那須岳(茶臼岳/朝日岳/三本槍岳) 2013/5/25 深Qの日本百名山登頂シリーズ【Vol.32】
那須岳 (茶臼岳1,915m/朝日岳1,896m/三本槍岳1,917m) 単純高低差447m
拷問登山消化月間の最終週は、新規に深Qの日本百名山をGETしてみようと昨年から狙っていた「那須岳」をターゲットに計画を遂行していきます。
那須岳は、主要5つのピークを有する那須火山群の総称で、中央に聳える主峰、活火山の「茶臼岳」は現在でも噴気孔から活発に噴煙を上げています。他にはアルペン的山容の「朝日岳」、ゆったりと横たわる「三本槍岳」が連なっています。
また登頂計画とは別に、衝動買いをしてしまったLOWAの登山靴を試し履きする為、適度な深Q百名山を選別していると、やはり那須岳が適度な歩きにマッチングしていきます。
当日の深夜、下界では厚い雲が拡がっていましたが、車で標高を上げていくと、なんと!雲海が下界の上空に拡がっています。日の出早々の快晴状態にテンションも一気に高まっていきます。まずは、活火山の茶臼岳にアタックをしていきますが、そこは、まるで時空を超えて何処かの惑星に隔離されてしまったのだらうかと、目の錯覚を起こさせるような山でした・・・。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
【ルート】:那須岳駐車場(5:02)⇒中の茶屋跡(5:19)⇒峰の茶屋跡避難小屋(5:40-5:44)⇒那須岳神社【茶臼岳山頂】(6:26-6:32)⇒RW分岐点(6:52)⇒牛ヶ首(7:11)⇒無限地獄(7:14-7:20)⇒峰の茶屋跡避難小屋(7:35)⇒朝日岳の肩(8:03)⇒朝日岳(8:10-8:15)⇒熊見曽根東端(8:32)⇒清水平(8:48)⇒北温泉分岐(8:56)⇒三本槍岳(9:17-9:46)⇒朝日岳の肩(10:32)⇒峰の茶屋跡避難小屋(11:02)⇒那須岳駐車場(11:30)
本来はメンバー山行のつもりが皆さん御都合が悪く、急遽単独で那須岳に向かうことを決断します。今回は数日前に、衝動買いをしてしまった初の2万円台のLOWA登山靴を試し履きすることも目的でした。別にアベノミクス効果の恩恵は全く受けておりませんが(笑)。因みに、甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)、赤岳(真教寺尾根)などは、1万円ジャストのトレッキングシューズで登頂しておりました。やはり、三種の神器の中で靴は最も重要なアイテムですね。
前日は21時30分に就寝、AM1時40分に起床します。その後マシーンに乗り換え、白岡菖蒲ICから東北道の那須ICまで走り抜けていきます。道は極めて空いていて2時間強で那須エリアに入ります。新規深Q百名山を視界に捉え、温泉街を通過していきます。
通過地点の「恋人の聖地」より、これからアタックを目指す茶臼岳・朝日岳を一望していきます。
下界方向は既に神秘的な雲海に包み込まれ、完全に天空と二分化されている世界を感じます。
そしてタイミング良く、私にとって今年の初日の出を見ることができ、テンションがオーバーヒート気味になっていきます。
更にパーキング到着前、ハイカーでは無かった三年前に親戚と宿泊した施設が見えて驚きました。那須岳が目前に思いっ切り見えていますが、当時は気にもしていませんでした。
寄り道をしながら、RW駐車場より更に上まで行った場所に、那須岳駐車場があります。見上げるとRW山頂駅が見えますが、大した距離ではないので、登山道から入山していったほうが、コスト的にも割安となります。
駐車場に併設されているトイレに立ち寄ってから、LOWAを装着し準備完了です。
5時2分、朝日岳を視界に入れながら登山開始です!
