妙高山 2012/10/19 深Qの日本百名山登頂シリーズ(Vol.28) 霧氷と紅葉のコラボレーション編
妙高山(みょうこうさん)2,454m 単純高低差1,144m
新潟県上越地方に聳える「妙高山」は、豪雪地の高層湿原を抱き、頸城山塊(くびきさんかい)に属した花の名峰として知られています。また、火打山・焼山を含めて頸城三山とも呼ばれています。
頸城山塊へは、本年の登山で一番遠征することとなり、山小屋泊も本年度初、通算4回目の経験となりました。2年前、石川県白山市の親戚宅訪問時、通過地点の妙高SAに立ち寄ったことがありましたが、実際にこの山域に近づくのは初体験となります。
今回の妙高山アタック計画に賛同してきた同行者は、最近レポ登場回数激増中でお馴染み?の鎌ヶ谷の団地テニスプレーヤーこと、和製ジェイソン・ステイサムです。同行者のステイサム氏は、約1ヶ月前に頸城山塊に訪れ、火打山ピストンを試みますが、登山口で土砂降りに遭い、急遽「飯綱山」に変更登山をされたそうです。リベンジも兼ねての参戦です。
まずは曇り空の中、妙高山への登山をスタートさせていきます。道中、暫く雲の中にいる状態が続いておりましたが、標高2,000m超えの黒沢池に差し掛かる辺りから、徐々にガスが切れていきます。そして、ターゲットの妙高山が我々の目前に姿を現した時、なんと!その聳え立つ迫力ある姿は、霧氷と紅葉のコラボに包まれた最高のシチュエーションで我々を歓迎してくれました。しかしながら、美しい姿とは裏腹に、過酷な直登で拷問的登山の洗礼を受けていくことになっていきます・・・・・。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
(ルート):笹ヶ峰登山口(6:01)⇒黒沢出合(6:49~6:53)⇒十二曲り(7:18)⇒富士見平(8:29)⇒黒沢池ヒュッテ(9:28~9:35)⇒大倉乗越【2,150m】(9:55~10:00)⇒長助池分岐点(10:38)⇒妙高山山頂【2,446m】(11:51~12:31)⇒妙高大神【2,454m】(12:38~12:43)⇒長助池分岐点(13:44~13:50)⇒大倉乗越(14:20)⇒黒沢池ヒュッテ(14:42)⇒茶臼山(15:13)⇒高谷池ヒュッテ宿泊(15:40)
毎度の如く、最寄駅でステイサム氏をピックアップしていきます。今回は片道距離が250Kmとロングな運転になるため、早めに集合しました。途中、2度ほどPAで休憩を取り、約4時間半掛かって笹ヶ峰駐車場に到着です。敢えて下側の広い駐車場に停めていきます。トイレもしっかりと完備されています。
少々仮眠してから登山準備を整えていきます。空は曇り空ですが、天気予報の晴れを期待して、火打山・妙高山登山口に向かいます。
上側の駐車場(30台)にある笹ヶ峰登山口より、紅葉を期待しながらまずは登山開始です!
