確認してから展望台に立ち寄ります。
展望台から御前山(左)、大岳山(右奥)を視界に捉えます。御前山も遠いけど、果たして大岳山に日没前に辿り着けるだらうか。
御前山(左)、大岳山(右)
三頭山の三つのピーク踏破後は鞍部の鞘口峠に向かいます。
途中見晴らし小屋に立ち寄り、再度御前山~大岳山を一望していきます。
鞘口峠に向かう下り道が本日の縦走ルート中、最も多くのハイカーと擦れ違います。
標高を200m以上下げて鞍部の鞘口峠に到達です。そのまま風張峠の道標に従い進んでいきます。
登り返して陽だまりの利いた気持ちの良い落ち葉道を歩きます。
三頭山を振り返りながら、トラバース気味の落ち葉で足元が見えにくい登山道を進んでいきます。
足元が見えにくい箇所がありますが、時たま現れる道標を確認してアイフォンアプリを併用しながら歩きます。
奥多摩周遊路の方向に下降していくと風張峠に到達です。そして道標に従い月夜見山方向に進んでいきます。
山側から一旦周遊路に出ます。この時間帯では多くのライダーが飛ばしていましたので、舗装道路歩きは要注意です。次のポイントまで速やかに抜けていきます。
山道⇒周遊路⇒山道⇒周遊路と繰り返していきます。
やがて、展望の全く利かないベンチが設置してある「月夜見山」に到達です。
山頂と言っても特に気になるものがないのでスルーです。再び周遊路の方面に下っていきますが、常にライダーやドライバーのスピードマシーンのエンジン音が響き渡ります。トンネル内部で音速の貴公子モードになる私も周遊路では安息モードです。
山道から周遊路に下りて50m程度車道沿いを歩いて、月夜見第二駐車場に入ります。
駐車場を通過して御前山に向かうルートに入ります。標識には台風18号の影響やバイク乗り入れ禁止の注意事項が記載された紙が貼られています。私が向かうルートに台風の影響は無さそうです。
暫くはアップダウン、防火帯の道や小高いピークの巻き道などを歩いていきます。三頭山とは異なり登山道は非常に静かで気持ちが悪いくらい完全貸切状態が続きます。
暫く歩くと休憩ポイントが現れます。
このポイントが小河内峠でした。正面には奥多摩湖が見えています。地図で確認してみると、ここから奥多摩湖方向に破線が延びています。なんと!その破線ルートには「クマ出没の為通行止」と記載があります。ということは当然ここも危険区域に入っていることになるな。熊鈴をバシバシ鳴らしながら先を進んでいきます。
奥多摩の山域は奥武蔵・奥秩父に比べて熊出没の情報が多く、奥多摩湖挟んだ向かい側の倉戸山では登山家の山ノ井さんが熊に襲われた事故があり、つい数年前の出来事です。暫く人に出会ってないと思っていたら正面から3人と擦れ違い、背後からは年輩風のトレラン2人が休憩から登山道に復帰してきました。表示の先に見えてきた御前山にだいぶ近づいてきたことが伺えます。
その後は登り込み体制にシフトして惣岳山に到達です。いよいよ長かった御前山にアタックを仕掛ける準備に入ります。
奥多摩三山第二ターゲットの「御前山」を正面に捉えていきます。
登り込んでアタックを仕掛けます。山頂部で15人程のハイカーが休息している姿を捉えます。
約1年11カ月ぶり2回目の御前山に登頂です。山頂で小休止してから最終アタックターゲットの大岳山に向かいます。意外にも13時半過ぎても複数のハイカーが山頂にいました。奥多摩湖からのピストンが多いのかな?
大ダワ方向に標高を下げながら、クロノ尾山を通過していきます。
その後もアップダウンを繰り返しながら標高を下げていきます。そして鞘口山を通過していきます。
まだまだ遠方に位置する大岳山方面を視界に捉えて大ダワまで下ります。この時点で行程中、何処かのポイントで日没になることを想定していきます。
大ダワに到達です。この地点にはトイレがあります。
大ダワ994米表示を確認して大岳山に向かいます。道標を確認すると大岳山まで3キロ、御岳山まで7キロもまだあんのかよ!ここで大岳山に向かうルートの打ち合わせをしていた年輩トレランハイカー二人組を追い越していきます。トレランにしては登りが苦手のように感じます。私が追い付いちゃうくらいですから。この後二人組を見かけることはありませんでした。
御前山を東側に見ながら暫くはアップダウンが軽微な尾根を歩いていきます。
結構な距離を歩いてきていましたが、大岳山から鋸尾根経由で奥多摩駅に下山される複数のハイカーと擦れ違います。その中には多国籍軍と思われる外人部隊のハイカーも含まれていました。その数分後、欧米化らしき男性ジンガイハイカーが現れます。擦れ違いざま、言葉をア、ア・・・と濁しながら質問をしてきました。
瞬間的にこんな時、TOEIC940点の和製ステイサムがいれば完全に任せてしまうのだが・・・。はっきりとは覚えていませんが、イントネーションになまりのある英語で外国人の男性たちを見かけなかったか?と聞き取れました。ではどう回答するか・・・擦れ違う(Pass)がすぐに出てこなかったので、3・minutes・ago.で単純に応対し、1発で理解してくれました。もう夕刻ですがヘッデン覚悟の上の装備には見えませんでした。
大岳山山頂直下のガレた岩場を登り込んで、いよいよ奥多摩三山最終アタックです!
