平ヶ岳 2013/8/15 深Qの日本百名山登頂シリーズ【Vol.38】 これぞ本格的ジャパニーズ・テーブルマウンテンだ!
平ヶ岳(ひらがたけ)2,141m 単純高低差1,301m
平ヶ岳は高層湿原を有する日本を代表する本格的テーブルマウンテンで、利根源流地域の最高峰でもあります。深田久弥氏は著書「日本百名山」で百名山を志した最初から念頭にあった山として、長く平らな頂上はほとんど水平で甚だ個性的であると紹介されています。
私的には以前より平ヶ岳登頂に非常に強い興味を抱いていて、この度アプローチの悪さを覚悟して、登頂計画の実行を決断してみました。
自宅より登山口までの距離を計測してみると、なんと!福島廻りで255㎞、新潟廻りでもほとんど変わらずの距離で、北アルプスに行くよりも距離があることに驚きます。強いて言えば、新潟廻りの奥只見湖周辺の国道(下道)で運転に難儀するものと思われ、栃木、福島の尾瀬エリアを経由して福島廻りで登山口に向かうことにしました。
当日は予定していた時刻よりもスタートが遅れてしまい、その影響で早朝から強い陽射を避けることができない痩せ尾根でたっぷりと日光浴しながら、尋常ではないほどの汗を放水状態で噴き出していきます。遂には熱中症で死滅するかのような登り込みでスタミナを思いっ切り奪われていきます。
その後、小刻みなアップダウンはあるものの木道のある平坦な道で息を吹き返していきます。調子が上向いた所で再び急登が待ち構えており、今シーズン最大の踏ん張りを効かせて強烈な登り込みを消化していきます。すると疲弊仕切った身体で目の前の光景を伺うとなんと!そこは池塘が点在するテーブルマウンテンの世界が拡がっていました・・・。
非常にロングで過酷な登山ルートの大まかな流れは、急登⇒フラット⇒急登⇒フラットと単純明快なコースで形成されています。それに小刻みなアップダウンも多少加味されています。単純明快コースではありますが、健脚の王道ルートに匹敵するクラスです。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
【ルート】:平ヶ岳登山口(5:18)⇒平ヶ岳登山道標識(5:32)⇒前坂⇒下台倉山(7:24)⇒台倉山(8:14)⇒台倉清水(8:25)⇒白沢清水(9:01)⇒池ノ岳【姫ノ池】(10:11)⇒平ヶ岳(10:38-11:32)⇒玉子石分岐(11:43)⇒玉子石(12:12-12:20)⇒池ノ岳【姫ノ池】(12:40)⇒白沢清水(13:43)⇒台倉清水(14:12-14:22)⇒台倉山(14:26)⇒下台倉山(15:09)⇒平ヶ岳登山口駐車場(16:23)
※歩行距離:24.8㎞(玉子石に立ち寄ったので往復約2㎞が加算されています。)
行程タイム:11h05m(休憩その他含)
前夜自宅を22時に出発し、白岡菖蒲IC⇒途中東北自動車道で帰省渋滞に遭いSAで仮眠⇒那須塩原ICで下車します。その後の下道が著しく長く120キロ以上はあったかと思います。AM2時半国道352号線沿いの「鷹ノ巣」に到着し、速やかに仮眠体制に入ります。駐車場は舗装スペース未舗装スペース合わせて30台ぐらい置けそうです。5時前に起床して登山準備に掛かります。
駐車場にはバイオトイレ(男女兼用)が併設されております。まずはロングな行程が想定されますので気合いを入れて5:18登山開始です!
