仙丈ヶ岳 2013/7/20 深Qの日本百名山登頂シリーズ【Vol.35】 弾丸登山で南アルプスの女王にアタック!!!
仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ) 3,033m 単純高低差1,003m
南アルプスの山域への訪問は今週で三週連続となってしまいました。以前より訪問予定をしていた仙丈ヶ岳に1度は黒戸尾根からピストンを考えたことがありますが、やはり堅実なルートとして北沢峠からのアタックで決断していきます。しかし、登山口までのアクセスは北岳の登頂起点でもある広河原から、更にバスを乗り継いでいかなければならない為、必然的に日帰り行程時間が制約されていきます。
仙丈ヶ岳は対極に聳える男性的山容の甲斐駒ケ岳に対して、なだらかな女性的山容から「南アルプスの女王」とも呼ばれています。また、小仙丈沢カール・薮沢カール・大仙丈沢カールの三つのカールを有し、高山植物の豊富な山としても知られています。
今回、南アルプスの女王をアタックするに当たり、約三か月ぶりのメンバー登山となりました。最近は日帰りロング縦走主体(自己満足以外何物でもない山行形態)になっていたこともあり、単独比率が高まる状況でした。そこに何度目の合同山行となるのか忘れましたが、元同僚のM男とM子が合流し、前回の北岳登頂に引き続き3,000m超えにチャレンジしていきます。
当日は芦安市営駐車場より始発バスに乗車し、広河原で再度北沢峠行きのバスに乗り換えて現地に到着します。既にバスに揺られる乗車時間約85分を消化して疲弊気味でした。その後、仙丈ヶ岳に登頂していく訳ですが、なんと!南アルプスの女王に快晴の下、我々をたおやかに優しく包んで大歓迎していただきました。久しぶりの大展望MAXを堪能させていただきます。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
【登山ルート】:北沢峠(7:50)⇒一合目(8:04)⇒二合目(8:22)⇒三合目(8:44)⇒四合目(8:55)⇒大滝ノ頭五合目(9:18)⇒森林限界地点六合目(9:42-9:50)⇒小仙丈ヶ岳(10:19-10:34)⇒八合目(10:58)⇒仙丈ヶ岳(11:37-12:07)⇒山頂直下の岩場で昼食(12:18-12:46)⇒仙丈小屋(12:54-13:03)⇒馬ノ背ヒュッテ(13:27-13:34)⇒仙丈薮沢小屋(13:47)⇒大滝ノ頭五合目(14:06)⇒四合目(14:18)⇒三合目(14:28)⇒二合目(14:43)⇒一合目(14:54)⇒北沢峠(15:04)
※歩行距離:11.2㎞ 行程タイム:7h14m
約3カ月ぶりのメンバー山行となり、仮眠1時間半後の深夜0時半、自宅最寄駅でメンバーをピックアップしていきます。私だけ先週の魔のデスゾーンを経験した北岳登頂に引き続き、クレイジーな2週連続の芦安駐車場訪問となります。芦安に4時10分頃到着しましたが、第三駐車場は既に満車で第一駐車場にギリ停めることができました。
5時30分発のバス乗車券売場の列がまだ並ばれていなかった為、念のため、乗り合いタクシーの列に並んでみますが・・・・。用意されていた乗り合いタクシーは既に出発済で、夜叉陣峠のゲート開放待ちだそうです。応援を1台呼んでいるそうですが乗車できる可能性が薄く、またバスより発車が遅れることも見込まれる為、速やかにバス乗車券売場に移動して最後尾に並んでいきます。
わりと早目の列に並んでいたので山梨交通のバス到着後、3台目のバスに余裕で座ることができました。約1時間の乗車中、やはり小刻みなアップダウンの揺れをケツの穴で感じながらも、今回は仮眠時間が短かったことが功を奏して少しうたた寝をしていました。
広河原到着後、北沢峠行きの乗車券(片道750円)を購入し、ひと廻り小型のバスに乗り換えていきます。
広河原より舗装路で約25分ぐらいで北沢峠に到着します。
登山開始前にトイレ休憩や、ルートの再確認をしていきます。当初、大平山荘から薮沢に抜けるルートで登頂する予定でした。しかし、乗合タクシーの運転手情報では薮沢大滝周辺の登山道が崩壊しているらしいとのことです。
念のため、北沢峠の登山拠点でもある「長衛荘」にルートの確認をしていきます。
長衛荘に入ると若い女性スタッフがいて、登山道の状況確認をしてみます。すると、どこかに問い合わせをしていただいたようで、やはり薮沢大滝に通じるルートは崩壊箇所があり、現在通行止めでした。長衛荘内部は大変綺麗でいつかは泊まってみたい山小屋の候補になりました。
最終バスの時刻16時を確認して、7時50分登山開始です!
