熊倉山 2013/3/30 驚異の秩父山系「熊倉山」、道迷い多発地帯に潜入!
熊倉山 1,427m 単純高低差805m
秩父山系で道迷い・遭難多発山域として知られ、ひっそり感漂う驚異の山に「熊倉山」があります。私的には、県内で和名倉山に次ぐ単独登山を恐れていた山でした。急登、展望なし、不気味な山域として、マイナスイメージのある玄人志向の山としての認識を抱いておりました。
今回は、志同じく熊倉山に興味を抱いていた健脚ハイカーでもあるヤマレコユーザー、健脚Mana氏と合流して熊倉山アタックを決め込むことにしました。3日前の雲取三峰ピストン消化直後により、脚部の筋肉痛が抜けきっていない状態でのアタックとなりますので、脚部の状態を見ていく上で試験的登山としての要素も兼ねての山行となります。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
(ルート):城山コース登山口駐車場(7:22)⇒日野コース分岐(9:26)⇒熊倉山(9:31-9:55)⇒日野コース分岐(9:59)⇒笹平(10:25)⇒官舎跡(10:58)⇒三又(11:07)⇒林道出合(11:37)⇒城山コース登山口駐車場(11:55)
※歩行距離:8.4㎞ 行程タイム:4h33m(休憩含)
AM5時30分道の駅花園で、今回の同行者である七峰縦走42.195㎞を難なくクリアしてしまう健脚Mana氏と合流します。そして道の駅荒川でトイレ休憩に立ち寄り、見えるはずの熊倉山方面を確認してみますが、思いっ切りガスの中です。実は本日の天候は期待できないのを承知の上での熊倉山アタックです。
その後、秩父鉄道白久駅前の舗装道路を上っていくと、城山コース登山口に出られます。登山口前には駐車スペースがあり、8台ぐらいは置けそうです。本日は城山コースから登り、下山を日野コースで下る周回コースを予定しております。登山口入口には、行方不明者の張り紙があり、西武秩父駅周辺を最後に足取りが掴めないらしく、不明場所が熊倉山との記載はないもののまるで熊倉山で遭難したかのような感じで貼られておりました。
準備を整えていきますが、既に冷たい霧雨が降っております。本日は雨が避けられそうにないので、一月前に新調したゴアテックスのレインを上だけ着込みます。
僅かなウォーミングアップロードを登ると、目の前にはロングな急登を思わせる斜面が待ち構えています。
単調なショートの斜めった九十九折りを暫く登り込み、高度を稼いでいきます。高度に比例してガスの濃度も濃さを増していきます。しかし、初っ端から強烈な登り込みの連続です。
熊倉山独特の不気味さを味わいながら登り込みます。道標には番号が付されており、特に他に何もないのでアタックまで励みとなるアイテムです。
不気味な登山道はそのまま続き、徐々に痩せ尾根へと変化してきました。
そして急登の痩せ尾根を登り込んでから、一気に急降下します。健脚Mana氏は余裕綽々で、ホップ・ステップ・ジャンプの手順でクリアです。
ガスっているシチュエーションも相乗効果になっていると思いますけど、昔流行った映画で「死霊のはらわた」を観たことがありますが、まさにそんな光景を観ている気がします。野生動物が出てくるというより、何か得体の知れない物体が現れてきそうな不気味さを感じます。
元々展望が利かない山頂なので、敢えて天候が期待できない本日がアタック日に選ばれてしまいました。
そうこうしているうちに、踏み跡らしき道を辿っていると尾根から外れていることに気が付きます。獣道だったようで、他の多くのハイカーも迷われて入っている様子が伺えます。仕方がないので、一気に尾根筋まで強引な直登りをしていきます。
尾根道を登り込んでいき、日野コースとの分岐点に出ました。ここより熊倉山まではあとひと踏ん張りです。
気合いを入れ込み、驚異の熊倉山山頂にアタックを仕掛けにいきます。
そして熊倉山山頂に呆気なく登頂成功です。山頂は縦長で当然の如く、貸切です。その先には酉谷山に続くルートがあります。