痩せ尾根入口までは暫く樹林帯の中を歩き橋を渡ります。
平ヶ岳登山道の表示より山頂まで10.5㎞のロングな行程が始まります。
痩せ尾根に入る途中で「この先に蜂ノ巣があります。通過の際は鈴などはずし、静かに歩いてください。」の看板があります。確かに熊よりも蜂の方がリスクが高いだらうな・・・。
ここで緊急登山速報が私の脳内で流れます。「低山登山家(別に登山で糧を得ている訳ではありません)のおーまい・なるお氏が平ヶ岳登山中に熊鈴で蜂ノ巣に刺激を与えてしまい、逆上した蜂の大群に襲われ急死!」・・・ヤバイな、焦って熊鈴を即座に取り外して歩いていきます。
痩せ尾根の稜線が視界に入ると、左手側に「燧ヶ岳」の展望が利き始めていきます。
樹林帯を完全に抜け切った痩せ尾根に立つと背後より陽射が上ってきます。標高はまだ1,000mちょっとの低い位置で無風状態、時刻も6時台にも拘わらず非常に暑いです。この先の熱中登山が想定されていきます。
痩せ尾根はストロー級のように痩せており、切れ落ちた斜面正面には燧ヶ岳が、眼下には蟻地獄が待ち構えております。
痩せ尾根を登り込んでいくにつれて熱中化が促進されていき、本日大量に持参してきた必殺!塩飴で失われた塩分を補給していきます。
ロープ箇所も現れたりして、小刻みなピークをひと山づつクリアしていきます。とにかく大量に流れ落ちる汗の量に自分自身驚愕していきます。
このようにして遮るものが一切ない痩せ尾根の状況下、登り込んで発汗してきた暑さも加わり、動きが非常にスローリーになっていきます。やがて、少し登ると休憩の繰り返しが始まります。しかし、かなりのスローペースになったにも関わらず後続ハイカーに追い越されません。もしかして皆さんバテている?
恐ろしいくらいに灼熱の攻撃を受けていると、再び緊急登山速報が脳内で流れ始めます。「平ヶ岳登頂中の低山登山家おーまい・なるお氏が痩せ尾根を登り込み中、灼熱の暑さにより熱中症に掛かって急死!」・・・・
このまま無理して継続していくと有り得るだらうな。気持ち悪くなってリバースしたら完全撤退だな。二年前、「筑波山」で熱中登山を経験したトラウマが甦ってきました。あの時は記憶喪失にかかり、下山時は韓国系のオヤジに確か絡まれたっけなぁ・・・。
更に撤退と言えば、登山経験上過去に1度だけ95%本気で撤退を考えた登山がありました。約1年ちょっと前の両脚痙攣ダブルブッキング事件の「鳳凰三山」が回想されます。あれはほんと絶体絶命にまで追い込まれた山行であった。あの時も何とか乗り切ったことだし・・・リバースの有無で撤退材料の判断としていこう。
その後も強烈な急登と対峙しながら、瀕死状態でふらつきながら痩せ尾根をクリアしてピークに辿り着きます。まるでパンチドランカー状態になっていました。
このピークは下台倉山(1,604m)で、登山口より高低差約700m熱中登山で稼いできました。南側の燧ヶ岳は既に霞んで見えていました。
その後は極端に言えばフラットな尾根道を軽くアップダウンしながら突き進んでいきます。進行方向右手には平ヶ岳と池ノ岳が確認できます。まだまだ遥か遠方に位置しています。
尾根・樹林帯・岩と変化に富んだ登山道を歩いていきます。苦しんだ痩せ尾根を振り返ります。
相変わらず暑さに変わりはありませんが、登り込みが軽減された為、身体は回復傾向となります。従ってリバースは回避されたようです。
また、それとは別に新たな問題が発生します。虻のストーカー攻撃が勃発します。基本1匹が頭の周辺をグルグル廻っているのですが、追い払うと再び別の虻が単独で同様なストーカー攻撃を仕掛けてきます。虻ナイというより、非常にウザイです。
台倉山(1,695m)に到達です。
台倉山からの眺望です。東北最高峰の燧ヶ岳、そして目指す円形の平ヶ岳
台倉山から先に木道が顕著に現れ、歩きやすい登山道になっていきます。台倉清水では歩いて5分ほど先に水場があるようです。私のザックの中身はいつものように飲み放題状態にしてあるので水場は不要です。
木道を進みながら正面に池ノ岳を視界に捉えます。
