越後駒ケ岳 2013/8/10 深Qの日本百名山登頂シリーズ【Vol.37】 越後三山の主峰を踏破!
越後(魚沼)駒ケ岳 2,003m 枝折峠より 単純高低差938m
越後駒ケ岳は深田久弥著書の「日本百名山」では「魚沼駒ケ岳」として紹介されています。八海山・中ノ岳とともに越後三山を形成し、越後駒ケ岳は三山の主峰として百名山に挙げられました。三山の最高峰は中ノ岳(2,085m)、信仰登山で賑わうのが八海山であるが、敢えて深田氏が駒ケ岳を挙げたのは、山として一番立派だからと記載があります。
さて、今回越後三山の主峰踏破に当たり、約1年前からメル友で交流のあった山ガールを従えるハイカー「のほほん山歩き 」のサイト管理者でもあるrin氏と初コラボ山行に出掛けてきました。なんと!驚くことにタイトルののほほんとは真逆の攻略的健脚ハイカーの歩きを咬まされ、結構な厳しい登山となりました。
駒ケ岳は越後の奥深い山域に位置している為、アクセスも容易ではなく、登山口に辿り着くまでに運転等で疲弊してしまいます。主なルートは三つ存在し、水無川キャンプ場と駒ノ湯温泉の両登山口からは、高低差があり過ぎて暑さでバテることが想定されますので、一番ハイカーが利用されているルートの枝折峠(しおりとうげ)から登頂することに決断して計画を立てていきます。
当日は雲の多い天候となり、ガスの流れで暑さも幾分和らいだ感じがありましたが、それでも樹林帯は蒸して暑かったです。山頂にアプローチしていくに従い、ガスの濃度も濃くなり、アタックした山頂では正直寒いくらいでした。さて、一体どんな山行内容となったのでしょうか・・・。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
【ルート】:枝折峠駐車場(5:18)⇒明神峠(5:52)⇒道行山分岐(6:45)⇒小倉山(7:26-7:32)⇒百草ノ池(8:04)⇒駒ノ小屋(8:57-9:11)⇒越後駒ケ岳(9:27-9:37)⇒駒ノ小屋(9:53-10:43)⇒小倉山(11:56)⇒明神峠(13:13)⇒枝折峠駐車場(13:39)【ピストン】
※歩行距離:15.8㎞ 行程タイム:8h21m(休憩等含)
自宅を深夜1時前に出発し、関越自動車道群馬地内のとあるPAで「のほほん山歩き」のサイト管理者rin氏をピックアップしていきます。その後小出IC下車⇒国道352号樹海ラインを通過し、奥只見シルバーラインに入ります。シルバーラインにいくつか点在するロングで年季の入ったトンネルでは、対抗車にも擦れ違わず、非常に不気味で暗黒の世界が拡がっており、単独での深夜走行では恐怖心でアクセルを吹かしてしまいそうです。
枝折峠駐車場にはまだ薄暗い4時半頃に到着します。駐車場は約30台程度置けるスペースで綺麗なトイレも併設されています。下側にも駐車場があります。
準備を整え登山カードを提出後、小倉山経由で駒ケ岳登頂に向けて5時18分コラボ山行の開始です!
登山道の方に廻り込むと前方には駒ヶ岳方面のアップダウンの続く稜線、左手側には薄っすらと確認できる中ノ岳?眼下には国道352号線が見えています。空模様は曇り主体で展望が利きにくい状況ですが、逆に暑さが和らぐであらうと前向きな発想に転換していきます。
まずは目先のピークを丁寧に登り込んでいきます。同行者のrin氏はダブルステッキの達人で非常にバランスの取れた歩き方をされるので、まるでガイドに先導されているかのような錯覚が起きます。
そのまま変化の乏しい登山道を歩いていくと、やがて整備された木道が現れます。
駒ノ湯との分岐を過ぎると枝折大明神に到達です。大明神前でrin氏は格好良くマダムハイカーを決め込んでいます。分岐の駒ノ湯方面は銀の道と呼ばれ、かつては銀山平で採掘された銀を運搬するために開かれた道で最盛期には年間1万を超える人たちが通行されていたそうです。
枝折大明神のすぐ上に明神峠の表示があります。小倉山までまだ3.3㎞もあります。
尾根沿いに山頂方面を捉えますが、ガスで駒ケ岳山頂部は見えていません。見えているのは前駒部分でしょうか。
そのまま進んでいくとミニ湿原地帯に池塘らしきものが・・・。ちとぅ、厳しいんじゃないっすか(笑)。と咬ますと引かれてしまいますので、ここは穏便に通過していきます。
明神峠~小倉山間は標高1,200m~1,300m後半のラインを暫く歩いていくので、やや蒸した環境の中、汗を噴き出しながら進んでいきます。逆に快晴であれば、直射日光を浴びて熱中症の危険すら感じられるコースです。
道行山分岐では、道行山には立ち寄らずにそのまま駒ケ岳に向かいます。地図で確認すると、道行山方向に進んで行けば銀山平まで通じているようです。
少しづつ標高を上げていくに連れて、ガスの流れが著しく加速していきます。眺望は全く利いておりませんが、ガスの流れに入るとヒンヤリと気持ちが良いくらいです。
やがてピークらしき部分に到達すると小倉山山頂部でした。晴れていれば眺望が利くポイントのようです。
その後は整備された階段などで高度を稼ぎながら、百草ノ池の前に到達していきます。
木道から百草ノ池を観賞していきます。正直、一般的に湿原と呼ばれている地帯と比較すると貧相な湿原としか感じられませんでした。おぉ~と、失言は控えめにしてと、そのまま正面の駒ヶ岳方向に向かいます。
アザミを捉えてから登り込みを継続していきます。
まもなく岩壁が現れ足元に注意を払いながら登っていきます。