色付き始めた紅葉を観賞しながら、穏かに木道を進んでいきます。
暫く傾斜が緩めなので、丁寧に登っていけば、心拍数も急激に上がることはありません。
富士見平までは、火打山まで1Km毎に設置されている距離表示を参考にして歩いていきます。
鮮やかな紅葉に目を奪われながら歩いていくと黒沢橋に到達します。
その後も登り込みながら、自然界より目の保養を継続させていただきます。
ややキツイ登りと感じつつも、山中の内側から眺める紅葉は、圧巻!の一言です。
十二曲りも中盤となり、長短様々な九十九状態に、想定していたよりも難易度が低いことを感じるようになります。
十二曲り標識の先でも急坂は続き、難易度もアップしていきます。
高度を稼いでいくと、紅葉の絶景も広がりを見せて、視界に入っていきます。
急坂を登り込んでいく苦しさも、忘れるくらいの絶景を味わっていきます。標高1,600m~1,800m近辺が特に見頃でした。
間もなく、「富士見平」に到達です。周囲はガスリ、雲の中にいる感じで富士山が見えるどころか展望が全くありません。
ステイサムも続いて到達してきます。その後に続いて来たオヤジハイカーは地元のハイカーで、火打山の日帰りだそうです。我々は妙高山目指して突き進んでいきます。
少し下って歩いて行くと、開けた笹原地帯に出ます。当初は真っ白でしたが、次第にガスが切れ始めていきます。
そして次の瞬間光が射し始め、我々は神秘的な光景を目の当たりにしていきます。
訪問するタイミングが偶然的だったのか、或いは我々には必然的訪問であったのか、素晴らしく見事に輝く「霧氷」を見ることができました。
やがて、バックの紅葉が美しい「黒沢池」が一望できる場所に出ます。
黒沢池から少し歩いていくと、ドーム型屋根が特徴的な「黒沢池ヒュッテ」の前に出ます。
裏側にあるトイレ(200円)を拝借し、ベンチで小休止していきます。黒沢池ヒュッテより妙高山までは、ピストンになりますのでここでザックのデポも考えます。
ヒュッテ情報などは、山仲間で呟きの女王こと「らるご」氏【らるごの山日記どきどき下界】ただいま人気急上昇中!より色々と御教示頂きました。黒沢池ヒュッテは、上から目線的要素の強い小屋と他複数レポで拝見したことがありましたが、実際に小屋内部に入らなかったので、真実を確認することができませんでした。噂とは無関係に、ただ人の気配が無かったので、デポはせずにそのまま担いで妙高山アタックしていくことを決断していきます。
反対側の高谷池に向かう稜線を眺めてから、妙高アタックに向かいます。
大倉乗越(2,150m)に到達すると、目の前の視界が一気に開けます。眼下には、鮮やかな紅葉の狭間で「長助池」が見えます。
そして、目の前にはこれから立ち向かう予定の「妙高山」が、霧氷と紅葉のコラボを咬ませながら、豪快に聳え立っています。
妙高に取り付くには、まずはこちらも豪快に標高を下げなければなりません。行き成りの急坂が我々を待ち構えていました。鎖・ロープが苦手なステイサムは、引き締まった表情で真剣に急坂下りをしていきます。因みに、TOEIC「940点」のスコアを弾き出す帰国子女且つ、元樵のステイサムは、実はチェーンソーの達人です。
急崖坂をロープを掴みながら慎重に下っていきます。その後は巻きながら妙高山へとアプローチしていきます。
紅葉とベストマッチングされた長助池との高低差が、徐々に詰まっていきます。
山頂までのコースタイムが掻き消された道標前から、妙高山を見上げていきます。
長助池分岐に到達します。どうせ妙高までピストンだからと、ベンチ上側にある岩の隅に、再度ザックデポ案をステイサムと議論します。後続ハイカーはあまり来ないと判断しますが、野生動物に荒らされる可能性があると却下の結論となります。
鞍部より妙高山に取り付いて行くと、初っ端からの直登りと難儀なガレ岩場地帯を登っていきます。
グングン高度を稼ぎます。ステイサムも難儀な登りに気合いを入れて登り込んでいきます。
ロープ箇所を上がっていくと、霧氷の光景が目に飛び込んできます。
岩壁にある祠に立ち寄ってから少し登ると、アタック体制を整える前に、なんと!妙高山山頂前に出てきてしまいました。
一先ず、深Q百名山「妙高山」登頂成功です!一等三角点側には、地蔵が一体寄りかかっています。
火打山です。背後に分厚い雲が押し寄せており、著しい速さでガスに包まれていきます。
軽く行動食を摂ってから、南峰に廻り込みます。日本岩の前を通過していきます。
山頂標識のある北峰に戻ります。野鳥「ウソ」がこんな高い位置に飛んできていました。ウソじゃありません。エサ?を求めてでしょうか。
高谷池ヒュッテには、あまり遅い時間に到着できませんので、妙高山頂を充分満喫した後は、鞍部まで拷問ラインを一気に急降下していきます。
長助池分岐に戻り、その先で先程までいた妙高山山頂を見上げていきます。
大倉乗越より、聳え立つ「妙高山」をしっかりと観賞していきます。豪快な山容です!