白沢清水では湧水がありますが、浮遊物があるのであまりお勧めできません。台倉清水の水場の方が安心できると思います。
その先も暫くフラットな道が続きますが、やがて池ノ岳への急登地帯に入っていきます。
丸い平ヶ岳山頂部を左方向に見ながら急登を登り込んでいきます。何度か交差していたベテラン風ハイカーに視界の利く山頂名の確認を受けます。初めてのようですが私も初めてなんですが、なぜか全て回答していました。
両脇の稜線を眺めながら高度を稼ぎにいきます。
岩場を乗り越えてニセピークに到達です。南側の視界が開けています。
後にアタックを仕掛ける「平ヶ岳」
遠方に見える至仏山、眼下には小さい雪渓が見えています。
木道を少し歩いていくと、池塘が拡がる世界が私の輝く瞳に飛び込んでいきます。
姫ノ池です。池塘が点在する光景はまさに天上の楽園といったイメージです。
湿原を立入可能な範囲から見学していきます。
久しぶりに見事な池塘群を見て感動に浸ります。ここまで到達するのに熱中登山の拷問を受けてきただけあって、ただの感動ではありません。
平ヶ岳に向かいます。玉子石との分岐がありますが、山頂アタックを優先に木道を進んでいきます。
少し先にも玉子石との分岐がありますので、平ヶ岳からの戻り道で利用させていただくとしましょう。
山頂方向を穏かに登り込んでいくと山頂湿原に出てきました。
キンコウカを観賞していよいよ山頂アタックに向かいます。
山頂部と思われる場所に到達します。三角点は奥にあるようです。
表示どおり木道を奥まで進んでいくと、平ヶ岳山頂標識と三角点があります。山頂標識と一緒に自分撮影をしたいが誰も周囲におりません。え?おーまいの画像なんていらない、山ガールを見せろだって?悪いっすね、ここまで非常に厳しいルートだったもんで山ガールは今回一人も出遭っていません。そんなに山ガール見たけりゃ、今度高尾山山ガールレポ企画の案件でも立てて、1号路から6号路まで1日中歩きつくして掲載許可撮りまくってきますよ。何だか路線が硬派なおーまいからイメージ崩されちゃいそうだな。(汗)
湿原から燧ヶ岳を中心に尾瀬方面を一望していきます。日光方面は霞んで視界不良です。
最高点と思われる場所はまだ先にあるようなので、木道が突きあたるまで歩いてみることにします。
突き当たりに辿り着くと、テーブルマウンテンについての看板があります。平ヶ岳は太古の昔、大平源の一部だったという説が記載されています。
ここにも池塘があります。広大なテーブルマウンテンに一輪のニッコウキスゲが元気良く咲いています。
最高点と思われる場所に向けてチャルメラしょうゆ味を美味しくいただきます!・・・実際は山頂も暑かったのでチャルメラは失敗、美味しく頂けませんでした。(汗)正直、ガスセットは重いだけで余計な荷物になりました。
北側の池塘の先に中ノ岳が見えています。右側には薄っすらと越後駒ケ岳が確認できます。
他方南側の尾瀬ヶ原方面に目を向けると至仏山、笠ヶ岳が確認できます。
再び三角点のある場所に戻ります。登り込み時の拷問的痩せ尾根と対極的に感じる非常に気持ちの良い山頂湿原です。
三角点に戻るとやっぱ誰もいません。これでは撮り合いができませんね。諦めます。
燧ヶ岳、池ノ岳と眺めながら山頂を下ります。
山頂から近い分岐点より玉子石(1.0㎞の表示)に向かいます。
途中水場がありました。水場看板には「あなたが来るまでは美しかったと言われないように」の記載があります。ここの水場は信頼できる新鮮な水ですねぇ~。「おーまいが来てから更に美しくなった」と言われてみたいですねぇ~。(笑)
水の質が良いのかコバイケイソウが勢いよく咲いています。
ハクサンフウロ、モミジカラマツ
その先もコバイケイソウの群生が広がります。道標は酷く傾いており、豪雪時の雪の重みで変型したものと思われます。
快適な木道歩きから平ヶ岳を横から眺望すると、本格的テーブルマウンテンだということが認識できます。
周囲に豊富な高山植物を抱える池塘を見ながら玉子石にアプローチしていきます。
