茅ヶ岳/金ヶ岳 2012/5/1 「日本百名山」の著者、深田氏終焉の地を訪ねる
茅ヶ岳(かやがたけ)1,704m/金ヶ岳1,764m 単純高低差824m
茅ヶ岳は八ヶ岳火山群の南端に位置する古火山で、隣接する金ヶ岳(かねがたけ)と並んだ山容が八ヶ岳によく似ているため、「ニセ八ツ」とも呼ばれています。
日本ニ百名山にも選定されている独立峰で、「日本百名山」の著者、深田久弥氏が登山中に急逝された山としての知名度があります。登山口の深田記念公園には、「百の頂きに百の喜びあり」と刻まれた石碑が置かれています。
今回、「ニセ八ツ」「深田氏終焉の地」をキーワードに、連休の合間に金ヶ岳とセットでじっくりと登頂を味わう目的で、久しぶりの県外登山に向かうことにしました。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発、宜しくお願いします。
(ルート):深田記念公園⇒女岩⇒深田久弥終焉の地⇒茅ヶ岳⇒石門⇒金ヶ岳⇒茅ヶ岳⇒尾根道⇒深田記念公園
自宅をAM3時15分出発します。圏央道坂戸IC乗車⇒中央道勝沼IC下車します。通過地点になる大月、上野原、八王子近辺は、雨が降っていました。その後一般道で現地に向かう途中、本日登頂予定の「ニセ八ツ」の姿を捉えることができました。
甲府市内⇒韮崎市内へと走行していくと、釜無川近くに駐車スペースを発見します。そこから、ニセ八ツの雄大さを改めて確認させていただきます。
川を挟んだ向こう側には、南アルプス、八ヶ岳等見えるようですが、ご覧の様子です。甘利山、櫛形山ぐらいの標高なら判別できるってところかな。
釜無川の奥には感動の虹が現れます。やはり、甲斐駒の確認は無理そうですね。
中央道韮崎ICから10分程度の位置に、深田記念公園があります。駐車場は50台ぐらい置けそうなスペースで、私の車が4台目でした。
ここは韮崎市の管理区域で、トイレもしっかり整備されています。
深田記念公園は下山後に立ち寄るとして、まずは標識通りに先を進んでいきます。
遠方に茅ヶ岳の山容を視界に捉えて、静かな山道をゆっくりと進んでいきます。
そして車道を横切って、再び登山道に足を踏み入れていきます。因みに、車道の方角に進んでいくと、周回コースとなる尾根道に出られます。本日は、下山に尾根道を利用するため、帰りは車道から戻ります。
傾斜の緩い斜面は暫く続き、丁度良いウォーミングアップになります。
やがて、身体が温まった頃に登山道の傾斜は、拷問的斜度へと著しく変化していきます。
ガレ場地帯からグングン高度を稼いでいきます。そして立入禁止テープが貼られている場所に出ます。
ここから女岩手前付近は落石が発生しやすい為、立入禁止となっているようです。迂回路も今にも落石受けますよ的な急でガレ、巨岩が多い場所です。
ロープを掴んで、しっかりと登り込んでいきます。駐車場でお会いした先行していた女性単独ハイカーを視界に捉えます。
急で難儀な場所ということもあり、視界に捉えておきながら、ベテランハイカーとの差は中々縮まりません。
息を切らしながら、何度も折り返し高度を稼いでいく場所で、遠慮なく女性ベテランハイカーを追い抜いていきます。ここで私が先発ハイカーとなり、熊避けも担当することになります。結構斜度もキツイです。
必死に登り込んでいくと、何やら石碑が見えてきます。そこは、深田久弥氏終焉の地でした。合掌と1分間の黙祷をしていきます。そして、有名な著書「日本百名山」を後世に残した御礼もさせていただきます。
集中力を高めて、深田氏の分まで登頂させていただきます。周囲はガスってきていて、山頂での展望は既に期待しておりませんでした。
山梨百名山の山頂標識、そして、正面には次に立ち向かう「金ヶ岳」が周囲のガスに巻き込まれそうな勢いで聳えています。
南ア方面の景色、道中お遭いした単独女性ハイカーも無事に山頂に到達です。ここより金ヶ岳まではピストンになりますので、再び茅ヶ岳には戻ってくることになります。
「茅ヶ岳」よりも60m程標高が高い「金ヶ岳」を、再度一望していきます。登ってから築いたのですが、向かって右側が偽ピークで左側奥が山頂です。
金ヶ岳を見て想定はできましたけど、勿体ないくらい標高を下げさせられる覚悟はしておりました。つまり、戻りの登り返しの体力も計算に入れておかなければいけません。
鞍部に到着し少し気が休まります。が、すぐに金ヶ岳への急勾配が始まります。
高度を稼ぎ、振り返ると茅ヶ岳が見えます。進行方向左側は、韮崎市街地方面が見えています。
金ヶ岳が見えていますが、偽ピーク側です。山頂まであと400m気合いを入れて登り込んでいきます。
観音峠ルートの分岐点にもなっている場所に出ました。実は昭文社の地図をコピーして、しっかりと用意しておいたにも拘わらず、車中に置き忘れてきてしまいました(汗!)。概念図だけ頭に入っていたので、道標頼りにここまできていましたけど、観音峠が何処に下るのかイマイチわかりません。
景色を眺めながら、再び勿体ない程度に標高を下げます。しかし、戻りの登り返しを考慮すると「ゾッ!」としてきます。
アップダウンを繰り返し振り返ると、偽ピーク(手前)と茅ヶ岳(奥側)が二子山チックに並んで見えています。
茅ヶ岳より行程約1時間で金ヶ岳山頂に到達です。久しぶりの県外登山での縦走登山成功です!
