金峰山/国師ヶ岳/北奥千丈岳 2013/11/12 寒波襲来で冠雪の奥秩父山歩き
金峰山2,599m/ 国師ヶ岳2,592m/北奥千丈岳2,601m 単純高低差236m
2年5ヵ月ぶりに訪問することになりました奥秩父最高峰の「北奥千丈岳」、日本百名山五丈岩がシンボルの「金峰山」、甲武信ヶ岳山頂からは雄大な山容を目の当たりにすることができる「国師ヶ岳」、以上奥秩父主脈縦走路に位置する別名「東アルプス」の三山を車両通行可能な国内最高所の車道峠「大弛峠」を起点に丁寧に1峰づつ登頂していきます。
当日は既に寒波襲来の情報を得ていたので、車道の凍結を懸念してゆっくりめに大弛峠に向かいます。大弛峠手前500mぐらいから凍結していましたが、何とか軽自動車のノーマルタイヤでも踏ん張りを効かせて無事に到着できました。路面は歩くと扱けるような状況でした。
準備を整えてまずは金峰山に向かいます。登山口から冠雪が見られ、登山道は終始雪道となりますが、靴のグリップが良く効くのでアイゼンは不要でした。道中、大弛小屋に宿泊したという女性単独ハイカーに話を伺うと、前日(11/11)午後から雪が降りだしたとのことでした。前半戦の金峰山では予想以上に風が弱く、快適な登山を堪能できます。しかしながら、寒さは半端なくフリース含めて4枚着込んでいました。山頂ではダウンを羽織り5枚体制となります。因みに山仲間の和製ステイサム基準に置き換えますと、12枚体制が基準になるかと思われるくらいの寒さです。
後半戦の国師ヶ岳、北奥千丈岳では、上空に分厚い雲が発生し、荒れていると思われる北アルプス方面からの雪が舞っていました。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
【ルート】:大弛峠P(8:11)⇒朝日峠(8:42)⇒朝日岳(9:20-9:29)⇒鉄山(9:48)⇒金峰山(10:25-11:28)⇒鉄山(11:55)⇒朝日岳(12:18)⇒朝日峠(12:42)⇒大弛峠P(13:04-13:09)⇒前国師岳(13:39)⇒三繋平(13:43)⇒国師ヶ岳(13:48-13:51)⇒三繋平(13:55)⇒北奥千丈岳(13:59-14:09)⇒夢の庭園(14:28-14:35)⇒大弛峠P(14:42)
※行程タイム:6h31m(休憩等含)
(注):行程時間は個人のペースで歩いたり、自然観察をしている為、またアクシデント・渋滞等発生により全く参考にはなりません。
自宅をAM3時40分に出発します。国道140号線通行中なぜか究極の睡魔に襲われて急遽、雁坂トンネル料金所駐車スペースにて1時間弱の仮眠をしていきます。その後、広瀬湖に立ち寄り紅葉の状態を確認して、湖面の先に聳える木賊山を視界に捉えます。
国道140号線沿いにある道の駅牧丘の先のトンネルを通過してすぐに右折します。林道川上牧丘線入口まで道なりに進んでいき、大弛峠まで14㎞表示からは車で一気に高度を稼いで国内最高所の車道峠を目指します。本日は高度順応しないまま標高の高いポイントからスタートしますので、酸欠状態がやや懸念事項となっています。
終始舗装されている道路を通行中、金峰山を確認してシンボルの五丈岩をカメラに収めます。
続いて南アの間ノ岳もカメラに収めて、ダイハツムーヴカスタムでグングン高度を稼ぎます。大弛峠手前500mぐらいの位置から凍結注意報が発令されて、ノーマルタイヤ低速走行で踏ん張りを効かせて何とか駐車場に到着です。
アスファルト部分は予想以上に凍結状態が進んでいて、心が凍結の帝王と呼ばれている私も歩くとスッ転びそうな状態にビビリ気味になります。
日本一高い車道峠(2,365m)より、まずは金峰山を目指して歩いていきます。
前日まで西高東低の冬型の気圧配置になっていた関係で、高所の山では降雪となっていたことが伺えます。樹木の隙間から白く輝く南ア方面の稜線が妬けに美し過ぎます。
すると恍惚と輝く私の瞳孔が一気に開きます。「キタダケぇ!」
「アイノダケぇ!」
甲斐駒ドカァ~ン!!!