標高は既に2,000mを超える位置からスタートし、空気の澄んだ原生林の中を快適に登り込んでいきます。
同行者のM男が妙な動きで登り込んできますが、構わず一合目を通過していきます。
着実に高度を稼ぎながら二合目も堅実に通過していきます。
傾斜も徐々に急になっていきますが、前回美ヶ原でユルユル登山をした割にはしっかりと同行者らは付いてきております。
三合目手前の樹間からは、早くも花崗岩で白く輝く甲斐駒ヶ岳が姿を現します。
ガレ場の急坂を消化するとやがて四合目に到達していきます。
そのままペースを乱さずにゆっくりと高度を稼ぎます。
稜線上からは北岳、鳳凰三山が確認できます。
着実に歩を進めていくと大滝ノ頭五合目です。この場所は馬の背との分岐点にもなっています。
本日は確立高く快晴が望めるので、小休止を程々にして先に進んでいきます。
開けた場所より甲斐駒ドカァ~ン!!!正直、黒戸尾根から2回登頂しているにも拘わらず、まともに山頂を拝むのが初めてで、刺激過ぎのテンションMAXこの上ない限りです。
展望の開けた六合目に到達です。少々展望を堪能していくとしますか。
やはりいきなり目に飛び込んでくるのが、甲斐駒ドカァア~ン!!!
奥秩父山系
鋸岳
北アルプス穂高連峰、槍ヶ岳
八ヶ岳
他のハイカーが言うには立山連峰方面
もう一丁、両脇に八ヶ岳、奥秩父に挟まれた甲斐駒、大変素晴らしい展望です。
六合目を振り向きながら小仙丈ヶ岳に向かって、ハイマツ地帯を登っていきます。
登り込みながら「鳳凰三山」
1週間前にデスゾーンを体験した国内第2高峰の「北岳」、本日は大変穏かです。
そして国内最高峰のMt.富士です。
役者が揃ったところでワン・ツー・コラボショット!!
登山道脇にはナナカマドが群生
最高の快晴の中登り続けていきます。
そのまま絶景を堪能しながら小仙丈ヶ岳に取り付いていきます。
そして小仙丈ヶ岳にアタックです!山頂から仙丈ヶ岳方面に目を向けると・・・。
小仙丈沢カールを擁したターゲットの南アルプスの女王「仙丈ヶ岳」が見えています。
北岳・間ノ岳
甲斐駒ケ岳、鳳凰三山、本日は展望が利いているので何度でも登場させていきます。
富士山、白峰三山
富士山・北岳・間ノ岳のワン・ツー・フォーコラボの貴重なショット
日暈が確認でき近い将来天候の崩れが想定されます。いよいよ南アルプスの女王にアタックを仕掛けに行きます。
稜線を進んでいくとゴゼンタチバナだらうか。
チングルマ、イワカガミ、この地帯は高山植物の宝庫ですね。
標高が2,900m近くになってくると酸欠が・・・。必殺!食べる酸素を服用してみますが効果は軽微です。既にお気づきの方がいると思いますが、実は六合目過ぎてから画質がソフトモードになっていて、迫力と鮮明さに欠ける画質になっていました。撮影中違和感を感じつつも脳が麻痺していたようで修正できませんでした。(汗)
小刻みなアップダウンの稜線では、酸欠で動きが封じられながらも着実に女王にアプローチしていきます。
ややフラツキながら八合目に到達です。近いように見えて中々女王に辿り着けない酸欠気味のおーまいでした。背後にいるM子は絶好調でしっかりと追尾しています。一方M男は酸欠以前の問題で、体力が付いていかないとしてかなり後方を歩いていました。
岩場を乗り越えていきます。
そのまま仙丈小屋分岐も通過していきます。
仙丈小屋を眼下に見ながら廻り込んでいくと、仙丈ヶ岳ピークに複数のハイカーが確認できます。
高度障害が出始めつつも、ミヤマシオガマをしっかりとカメラに収めていきます。