記憶の中では大岳山は今回で3回目の登頂になります。山頂到達時刻は16時ちょい前ぐらいの夕刻だったので、当然貸切と思いきや3人のハイカーがいました。その後すぐに貸切になりましたが、新たに2人のハイカーが登頂してきました。
富士山は西日で霞んでもう見えていません。遠方に三頭山、手前に御前山が見えています。
奥多摩三山縦走制覇です。御前山(左)、三頭山(右)
こんな夕刻の時間帯に山頂にいることなんて滅多にないのですが、西日が妬けに綺麗です。心を落ち着かせてくれましたが、これで御岳山に向かう道中で暗黒モードに嵌ることは決定的です。
夕刻の大岳山頂をしっかり見つめてから下山します。奥多摩三山の中では大岳山の展望が抜群です。
一気にガレ場を下って休業中の大岳山荘の上に出ます。以前見た時よりも廃屋化が進行している気がします。この辺りで登ってくるハイカーがまだいました。装備を見ると決して慣れている感じには思えませんでしたが・・・。
チャッチャカペースを上げて御岳山の方角に向かいます。
段々薄暗くなっていきヘッデンを装着します。樹林帯ではあっという間に暗黒の世界に引き込まれていきますので、どんな場面でもヘッデンは必須アイテムですね。ロックガーデンには入らず、安全な山道で御岳山駅に向かいます。
御岳山神社に出て本殿には寄らずにそのまま宿坊街に向かいます。
土産屋、宿坊街を歩いていきます。金銭に余裕があれば1度は泊まってみたいですねぇ。
ケーブルカー駅に向かいながら都会の夜景を暫し眺めていきます。
17時25分、御岳山駅に到着し5分後発のケーブルカーに乗車していきます。9割方は観光客でした。
ケーブルカーを下りて、青梅線御岳駅行きバス(270円)に乗車していきます。
その後、御岳駅18時6分乗車し、奥多摩駅に戻り車を回収していきます。
奥多摩三山縦走後の疲れを癒す為、もえぎの湯に立ち寄ろうかと思ったのですが、なんと!受付終了時刻間近でも大混雑により入場できませんでした。20キロ山梨方面に向かい、のめこい湯に行く手もありますが、わざわざ自宅と逆方向に向かうのは非合理的であります。結局、癒し温泉は地元にある、湯の道利休に立ち寄りゆっくりと身体の疲れを取りながら温まります。
今回の奥多摩三山縦走編、最後まで歩き通せましたか?諦めずにご覧いただきどうもありがとうございます。
■天候:晴れ
■出会った人:150人ぐらい(浮橋~三頭山1人、三頭山山頂~鞘口峠80人、~御前山25人、~大岳山30人、~御岳山10人)※観光客除く
■タイム:6:40~17:25【10時間45分、休憩等含】
■形態:単独行
■水分:2.5L(ペットボトル500ml:5本)
■山域:奥多摩
■出発地点より駐車場までの片道距離:66㎞
■登頂日:2013年11月16日(土)
■その他:
★今年4月の三頭山登頂前、麦山浮橋を渡るつもりで訪問したところ、水位が低く浮橋が外されていました。今回はしっかり情報を確認してから再訪問にきたので、念願の浮橋を渡れて大満足です。
★前回の三頭山登頂時、展望台から御前山、大岳山を眺めた際、何時かは奥多摩三山縦走を成功させてみたい!と考えておりました。それが本年中に実行できてしまうとは、全く計画にはありませんでした。車移動が主体なので単独では踏破が厳しいかな?と考えましたが、バス・電車・極めつけのケーブルカー利用で問題は解消できました。中々脚応えのある極めて厳しくもあるロング縦走コースでした。
★奥多摩山域はアップダウンも含め、強烈な急登場面がいくつか出現しますので、足腰鍛えるには良いトレーニングコースだと実感しております。是非、健康歩きコースのHigh Versionとして、奥多摩三山縦走チャレンジをされてみてはいかがでしょうか。