女王「センジョウガタケぇ!」
南アオールスターズが視界に入り、酸欠状態を加速させながらも一気にテンションMAXへと急上昇です。
ザックには6本爪、8本爪アイゼンを搭載してきましたが、雪質の締りが良くまた靴のグリップも良く効いているので装着は不要と判断しました。
すると今度は樹間に「フジsan!」
朝日峠を通過して雲海に浮かぶ富士のトップを横目に、呼吸を乱さないように丁寧に登り込んでいきます。
霧氷を観賞しながら雪道を快適に歩いていきます。
やがて開けたポイントに出ると、奥秩父、奥多摩、丹沢、富士山、南アルプス・・・と周囲の山々の展望が気持ちよく利いています。昨日大弛小屋に宿泊していた単独女性ハイカーに南アオールスターズのポイントを聞かれ、説明しながら話込みます。小屋泊の客は2人のみでほぼ貸切状態、昨日午後から降雪していたので展望は全く利いていなかったとのことでした。
ちょっとガスが発生してきた白峰三山(左)、仙丈ヶ岳・甲斐駒(右)
北岳手前には前回周回縦走してきた「鳳凰三山」
甲武信三山(左から三宝山、甲武信ヶ岳、木賊山)
雲海
雲海に浮かぶ富士のピーク
下界。平均年収2500万円の村、レタスで有名な長野県川上村か?
奥秩父主脈縦走路(国師ヶ岳~甲武信ヶ岳~破不山~雁坂嶺方面)
景色を堪能した後、サクサク登っていくと朝日岳に到達です。
朝日岳山頂からも北岳、富士の国内ワンツーを確認できます。
鉄山~金峰山の美しい稜線、五丈岩にズーム
朝日岳から鞍部までは一気に急降下していきます。当然戻りの登り返しを計算に入れておかなければならないポイントです。
そして穏かに登り込んで、山頂標識が割れている「鉄山」をGETしていきます。
その後も奥秩父独特の原生林地帯の雪山歩きを楽しみます。
振り返って朝日岳、国師ヶ岳、北奥千丈岳を望みます。
森林限界を超えて、まずは両神山、甲武信三山を確認します。
埼玉最高峰の三宝山(左)、甲武信小屋が有名な甲武信ヶ岳(右)
視界を北側に移していくと、平均年収2500万円の川上村の一角にある湖だらうか。やっぱ時代はレタスだったんだよなぁ~、先物取引でレタスで大勝負を賭けていれば、今頃はフリーマンハイカーになれていただらうか・・・。それともアベノミクス加熱効果を逆手に空売りを仕掛けて倍返しか。
西側に眼球を移しながら「ヤツガタケぇ~」だぁ!編笠・権現・赤岳・硫黄・天狗と視界が利いています。
仙丈ヶ岳、甲斐駒、鋸岳
瑞牆山&カンマンボロン
小川山、再び両神山方面・・・と私の眼球が著しく忙しくなっていきます。
雲海に浮かぶ富士を横目に大岩歩きに注意しながら、アタック体制を整えていきます。
山頂に近付き一気に金峰山アタぁックぅぅうううう!!!
2年5ヵ月ぶり2回目の金峰山頂です。大岩を超えた場所にシンボルの五丈岩が鎮座しています。
山頂部は岩岩だらけで休息スペースにベストなポジションが取れないので、五丈岩周辺に移動します。
八ヶ岳、瑞牆山(左)、南アルプス(右)
五丈岩の前は登山道の交差点になっております。風は予想以上に穏かですが、めっさ、寒いディビスジュニアです。ダウン→フリース→ウェア→タートル→シャツの5枚体制で完全防寒中です。
五丈岩の裏側に廻り、南アルプスを一望していきます。
北岳(左)、仙丈ヶ岳・甲斐駒ケ岳(右)
本日は金峰山頂でチキンラーメンを美味しく頂くつもりが・・・。なんと!途中でガス欠が発生!!ぬるま湯のチキンラーメンになってしまいました。(汗)
五丈岩周辺でゆっくり寛いでいたら、浅間山方面、八ヶ岳上空にグレー色の分厚い雲が上空の支配人として押し寄せてきました。寒さも一気に増していく感触です。
東側に鉄山~朝日岳~国師ヶ岳の稜線を確認して、再び金峰山標識前に戻ります。
ふと振り返ると単独のハイカーが五丈岩を攻めています。御蔭で攻略ポイントを学習させていただきましたが、私は保守的ハイカーなので大人しく遠目で見学です。
五丈岩トップで大々的パフォーマンスを繰り広げるハイカー、以前オベリスクを登頂していたハイカーが五丈岩の方が難しいと言っていたのを思い出しました。
巨岩地帯を歩いていると、金峰上空にもグレーの支配人が舞い降りてきます。本日は北日本、北陸、北アルプス方面は荒れているとの予報を見てきましたが、降雪があってもおかしくない状況です。
原生林地帯を下り、あまりの寒さにドリンクがシャーベット状に凍り付いています。
過激に登り返して、朝日岳より金峰山頂を振り返ります。
その後開けたビューポイントより甲武信三山を眺めて、来た道を忠実に戻ります。
グリップの良く効く雪道をそのままノーマル走行で下り、まもなく朝日峠に到達です。
快適に原生林地帯を通過して大弛峠の駐車場に戻ります。凍結していた道路は大部分が溶けていました。ここで一旦ガスセットを車に置いて荷物を軽くしていきます。
小休止して、これから登り込んでいくターゲットを見上げて再起動していきます。ここ大弛峠の標高は2,365mです。酸欠状態にあまり変化はなく、軽い頭痛が続きます。
大弛小屋前より国師ヶ岳、北奥千丈岳のダブルヘッダールートに向かいます。
国師に向かうには必殺!階段歩きで脚部を酷使しなければなりません。丹沢の階段地獄より距離は短いし、破損もなく整備されています。しかし、金峰山登頂の後はきつい。
やがてステージは巨岩ポイントの登り込みへと移り、開けた場所から北奥千丈岳が目前に現れます。
ニセピークの前国師岳でワンクッションを置きます。更に気温の低下を感じ、この辺りで上空から雪がパラついていました。
国師ヶ岳を視界に捉えて三繋平を通過します。
三繋平より5分程度で国師ヶ岳山頂(2,592m)にアタックです!