ワンツーコラボをバックにおーまいのショット。実はメンバーには伝えていなかったのですが、何度か立眩みの症状を起こしていたので、サングラスの奥の瞳はいつも輝きを見せているなるお型の瞳ではなく、魚の死んだ瞳に染まっています。
魚の死んだ瞳で南アルプスの女王を捉えて、果敢にアタックを仕掛けにいきます。
過激に仙丈ヶ岳にアタック!!深Q銘柄のGETです。標高は3,000mを超えているので酸欠が懸念事項ですが、自ら動きを封じて座り込んでいれば身体が落ち着きます。
石の上に座りながら眼下に見える仙丈小屋と周囲にいるハイカーをズームで捉えます。
これだけ天候が良好なんで、しつこいくらいにやりますよ~。山頂からの甲斐駒ドォカァア~ンんん!!!
何度眺めても最高!ワン・ツー・コラボとワン・ツー・フォー・コラボ
360度の大展望MAXを堪能しながら、酸欠気味の身体で暫し座り込んで休息していきます。
周囲にいたハイカーの皆さんもこの大パノラマに暫く釘付け状態になっています。
酸欠など無関係の絶好調のM子が私の高度障害を気にして、標高を下げるようGOサインを出していきます。山頂付近に咲くイワベンケイを確認しながら仙丈小屋廻りへと少しづつ標高を下げていきます。
3,000mのKnock Down状態で照準が旨く合わせられずに撮影です。ミヤマキンバイ、ミヤマオダマキ。下山中、登頂途中に何度かお話をした小奇麗な単独女性ハイカーと少々高山植物の確認をしながら下りてきました。またまた小奇麗ハイカー?画像はどうしたかって?・・・スカンを喰らいました。(笑)
仙丈小屋に向けてザレ場を下ります。
下山途中、ハイカーの少ないポイントで静かに昼食休憩です。周囲に咲く花はキタダケソウ?いや、ハクサンイチゲか。違いがよぅ~わからんですわ。
久しぶりに高山でガスセットを担いできましたのでやや腰痛気味です。3回分の湯を沸かし、私は甲斐駒に向けてチャルメラ塩味を美味しく頂きます。
甲斐駒や周囲の稜線を眺めて腹を満たしていきます。
エネルギー補給後、再び仙丈小屋に向けて標高を下げていきます。
多くのハイカーで賑わう仙丈小屋に到達です。山小屋スタッフに小仙丈ヶ岳経由の下山と馬ノ背ヒュッテ経由だとどちらがいいか尋ねます。どちらもタイム的には変わりがないようで、馬ノ背経由の方が静かな山歩きができるとのこと。甲斐駒は十分脳裏に焼き付けたし、登り返すのも面倒なのでトラバースしながら下山して行くとしますかね。
小屋前の広場から眺める甲斐駒、仙丈ヶ岳。小屋のマスターによると、本日はこの時期稀に見る素晴らしい展望とのことでした。南アルプスの女王を選択して大正解でした。まぁ、この日は他の山域も良好な天候だったようで。
そして仙丈ヶ岳の上方に現れた変異な雲を見て、あれが出ると近い将来天候が崩れるサインだと申しておりました。
バスの時刻もあるので、本日絶好調のM子を先頭に下っていきます。
ここでカメラの充電が切れてサブのカメラを用意しましたので、見づらいソフトモードが解消です。甲斐駒にガスが掛かり始めました。そして並行して小仙丈ヶ岳を眺めていきます。
M子が絶好調に下っていきますが、普段下りのスペシャリストとしてカモシカステップの技を持つM男が難儀しています。登りで体力を相当奪われたらしいです。途中分岐を薮沢に下っていきます。
徐々に高度障害が取れ始め、登山道脇に咲く高山植物の接写(旨くありませんが)をしていきます。ハクサンチドリ、シナノキンバイ
まもなく馬ノ背ヒュッテに到達です。
ヒュッテは遠目で見る以上にしっかりとした造りをしています。ベンチで小休止してから再起動をしていきます。