テーブルマウンテンそして、越後三山の方向を確認します。深田久弥氏は同じくテーブルマウンテンの「苗場山」を著書で平ヶ岳と比較して山頂が傾いていると評価を下げています。その点平ヶ岳の評価は、「長く平らな頂上はほとんど水平で甚だ個性的である」と表現されています。
玉子石0.2㎞地点になんと!反則の宮様ルートがありました。通称、皇太子ルートと呼ばれるルートで銀山平から宿泊者のみが送迎で利用できる平ヶ岳のショートカットルートです。このルートは私的にあまり認めたくありませんね。やはり厳しい鷹ノ巣ルートから登頂することに平ヶ岳の価値があると思います。
いよいよ玉子石の姿を拝む機会が訪れます。表示板には「風化して危険ですから近よらないでください」の文字があります。
高台に出ると玉子石が豪快に鎮座する姿を確認します。玉子石が池塘群を見守っているというような光景に見えますね。
ここで無謀にも自己責任で玉子石に接近してみます。風化した首元がヤバイってことですかね。首元でも折っかいたら自己責任だけでは済まされませんね。
更に玉子石がどんな光景を見ているのか、正面に立って玉子石の目線モードで池塘を眺めていきます。
すると!私の脳内で再び緊急登山速報が流れます。「低山登山家のおーまい・なるお氏が平ヶ岳アタック成功後、玉子石に立ち寄り風化した玉子石が突然崩れて下敷きとなり圧死!」・・・危険すぎる・・・。油断できんな。すぐに玉子石前から立ち去ります。
高台に戻り越後の山々、巻機山方面を眺めて玉子石を後にします。
オヤマリンドウ、池塘を通過して姫ノ池に戻ります。
平ヶ岳を振り返ると上空に嫌な雲が出始めてきました。下山まで持ってくれるだらうか。
先程の水場付近にはテントを張るハイカーがいます。姫ノ池に戻る方向にも僅かですがテン場がありました。
姫ノ池に戻りました。道中この場所が一番お気に入りになりました。
平ヶ岳は何度見ても美しい。熱中登山で得られたご褒美は、生涯忘れられない良い思い出となりました。
山頂湿原に満足できましたので、至仏山を捉えてロングな行程で鷹ノ巣に戻ることに致しましょう。
下山する方向の尾根を見て気持ちを引き締めていると、平ヶ岳山頂方向から突如ヘリのエンジン音が聞こえてきます。そしてこちらに向かってきました。
何度か私の脳内で流れていた緊急登山速報で駆けつけてきたのか?なぜか童心に返り無性に手を振りたくなってきました。抑えられない気持ちを押し殺して、何とか手を上げないように気をつけていきます。
私の頭上でヘリは旋回していき、尾根の遥か先でホバリングを始めました。下山する方向ではありますが距離がかなりあるので確認できません。
この時サブカメラの望遠で撮影していたので、肉眼では何をしているのかは判断できませんでした。後から画像で確認すると、救助隊と思われる隊員がロープで下りていました。
その後何を引き上げたのか?はわかりませんでした。特に平ヶ岳での遭難のニュースも確認できませんでした。
ヘリでホバリングしていたと思われる場所を通過していきますが、特に異変を感じることはありませんでした。台倉清水で本日テン泊するハイカーと少々話込みます。ここまでの登り込みでかなりバテた様子で、実際午前中よりも気温が上昇しています。下山も再び熱中登山との格闘ですね。
稜線を歩いていくと何となく周囲の天候の急変を感じとりながら台倉山を通過していきます。
燧ヶ岳の上空には強烈な爆弾入道雲が形成されています。ヘバっている身体で無理矢理ピッチを加速させていきます。
平ヶ岳上空も妖しくなってきました。時より吹きつけてくる風に冷風を感じるようになってきました。遠方では僅かな雷鳴が聞こえ始めていました。
痩せ尾根を視界に捉え突き進みます。途中、バテ気味のハイカーを何人か遠慮なく追い越していきます。
下台倉山に到達し痩せ尾根最上部に立ちます。鷹ノ巣までは長すぎる。ここでふと、笑うセールスマンに出てくる喪黒福造の行きつけのお店が確か「鷹の巣」であったことをどうでもいいことですが思い出します。
下山方向の痩せ尾根、そして迫りくる入道雲
