蓼科山 2012/9/8 深Qの日本百名山登頂シリーズ
蓼科山(たてしなやま)2,530m 単純高低差437m
今回は再び、深Q百名山登頂シリーズ未踏の1座に挑戦(第25座目)です。蓼科高原周辺は、以前より保養所等利用しての旅行(直近は3年前)で数回訪問している馴染みのある地域です。白樺湖畔より「蓼科山」を見上げたことが何度かあるはずなのに、なぜか全く記憶にありません。まさか数年後に自分が蓼科山山頂を目指すとは・・・当時の自分が想像するときっと驚愕するだらう。
蓼科山は、八ヶ岳連峰北端に位置する円錐形の独立峰として、八ヶ岳・奥秩父山系・南アルプス系から眺望がよく利く山です。地元埼玉(川越周辺)からも、浅間山右方向に蓼科山が確認できる時があります。知名度のある蓼科山に、山仲間Mさんと登頂する機会が訪れます。
登頂当日は、天候の不安定さから展望は、全く期待していませんでした。しかし、山頂に向かう道中は、晴れ間が射しかかることになります。その後、山頂を踏んで下山時、なんと!山行修行始まって以来の最大の失態を侵すことになります・・・・。(正直、週末ハイカーの引退まで考えさせられる失態です。)
レポ作成の原動力になりますので、下記1発、宜しくお願いします。
(予定ルート):大河原峠(6:25)⇒佐久市最高地点(7:22)⇒赤谷の分岐(7:34)⇒将軍平(7:46)⇒蓼科山頂(8:25~9:35)⇒将軍平(10:00)⇒ハプニング発生⇒天祥寺原(13:22)⇒大河原峠(14:00)
※道中、ルート迷いが発生し、コースタイムは参考になりません。
深夜山仲間のMさんと合流後、関越自動車道東松山IC~下仁田IC下車~内山峠~佐久市内へと移動します。直接大河原峠に行く予定でしたが、運転中睡魔に襲われ、「道の駅ほっとぱーく・浅科」で仮眠を取ります。
少々の仮眠から目覚めると、周囲が明るくなってきていました。道の駅浅科から佐久市街地に入り、大河原峠目指して峠道を上っていきます。いかにも長野県らしさを感じる光景の「大河原峠」に到着です。
赤い三角屋根が目印の「大河原ヒュッテ」が奥に見えます。あまりレポされていなかったトイレについて、しっかりとした水洗トイレが存在しておりました。
ガスの流れが著しく加速し、周囲の山々が見え隠れを繰り返しています。
準備を整えて大河原峠標高2,093mより、未踏の深Q百名山登頂に向けて、6時25分登山開始です!
新鮮な原生林の雰囲気が、登り込みのモチベを高まらせてくれます。
ガレた登山道は、時より倒木交じりの荒れ気味の道へと、変化を加えながら脚部に刺激を与えてくれます。
立ち枯れ地帯を横目に、八ヶ岳の雰囲気が残る森チックなワイルドな登山道を楽しみながら歩いていきます。
更に進むと開けた場所で、蓼科山山頂部と山頂ヒュッテを確認します。
円錐形を確認後すぐに登山道の交差点、「将軍平」に到達です。側には、蓼科山荘の山小屋があります。
蓼科山は日帰り登山可能な山ですが、なぜか蓼科山荘なら蓼科山から感じる雰囲気の中で、ドップリ浸かって過ごすのもいいだらうと思いました。
登り始めからは想像できないくらい青空が広がっています。いよいよ将軍平より先には、過酷な急登が待ち構えています。
岩がゴロゴロと積み重なった芸術的光景の急斜面に取り付いていきます。
そして、鎖場王国発令モードのスタイルを取ります。(少しだけですが)
頂上まで五分のマーキングを確認すると、山頂アタック準備に取り掛かります。
駄々っ広い山頂では、三角点と山頂標識がある場所を目指して歩いていきます。
ゴロ岩で覆われた広々とした山頂の奥には展望盤が見えます。深田久弥氏は、この広々とした山頂で、約1時間の貸切を堪能したらしいです。
蓼科山登頂成功です!山頂標識側には、一等三角点が設置されています。
展望盤から見渡せる景色は雲海ばかりで、唯一、西側部分に位置する女神湖、白樺湖周辺だけが、雲の合間に確認できるのみです。
ガスの流れが著しい動きを見せており、八ヶ岳が一歩のところ、南ア方面はほとんど隠れて確認できません。
再びガスに隠れる八ヶ岳、大将「赤岳」サブの「阿弥陀岳」のアップ
展望盤周辺で30分程度休憩をしながら、蓼科山山頂を満喫していきます。
山頂標識に戻り、下山に入る頃、山頂部一体はガスに巻かれていきます。
大岩のゴロ岩下りでは、両手も使いながら慎重に下っていきます。
全身フル稼働の大岩下りを一段落させ、蓼科山荘前にでてきます。コーヒーを注文していたハイカーが、山小屋御主人と会話を交わしています。
登山道の交差点「将軍平」からは、「大河原峠」へのピストンではなく、「天祥寺原」経由の周回コースで下山していきます。しかしこの後、リーマンハイカー山行史上信じられない失態を噛ましていくことになります。