北沢峠90分~2時間の表示を少し下っていくと雪渓が現れます。
五合目大滝の頭に向けて雪渓をトラバースしていきます。
樹林帯の中にある薮沢小屋に到達です。内部は管理人らしい人がいたので、入口からの撮影のみに留めておきます。避難小屋に近い雰囲気でしょうかね。
再び雪渓を通過していきます。
その後も小刻みなアップダウンを繰り返しながら樹林帯をトラバースしていきます。
そして合流地点の五合目の大滝ノ頭に出てきました。そのままガレ場をグングン下っていきます。背後から迫るM子のスピードに多くのハイカーが道を譲りますので、我々も遠慮なく追い越させていただきました。
下山中、前を歩くブルーの服の小奇麗な単独女性、何度か登山中に山や高山植物の話をさせていただきました。挨拶を交わし遠慮なく追い越していきます。果たしてこのレポを見ていただけたでしょうか。
三合目を通過しグングン標高を下げていきます。
二合目からは、やや膝に違和感を感じているM子に先頭を変わり、一気にハイスピードモードに切り替えて下っていきます。
そして一合目から北沢峠へ。バスの時刻には余裕の三時ちょい過ぎに到着です。
トイレに立ち寄ってから本日の行程をアプリを見ながら回想していきます。
広河原行きのバス乗車券を購入後、待ち合いのベンチの列に並びます。前方では何やらツアー?の山の学習会みたいのをやっています。
なんと!16時発のバスの前に15時30分の臨時バスを出して頂きました。広河原到着後、速やかに乗り合いタクシーに移動して、約50分の道程を爆睡してしまいました。
芦安に帰着して、同行者らも快晴の南アルプスの女王に訪問でき大変満足そうな表情です。っていうか、やっぱM男の正体はトモダチだったのか。
芦安市営第一駐車場に戻り、金山沢温泉に向かいます。南アルプスの女王から受けた気持ちの良い疲弊感を思う存分癒していきます。
行程は決してロングという訳ではございませんが、画像が多過ぎてロングレポとなってしまいました。最後まで御拝読お疲れさまでした。
■天候:快晴
■出会った人:目視で150人~200人ぐらい
■タイム:7:50~15:04【7時間14分、休憩含】
■形態:同行者二名【M男、M子】
■水分:3.5L(ペットボトル500ml:7本)
■山域:南アルプス
■深Q百名山:第35座目
■出発地点より駐車場までの片道距離:160Km
■その他:
★人生三峰目の三千M超えに登頂してきましたが、身体が高度順応できずまたまた山頂付近では難儀な動きとなってしまいました。今回もですが、いつも以上に短い仮眠で登頂し、立眩みを何度か起こしました。これも高度障害の一部だと思いますが、カメラの画質が途中からソフトモードになっていて、編集しながら気付き大変見づらい状態に撮影されていました。次回以降三千超えの場合、携帯酸素を持参して確実な有酸素登頂で挑み、意識障害が発生しないように気を付けながら登頂してみようと考えます。
★久しぶりの快晴に恵まれテンションMAXで、南アルプスの女王に相応しい登頂をすることができました。挑戦的登山に相反する快適な登山、やっぱ断然この方式の方が気持ち良く登頂できます。(当たり前ですが)
★甲斐駒ケ岳を筆頭に、鳳凰三山、白峰三山、八ヶ岳、奥秩父、北アルプスの槍ヶ岳周辺など大変素晴らしい大展望を堪能することができ満足な登山でした。
★南ア方面では塩見、悪沢、赤石、聖など未踏な山々がまだまだありますが、更にアプローチが悪く、短期間での登頂に難儀しそうな山域です。機会があれば是非登頂してみたい名峰ですね。