茶臼山を登り返しながら、外輪山とセットの妙高山を眺めていきます。
木道、岩岩歩きを消化しながら進むと、「高谷池」が視界に入ります。
ヒュッテ入室前に高谷池を観賞していきます。ステイサムは、池には無関心の様子でした。
15時40分、ヒュッテ正面より入室していきます。右側連絡通路に繋がっている建屋はトイレ(大5小3)です。
ヒュッテに入り受付を済ませます。小屋のスタッフから、丁寧な小屋内部等の説明を受けます。その後、今夜の寝場所を案内されました。2F、仕切り16人枠下側2列です。基本応対は、ビジネス的観点から、支払った対価に対する役務提供はしっかりしてもらえていると思います。何処かの小屋のような上から目線的要素は、全く感じられませんでした。因みに管理している妙高市観光課の方も予約段階で、親切丁寧に応対してもらえました。
2F反対側の寝室、3F仕切りの無い広々とした屋根裏部屋には、沢山の布団が置かれていました。
1F広間が食堂兼談話室、翌日の天気予報や火打山紹介DVDが見られます。食事は17時30分~まだ時間がありましたので、1Fで休憩することにします。時期もあり小屋内部が非常に寒かったので、ストーブで温まります。
そこで近くにいた兵庫からお越しの御夫婦と暫し会話をしていきます。御夫婦は交通トラブル?があったらしく、直接高谷池ヒュッテに来て、明日火打・妙高両方アタックに切り替える計画に変更していました。それは厳しいだらうと管理人からも助言されていました。ステイサムは、御夫婦に百名山経験や妙高の行程(休憩含10時間弱)を熱く語っていました。
白馬岳・・・・。北アルプスの山々を展望してから、夕飯のカレー(基本お変り自由ですが、カレーが無くなれば終了です)を美味しく頂きます。その後19時30分には寝床へ。寒かったので靴下を履いて、上はフリース含め3枚着込みます。なんと!同行者のステイサムは寒がりで7枚も着込んでいます。そして熟睡モードに入り、明日の火打山アタックに備えて身体を癒していきます。
どれくらい熟睡しただらうか・・・真っ暗闇の中、脇に寝ていたステイサムが布団を叩いてきます。「6時半!」と呟いています。寝ぼけながら時計を見ると、なんと!まだ2時30分です!「まだ2時30分だよ!」と怒りながらすぐに熟睡モードに戻ります。後から聞くと、妹が住んでいるオランダの国際時間に時刻を合わせていたとか・・・・、迷惑な話ですね。
翌日の「火打山 2012/10/20 」に続きます。
■天候:曇りのち晴れ
■出会った人:10人(高谷池ヒュッテ宿泊者除く)
■タイム:6:01~15:40【休憩含】
■形態:同行者あり(ステイサム氏)
■水分:3.6L(ペットボトル500ml他:7本持参)
■山域:頸城山塊
■深Q百名山:第28座
■出発地点より登山口までの片道距離:250Km
■その他:
★黒沢池周辺からガスが切れ始め、思わぬタイミングなのか、霧氷と紅葉のコラボされた絶景を見ることができました。妙高山アタック段階において、急登で苦しめられながらも、霧氷が拡がる世界は、まさに自然界が生み出す貴重な光景であったに違いありません。また、来年も見たいと思っても簡単にタイミングよく見れる光景ではありませんね。
★妙高山の急登は、本年の拷問登山ランキングベスト10に入ることは確定的となることでしょう。山頂に立った時の感動と広がる大パノラマが疲れを癒してくれました。