そうこうしている間に雷鳴が近場で鳴り始めてきました。この音の下界感覚ではあと10分~15分で来る勢いに感じます。必死になって下っていきます。しかし痩せ尾根は滑り易く、ペースを上げると危険地帯が多々ありますので慎重に下ります。
うわぁ~、やべぇ~なぁ。迫りくる暗黒な入道雲、近づく雷鳴に怯えていきます。ザックの中にある充電器のパッキング、ザックカバー、レイン等々用意しているうちに来ちゃいそうだ。出来るだけ標高を下げていく作戦に出るか。
ここでまたまた緊急登山速報が脳内で流れ始めます。「低山登山家のおーまい・なるお氏が平ヶ岳下山中、痩せ尾根で落雷に打たれ感電死!」・・・これが一番現実的だ。焦る気持ちを押し殺し、無理矢理冷静になります。
痩せ尾根に何人かハイカーがおりましたが皆さん焦ったと思われます。脚部の痛みなど気にせず、雷鳴だけが上空で響き渡る中、最大級の気合いで樹林帯に何とか逃げ込みます。
何とか雷鳴のみで済み周囲の直撃は避けられたようです。安心しながら河原で顔を思いっ切り洗い流していきます。
無事に鷹ノ巣駐車場に帰着することができました。非常にヘビーでパンチのある行程に大汗ものでした。一体、登山速報で何回死にかけたことだらうか。
352号線を福島県側に走っていき車道より燧ヶ岳を眺めていきます。その先の檜枝岐村では嵐の跡が見られたので、落雷の直撃とゲリラ豪雨があった模様です。
本日の癒し温泉は、鷹ノ巣より25㎞離れた檜枝岐村にある「駒の湯 」に立ち寄ります。受付のスタッフの方と少々話する機会がありました。燧の湯も同じ系列ですが源泉は別とのことです。燧の湯は燧ヶ岳の登山客が多く、駒の湯は会津駒ケ岳登山客が来るとのこと。平ヶ岳では10年ぐらい前はほとんど虫がいなかったそうです。近年の温暖化現象で虻など無視できない害虫が増加してきたようです。熱中登山を体験して納得です。
月が出るまでゆっくりと身体を癒していきました。大変ロングな行程をロングなレポで最後まで拝読していただきありがとうございます。(*^。^*)
■天候:晴れ(下山時雷鳴響き渡る)
■出会った人:20人ぐらい
■タイム:5:18~16:23【11時間5分、休憩等含】
■形態:単独行
■水分:5.0L(ペットボトル500ml:10本)
■山域:越後
■深Q百名山:第38座目
■出発地点より駐車場までの片道距離:255Km
■その他:
★道中とにかく暑さに苦しめられました。痩せ尾根は太陽を背に登っていきますので夏場は本格的拷問登山を強いられます。山頂の穏やかさとは対照的に登山道は激しい急登が待ち構えています。
★非常にアプローチの悪い平ヶ岳を無事登頂できて大変満足しております。谷川連峰や尾瀬から見る平ヶ岳を身近に感じながらも近くて遠い山のイメージを常に抱いておりました。新潟廻り福島廻りどちらも片道250キロ超えは、著しく運転に疲弊してしまう距離です。しかも下道が半分以上の福島側ですが、352号線を新潟側ほどは走らないので安心はできました。お盆休みの混雑と重なり、行きも帰りもPAで仮眠をしていきました。結果、運転を含めた本当の登山に関する行程は、前夜22時出発~1日空けて午前1時30分自宅着でしたので、27時間半の行程でした。
★テーブルマウンテンの山頂湿原は苗場山とはまた違った雰囲気の湿原を楽しむことができました。しかし、虻が多過ぎた気がします。温暖化の影響ですかね。今回の暑さも10年前なら緩和されていたはず、今後もっと暑くなったら夏場は近寄れないってことでしょう。滑落事故や道迷いの遭難以上に熱中症の遭難事故が激増していきそうですね。
★風化の進んだ玉子石は見る価値ありと思います。しかしながら、玉子石まで往復するのに2キロありますので、余力があれば立ち寄ることをお勧め致します。
★1週間後、今までの拷問系歩荷登山の影響だらうか、仕事中に腰痛が発生します。次に控えていた早月尾根からの「剱岳」登頂計画を断念せざるを得ない状況となりました。甲斐駒黒戸尾根との比較を実体験でレポする予定が残念ですが暫く様子見となりました。今後も無理しない登山でレポを展開していくつもりです。宜しくお願いします。