山頂標識、一等三角点
正面には奥秩父最高峰の北奥千丈岳が聳えています。山頂部は北アルプス方面から風に乗って僅かな雪が舞っています。
来た道を戻り三繋平を経由して、北奥千丈岳にアタックを仕掛けに向かいます。
奥秩父最高峰「北奥千丈岳」にアタぁックぅうううう!!!山頂は2,601mあります。
まずは山頂より金峰山まで歩いた稜線を一望していきます。そして五丈岩をズーム。
先程までいた国師ヶ岳(左)、南アルプス方面はガスの中(右)
僅かに雪が舞っている中での芸術的奥秩父の霧氷
身体が冷やされてきたので下山に入ります。
岩岩、階段とチャッチャカ下ります。
序に夢の庭園へと入園していきます。
庭園で階段下りをしながら金峰山までの稜線を一望していきます。
夢の庭園を脱出して本線に合流します。
大弛小屋を通過して無事に駐車場に帰着します。
下山後は早速冷えた身体を温める為、「鼓川温泉 」に立ち寄ります。JAF割引適用で400円でした。山梨市三大温泉の花かげの湯、笛吹の湯に比べて露天も内湯も広めで何と言ってもPHが三つの中で一番高いので、私の美肌もツルツル・モチモチ更に磨きが掛かります(笑)。鼓川温泉の泉質はめっさ気持ちよく、長時間癒すことに徹してみました。私的にお勧め温泉です。
しかしながら花かげ・笛吹の湯同様、地元の爺ぃ達(100円で入浴している)が集まっているので、風呂場は一つの集落が出来あがっています。よそ者はすぐにわかるみたい。
癒し温泉後は雁坂道には向かわず、中央自動車道勝沼ICから圏央自動車道に入ります。お馴染みの狭山PAで大好物の肉汁うどんを美味しく頂いてから帰宅しました。
最後までご覧いただきありがとうございます。
■天候:晴れのち曇り
■出会った人:25人ぐらい
■タイム:8:11~14:42【6時間31分、休憩等含】
■形態:単独行
■水分:1.5L(ペットボトル500ml:3本)
■山域:奥秩父
■深Q百名山:第8座目で登頂済【通算2回目】
■出発地点より駐車場までの片道距離:158Km
■登頂日:2013年11月12日(火)
■その他:
★冠雪後の大弛峠を起点とした奥秩父山歩きは、大変新鮮で快適に歩くことができて満足しました。前回登頂した時はガスりが主体でしたので、富士山・南アルプスを中心とした展望が楽しめたことは歩く満足に拍車を架けました。しかし、寒さは半端なく、金峰山頂ではダウン含めて5枚を着込みました。
★金峰山は五丈岩が妬けに目立ち過ぎますが、国師ヶ岳・北奥千丈岳は意外にも渋さがあり、原生林を主体とした山域はまさに奥秩父最高峰に相応しい価値の深い山を感じます。この地が奥秩父代表格として位置づけしてもいいのではと感じます。でも人気の度合いでは雲取、甲武信には劣りますかね。
★単純高低差が少ない割には登り返しがあるので侮れません。適度に疲弊しました。スタート地点が標高の高いポイントでしたので、既に酸欠が発生(酸素濃度が下界の75%程度)、ゆっくり登り込みながら高度順応することを意識しました。ちょっと大袈裟かもしれませんけど。
★北アルプス方面が荒れていたので、後半は風に乗り雪が舞っていました。この時期でも奥秩父山域は安定しているので、雲取、甲武信などは活用の場となりそうです。