途中河原歩きへとシフトして、天祥寺原の表示方面に進んでいきます。
しっかり天祥寺原に進んでいきます。道標は、なぜか天祥寺原や天祥寺平と「原」と「平」と異なる表示がされています。登山道の苔むした岩が妬けに滑り易く、足裏に余計な力が加わります。
そして、リーマンハイカー山行史上の失態は、苔むした岩歩きの突き当たりを道なりに進んで行ってしまったことから、発生したと思われます。後で確認すると、道標が手前側からは確認しづらい藪側に刺さっていました。
気が貫けていたのか、そのまま笹原を通過し、樹林帯の下りへと歩を進めていきます。
道標が現れ、竜源橋を確認しても疑問に思わず、そのまま大河原峠に出るものと思い込んで進んでいきます。ここでも地図の確認を怠り、集中力が切れて道標を確認しても疑問に思わなかったことへの最大の落ち度がリーダーの私にあります。
その後もガンガン下っていき、大河原峠までこんなに距離あったか・・・?高低差ここまで無かったはず・・・と疑問が湧いてきました。樹林帯の先に伺える道路では、車のエンジン音が聞こえています。追随していた同行者に「道を誤ったかもしれない」と尋ねてみます。同行者も「竜源橋」の表示を見て疑問に思ったらしいが、そのまま付いてきてしまったとのことでした。最大の失態に気付き始めます・・・。分岐点と思われる地点より、既に1時間近く下っていました。偶々、下ってきた別のハイカーがいたので、尋ねてみるとやはり反対方向に下っているのが判明しました。
愕然とする自分、同行者にも疲弊した表情が現れます。リーダーとしての最大の失態が、今後単独以外の山行を控えるべき重要な事象であると考えます。
同行者には、竜源橋に下りて待ってもらい、私が責任を持って大河原峠で車を回収して、迎えにいくと提案します。しかし、同行者も頑張るということになり、超疲弊状態でロングに下ってきた道を登り戻していくことになります。リーマンハイカー山行史上の失態で、ハイカーの引退を迫られるか・・・真剣に考えながら登り戻していきます。まずは、しっかり起点の「大河原峠」に戻らねば・・・。
結構な距離を1時間近く登り戻していくと、道標がありました。道標は反対側からは非常に見えづらい箇所にあります。しかし、落ち度を道標のせいにしてはいけない、自分の注意力欠如が最大の原因です。自分を戒める気持ちで同行者に謝罪しながら、大河原峠に向けて歩いていきます。
間違えた分岐点より、歩き始めて間もなく、天祥寺原に到着です。ここに辿り着くまで非常に長かった。
大河原ヒュッテが見えてきた時、正直肩の荷が下りました。過酷と言うより、難易度の低い登山と考えていたのが・・・でら、めっさ、激疲れた山行へと変貌した精神的拷問登山でした。
大河原峠の売店で私はコカコーラをがぶ飲みし、同行者はアイスで疲弊した身体を癒していきます。売店内には、アイス大好物の黒いワンちゃんがいました。以前、お客さんからアイスをお裾分けしてもらったら、アイスが大好物になったそうです。私が手にしているコーラには見向きもせず、同行者のアイスに釘付けになっていました。
白樺湖周辺にある「すずらんの湯」で迷いましたが、山を下って、仮眠のできる道の駅にも併設されている「長門温泉やすらぎの湯」に向かいます。しかし、工事休館でした。仕方なく、「あさしな温泉穂の香乃湯 (ほのかのゆ)」に向かい、失態を含めて疲弊した身体を癒していきます。入浴後は、1時間程度仮眠してから眠気を吹き飛ばし、爆発的な集中力を発揮して運転に集中して帰宅していきます。
■天候:晴れ時々くもり、山頂は著しいガスの動き
■出会った人:25人ぐらい
■タイム:6:25~14:00(休憩、失態含)
■形態:同行者あり(山仲間Mさん)
■水分:3.5L(ペットボトル500ml:7本持参)
■深Q百名山:第25座目
■その他:
★以前より、八ヶ岳周辺などから何度も眺望していた円錐形の「蓼科山」を登頂できたことに深い喜びを感じております。登山口が高度2,000m以上から始まり、いつもの登山より、高低差が少ないことから、多少蓼科山を舐めていた気持ちが心の何処かに存在していたものと思われます。
★道間違えの失態は、舐めた気持ちも含め、下山道とほぼ安心感のある行程で発生しました。絶対にミスしてはならない登山でのミスを、今後の山行に活かせられるように反省していきます。そして、更なる拷問修行の継続が必要であると自分に喝を入れていきます。
★深Q百名山登頂も25座となりました。私は100名山ハンターではありませんが、とりあえず、100名山クォーターハンターに昇格です。