岩場に咲くアキノキリンソウ、カタバミ
標高1,800m地点でも雪渓が残っています。いかに豪雪地帯に駒ケ岳が存在しているかが伺えます。
段々険しくなるに連れて岩場には親切に赤いマーキングが付されており、本日のように視界が悪くても進行方向を判別して進んでいけます。
核心部を登り上げると駒ノ小屋の前に出てきました。
駒ノ小屋前には広めの休憩スペースがあり、数組のハイカーがベンチで寛いでいます。しかしガスの濃度が濃すぎて周囲に何があるのか判別に困難を極めます。
小屋内部の1階部分(2階もあります)を確認させていただきます。宿泊のハイカーは2,000円を小屋管理協力金として木箱に収めます。トイレも内部にあります。
ガスガスの中、小屋の左側から山頂アタックに向かいます。
キンコウカ、ハクサンコザクラ
雪渓のヒンヤリとした冷気を体感しながら、ガレた登山場を登り込んでいきます。
コバイケイソウを観賞しつつ、中ノ岳との分岐に突き当たります。
駒ケ岳方向の木道を進んでいき、果敢に山頂にアタックを仕掛けにいきます。
越後駒ケ岳登頂成功です!山頂には山頂標識、三角点、猿田彦の像、剣などが置かれています。
山頂標識には鐘が付属しているので遠慮なく鳴らしてみます。
三角点と猿田彦の像
登頂記念として丸い山頂標識でお互いに撮り合います。
展望が利いていると至仏山、平ヶ岳、八海山、中ノ岳などの名峰が見渡せるようで山頂からの眺望は抜群のようです。ここでガスガスの展望に納得がいかないので、コラボバンザイを咬まして山頂での〆とさせて頂きました。
再び駒ノ小屋まで戻り、休憩スペースでランチタイムにしました。
ガスでお湯を沸かし、八海山と思われる方向に向けてチリトマヌードルを美味しく頂きます。
背中を向けている小屋の管理人さんと暫し話をさせていただきました。普段から山頂は晴天率が悪く、暫くこのような天気だったようです。逆に今の時期快晴だと灼熱地獄で相当な体力を奪われることが想定されます。
山頂及び小屋前で約1時間休息したので、そろそろ下山に入ります。まずは岩場下りから来た道を忠実に戻ります。
脇には凄い岩壁が見えます。浮石など注意を払いながら稜線を下っていきます。
眼下に雪渓を見て前駒と思われる箇所(表示なし)を通過していきます。
標高を下げていくに従い、視界が利き始めます。
グングン高度を下げていき小倉山に到達です。登り込んできたハイカーが暑さにバテ気味の様子で休憩をしています。
標高の低い位置で小刻みなアップダウンを繰り返していくと暑さが倍増していきます。
同行者rin氏は登りも下りもほとんど休憩を入れずに終始安定したペースでの健脚ぶりに圧巻させられます。ほんとガイドさんに先導されているような歩きです。
明神峠を通過し木道を歩いていきます。
暑さで蒸した登山道を残り900m頑張って歩いていきます。
国道沿いの駐車スペースが見えて来たら、左に進み枝折峠駐車場に無事に帰着です。
rin氏登頂終了のポージングで越後駒ケ岳の登山終結宣言をさせていただきます。山頂以外暑い中、大変お疲れさまでした。
下山後の癒し温泉を事前調査では、小出IC近辺の温泉施設をいくつかピックアップしていましたが、帰路看板につられて外観だけでも見に行ってみようということで立ち寄ってみると、意外にもいい感じの雰囲気でしたので、本日の越後駒ケ岳で疲弊した身体を「白銀の湯 」で癒すことに決断していきます。
周囲には雪国風の建屋が点在しており、豪雪地帯であることが伺えます。内湯、露天がありゆっくりと汗を流して身体を癒していきます。露天にはぬるめの源泉がありゆっくりと浸かることができました。
■天候:曇り
■出会った人:30人ぐらい
■タイム:5:18~13:39【8時間21分、休憩等含】
■形態:同行者1名(のほほん山歩きのrin氏)
■水分:4.5L(ペットボトル500ml:9本)
■山域:越後
■深Q百名山:第37座目
■出発地点より駐車場までの片道距離:215Km
■その他:
★越後三山の主峰をまずは登頂してみました。いづれは中ノ岳、八海山にも脚を延ばして行きたいと思っています。近年全国的に暑くなってきた異常気象の下、越後の山域はガスっていても暑く、快適な山歩きには感じられませんでした。基本的に越後山域での夏場の登山は体力が消耗させられるだけで、秋が適した時期か思われます。
★標高が千メートル強の範囲での山歩きが長いため、暑さ対策が必要かと思われます。虻が多く単独で付きまとう率が高い印象を受けました。1匹追い払ってもまた別の虻が付きまとって来るような交代制で仕掛けてくるような動きをしており、とてもウザく感じました。隙を見せたら首を1発刺されてしまい、ほんと虻ないです。
★今回、初コラボさせていただいた同行者のrin氏は想定以上の健脚ハイカーで驚きました。今後は北アルプス縦走や燧ヶ岳日帰りを狙って活動を継続していくそうです。何と言っても武器はクライマーなんですよね。岩場・鎖場に強みを持っているハイカーでした。
★残念ながら山頂ではガスっていて展望をみることができませんでした。八海山だけでも見てみたかったと心残りではありますが、機会があれば今度は別ルートで再来してみたいと思います。
★新潟側から入る場合、枝折峠までのアプローチは往路ともにシルバーラインを活用して駐車場に入ることが望ましいと思います。352号線は国道といっても擦れ違い困難な箇所が多数存在しています。