那須岳登山口より静かに入山していきます。
広がる雲海の先に筑波山を捉え、穏かにガレ場を登っていきます。
すぐに森林限界に達し、青々とした空の元、茶臼岳が視界に入っていきます。
中の茶屋跡ではハイカーたちが、アルペン的山容の風景をバックに記念撮影に没頭しています。
ガレ場を登り込んでいくと、峰の茶屋跡避難小屋が遠方に見えてきました。
飛行機雲まで確認出来、大変気持ちの良い空間を快適に歩いていきます。
峰の茶屋避難小屋に到達し、中を少し覗いてみます。基本的に小屋内での宿泊は禁止されています。
避難小屋から見える茶臼岳は、噴気孔からガスを噴出しながら、ジェット機のような音を立てています。
雲海を眺めながら、まずは茶臼岳の登頂を目指していきます。その後、RW方向に下りて分岐より、無限地獄を周回するコースを取ります。
会津駒ケ岳、平ヶ岳方面、そして燧ヶ岳が確認できます。
道標を確認してガレ場を登り込んでいきます。
ペイントを頼りに、足場に注意を払いながら登り込みます。
高度を稼ぐと、更に絶景なる広がりを見せる雲海が、美しい輝きを私の瞳に反射させていきます。
お釜周り経由で、コンパクトなお釜を周回していきます。
避難小屋方向を見下ろすと、摸形のように小さく見えています。
山頂の位置を見定めて、アプローチを掛けていきます。
燧ヶ岳、会津駒ケ岳の眺望が利く眼下の爆裂火口では、噴煙が上っています。
硫黄臭を嗅覚で感じとりながら、一気に茶臼岳山頂にアタックしていきます。
鳥居方向から廻り込んでくるハイカーが多い中、ハイカーに向けてマルチビタミンを補給していきます。
無風且つ快晴の山頂で暫し、小休止してからRW山頂駅方向に下っていきます。
RW山頂駅分岐までガレ場を下っていきます。
途中、砂走りのような箇所も下っていきます。ここは観光客には、ちょいと厳しいんじゃないでしょうか。ハイヒールは論外です。
分岐より牛ヶ首に廻り込みます。
噴気孔の無い東斜面から茶臼を見上げていきます。
間もなく、無限地獄への入口「牛ヶ首」に到達します。
西側の茶臼岳山腹を巻きながら、無限地獄を通過していきます。
無限地獄から吹き上がる硫黄臭を浴びせられ、何だか気持ち悪りぃ!
ふと、眺望が利く側を見ると、池塘が確認できます。
そして爆裂火口を眺めながら、山腹を進んでいきます。
次に向かう朝日岳方面を捉えて、峰の茶屋跡避難小屋に戻ります。この地点は風の通り道と言われるほど、爆風が吹き荒れることが多いようですが、本日は大変穏かです。
丁度、1周してきた茶臼岳を振り返って、朝日岳・清水平に向かいます。
朝日岳に向かって歩いていきますが、予想以上に初心者向けのコースではありません。
ガレた急坂を登っていきます。前方には小学生くらいのキッズを含むパーティが、難儀しながら岩場を登り越えています。
鎖も現れ、アルペンチックな雰囲気の中、ワクワクしながら突き進んでいきます。
難易度の低い鎖場をトラバースしていきます。但し、対面通行には要注意です。
落石注意の急坂を登り込むと、朝日岳の肩に到達します。
5分で到達できる朝日岳ピークを捉え、横目には茶臼岳を視界に入れながら、アタックを仕掛けにいきます。
山頂標識が崩壊している「朝日岳」にアタックを決め込みます。目前には茶臼岳が聳えています。
眼下に見える那須岳駐車場、峰の茶屋跡避難小屋をズームで捉えます。
山頂からの眺望をもっと楽しみたかったのですが、実は山頂には想定以上の小虫が飛んでいます。刺すような虫ではありませんが、数が多いので虫できません。
以前、赤岳の真教寺尾根を登り込んでいた時、小蝿を吸い込んだことがあります。急に気持ちが悪くなり、ケンシロウのように経絡秘孔を突いて、体内で内部爆発を引き起こし、吐き切ったことを思い出しました。(汗)
茶臼を横目に朝日岳の肩まで戻る訳ですが、途中茶臼岳を眺めていた若手ハイカーが、私に向かって「チャーァス!」と挨拶をしてきました。私は茶臼とオーバーラップしていたその若手ハイカー目掛けて、「チャウ~ス!」とお返しをしていきます。
朝日岳の肩から熊見曽根東端を通過して、清水平に向かいます。
稜線を歩きながら、先程登頂してきた「茶臼岳と朝日岳」のコラボを楽しみます。