少し先の様子を伺うと岩の上に小さな祠が置いてあったり、日野コースは「Uターン」と赤文字で強調されています。道迷いの代名詞とも思われている山域だからでしょうか。
肌寒く感じる山頂で暫し、健脚Mana氏手製のランチをいただきます。錆びた鉄板に、不気味に垂れ落ち刻み込まれた熊倉山の山頂標識文字を肉眼で確認することが出来て、感動のオナラ・ブーです。
20分強休憩した後、下山に入ります。分岐点まで下りて、今度は日野コースで下ります。
城山コースとは対照的に穏かに下っていきます。原生林風の苔も現れ、雰囲気もコースで異なりますね。
しっかりと道標もあり、ピンクテープも目印となり迷う事無さそうですが・・・。
足元注意!の赤札を見て、再度気を引き締めて下っていきます。
やがて幻想的な雰囲気に包まれた場所「笹平」に出ます。紅葉の時期には、絶好の穴場スポットになるでしょうね。
ピンクテープや道標を頼りに下って行くわけですが、途中2回ほど、複数のハイカーが踏み間違えられたと思われる踏み跡に、自然と誘い込まれる箇所があります。緊張感が途切れた時に、ふとその道に入っている私がいました。その都度、後者にいる健脚Mana氏に道が違うのでは?と指摘されていきます。最近、デジタル化して鈍った感覚にツケが廻ってきているようです。
トタン屋根の残骸が剥きだしになっている「官舎跡」を通過していきます。
沢筋にある「三又」に到達すると、苔蒸した箇所が目立ってくるようになってきました。
この雰囲気、まるで御岳山のロックガーデンにクリソツです。
霧雨が続く中、ロックガーデンのような沢筋を何度か渡りながら、この雰囲気を楽しませていただきます。
暫く味わってから城山コース登山口に戻る為、林道コースへとシフトしていきます。武州日野駅に下るコースはもう少し沢筋を歩けるみたいです。
ゴアテックスのレインで雨に打たれながら、そのまま車道へと歩いていきます。
突き当たりの車道を左に曲がって歩いて行くと、やがて起点の場所に戻ります。本日のコンディションは終始ガスり&霧雨状態でした。御蔭で不気味な雰囲気と神秘的な雰囲気が交差しながらの山歩きを楽しませて頂き登山終了です。
片付けを終えた後、白久駅方面に3キロ程度車で下ると「谷津川館 」があります。本日の日帰り癒し温泉をこちらに決定させていただきます。
なぜか昭和風の風情ある趣に安心感を感じて入館していきます。因みに、日帰り入浴1000円。ロッカー無の為、貴重品はフロントで預かってもらえます。
ロビーの脇から長い通路を渡って浴室に向かいます。
なんと!いきなりの貸切です。その後、他に一人だけ入浴してきましたが、交互に内湯、露天と移動していたので、実質貸切みたいな感じで癒し温泉に浸ることができました。驚異の熊倉山の疲れを癒すには、かなりナイスな湯でした。
白久駅前を通過し、道の駅花園にある名物大根そばを頂いてから解散となりました。最後までご覧いただきお疲れ様でした。
■天候:終始霧雨
■出会った人:完全貸切状態
■タイム:7:22~11:55【4時間33分、休憩含】
■形態:同行者あり(健脚Mana氏)
■水分:2.0L(ペットボトル500ml:4本)⇒消化したのは400mlのみ
■山域:秩父山系
■出発地点より駐車場までの片道距離:76Km
■その他:
★私的に恐れていた驚異の「熊倉山」に不気味なシチュエーションの中、潜入できましたので満足できた山行となったと思います。晴れた日に違いを確認する意味でも再来もOKかなと感じました。
★城山コースの急登の連続は、下りでは取りたくないルートだ感じます。今回の周回コースの方がベターだと思います。城山コース(不気味)、日野コース(神秘的)と言った対照的なコースで、奥秩父の雰囲気も味わえる変化に富んだコースでした。晴れていても展望は宜しくないとか。
★次回の合同山行は和名倉山か?笠取山か?皇海山か?と色々と案件が出始めてきました。