清水平までは、変則的半壊に近い状態の非常に足の置き場に困る階段を、難儀しながら下っていきます。
清水平まで下りると木道が現れますが、基礎が崩壊気味でユラユラ不安定な木道歩きが課せられます。ヘビー級のウエイトがあるハイカーが、ホップ・ステップ・ジャンピングでフィニッシュを決め込むと、確立高く木道がブチ壊れると確信しました。
フラットな道から三本槍岳に突き進みます。陽射の強さもジワジワと露出した腕の皮膚を焦がしていきます。
三本槍岳の姿を確認すると、槍という名の付く山だから天を突き刺すようなイメージを持っておりましたが、意に反して非常にたおやかな山容です。
雲海を横目に、三本槍岳にアプローチを掛けていきます。
そして一気にアタックを決め込んで、那須連峰最高峰に登頂です。
広めの山頂には、展望盤と一等三角点があります。
展望盤を見ながら、左から磐梯山・吾妻山・安達太良山・・・今年訪問してみたい福島の名峰を眺めていきます。
飯豊連峰
磐梯山・安達太良山を再度しっかり捉えていきます。
登頂してきた朝日岳、茶臼岳を振り返ると、山頂には続々とハイカーが集結してきます。
燧ヶ岳、会津駒ケ岳、平ヶ岳方面、そして燧ヶ岳のアップ
日光連山、そして日光白根山のアップ
山頂で行動食を摂ってから清水平方面に戻ります。
正面に朝日岳、茶臼岳を捉えながら、チャッチャカ清水平まで歩いていきます。
半壊状態の階段では、集団ハイカーが難儀しながら下ってきましたので、道を譲りながら登っていきます。
朝日岳、茶臼岳のコラボ、三本槍岳を眺望しながら歩を進めます。
狭い山頂の朝日岳ピークでは、ハイカーが蟻のように見えています。
ガレ場を下っていき、朝日岳の肩に戻ります。
朝日岳の肩より、暫く登頂することもないだらう茶臼岳、朝日岳を、絶好の快晴に感謝しながら目に焼き付けていきます。
アルペン的登山道を下って、鎖場をトラバースしていきます。
鎖場ではジュニアハイカーも頑張っています。しかしながら、標高2,000mにも満たない場所で、見事な光景を味わえて感動ものです。
峰の茶屋跡避難小屋周辺では、多くのハイカーが休憩をしております。迫力のある朝日岳を何度も振り返ります。
駐車場の方面まで下ると、賑やかな声が聞こえてきます。30人×5クラスぐらいの遠足部隊のジュニアハイカー達と擦れ違います。RWを使わずに、しっかりと登っていく勇姿を見て何となく彼らの未来を感じます。
間もなく駐車場に帰着です。駐車場は予想以上の満車状態でした。出る時、ランクルが迷惑的駐車行為をしており、大変難儀な思いをしました。思わぬ所でライダーの方が誘導してくれて、無事に狭い隙間からトヨタノアを脱出させることができました。ライダーの方どうもありがとうございました。下界に下ると厚い雲の下に入っていきます。
那須IC手前にある「那須山 」で本日の登山で味わった疲労感を癒していきます。館内は意外にも空いていて、源泉の感触も気持ち良く、私的に日帰り温泉ベスト5に入る良さを感じました。是非一度は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
■天候:快晴
■出会った人:カウント不能状態(想定人数:300人)
■タイム:5:02~11:30【6時間28分、休憩・展望含】
■形態:単独行
■水分:3.5L(ペットボトル500ml:7本)、ガスセットを積んできましたが未使用でした。
■山域:那須連山
■深Q百名山:第32座目
■出発地点より駐車場までの片道距離:163Km
■その他:
★標高2,000mにも満たない山域のアルペン的雰囲気の中で、天候にも恵まれ大変素晴らしい快適な歩きができました。火山地帯ということもあってか森林限界が低い位置から始まります。茶臼岳の西側に上がる噴煙は特に印象的でした。是非、茶臼岳は1周することをお勧め致します。
★久しぶりに見た雲海は、筑波山よりも低い位置に拡がっており、下界からは想定できないような天空の快晴と厚い雲海が波打っていました。素晴らしい!の一言です。
★東北道を利用した那須エリアは、意外にも近く感じましたので、福島県も射程圏内に入りそうです。でも日帰りは難しいかな。