視界は150度ぐらいの角度で利いています。南アは雲がかかり、街方面はしっかりと確認できます。天気は何とか持っているというより、登頂時よりよくなってきました。
茅ヶ岳に戻って・・・とも考えましたが、貸切を堪能できそうなので、ここでチャルメラ塩味を美味しく頂くことにしました。気候も視界も気持ちの良い感じで、ここで暫く休憩することにしました。
30~40分は金ヶ岳山頂を独占していただらうか。とても気持ちの良い山頂でした。そろそろ茅ヶ岳に戻ることにしましょう。
岩が露出しているので、慎重下りで標高を下げていきます。今度は勿体ないというより、仕方ないと思う気持ちで下げていきます。
左手側には、奥秩父の瑞牆山の特異な山容が伺えます。周囲の景色を堪能しながら、茅ヶ岳との距離を徐々に縮めていきます。
茅ヶ岳まで40分、ガンガン下ります。この辺りで、駐車場で私の脇に停めていた川越ナンバーの男性シングルハイカーと擦れ違います。
続いて、石門でも男性シングルハイカーと擦れ違います。金ヶ岳方面まで来るハイカーは少ないみたい。
茅ヶ岳、二度目の登頂成功です!広めの山頂には、ハイカーがチラホラと休憩しておりました。心拍数を整えながら、登頂してきた金ヶ岳を眺めます。
ニセ八ツの奥に、モノホンの八ツの裾野が広がりを見せています。
南ア方面、奥秩父方面と視界がやや利いています。雲が取れれば、富士山、甲斐駒、鳳凰三山など絶景が見られるのでしょうね。山頂の視界は、360度利いています。
もう一度、金ヶ岳の尾根道、奥には八ヶ岳、そして金峰・国師ヶ岳・甲武信ライン
若手ハイカー達が登り込んできて、山頂は賑やかになってきました。山ガールの一人は、金ヶ岳を指さして「赤岳!」と本気で叫んでいました。ニセ八ツ効果発現ですかね。
南ア方面は今一歩、甲斐駒が・・・見えない!今年も黒戸尾根で攻略してみっかなぁ。
深田先生が達成できなかった山頂を振り返ります。下山は、周回コースの尾根道で下ることにしました。
急斜面を下っていくと、千本桜との分岐に出ます。そのまま深田公園に進みます。
脚が痛くなってくるような急斜面を滑らかに下っていきます。快晴なら正面に南アを眺望しながら下れます。
道標の先の広い防火帯を深田公園目指して、チャッチャカ下っていきます。
駐車場の道標が見えて安心です。何せ地図を忘れてきていたもので・・・以後気をつけます。韮崎方面の車道に入ります。
少し50mぐらい車道を歩きます。すると行きに通過してきた分岐点に出られます。
やがて、深田記念公園が見えてきました。少し立ち寄ってみることにします。
「百の頂に百の喜びあり」深田久弥氏の石碑に刻まれています。喜び・・・とは微妙な感じがしますが、全て登頂成功が前提になりますけど、一つでも怪我、遭難となれば、それは自分含め周囲への悲しみへと変わる場合もあるだらう。
深田久弥と茅ヶ岳の説明版を読み込みます。脳出血で倒れる前に、山仲間の「この辺りはイワカガミが咲いてきれいです。」との言葉に、すっかり喜び「そうですか」と頷いたのが最後だったようです。
登頂してきた茅ヶ岳を眺めて、11時50分駐車場に無事に帰着です。約5時間30分の山行でした。駐車場には、宇都宮、土浦、山口、横浜、水戸、千葉など県外ナンバーの車ばかりでした。
韮崎方面に車で10分ぐらい下ったローソンより、鳳凰三山方面を眺めていきます。モチベーションが高まりつつあります。
■天候:曇り時々晴れ
■出会った人:13人(茅ヶ岳11人、金ヶ岳方面2人)
■タイム:6:20~11:50
■形態:単独
■その他:
★自宅より登山口まで、片道約160キロと県外登山は運転でやや疲労しますので、前日は早めの就寝としました。GW中盤の休みを利用して、韮崎を拠点に山梨の中堅クラスを登頂してみようと試みます。候補に挙ったのが、この茅ヶ岳・金ヶ岳のセットコースでした。
★「ニセ八ツ」は、眺めだけはモドキですが、登りはモドキじゃあ、ありませんけどね。モノホンは超厳しいです。ガイドブックには、初級と記載ありましたが、私的には中級クラスと感じました。筑波山も中級と思っているのですが、筑波山より厳しい登頂となりますので、覚悟が必要です。偶然かもしれませんが、深田氏が亡くなっていますし、私も深田氏終焉の地付近手前までは、かなり息切れをしてヘロヘロモードでした。決っして初級クラスとは思えない登り込みを強いられます。
★山仲間のtuba姐氏が、深田久弥氏を略称で深Qと使用されていましたので、私も今後使用させていただきます。「深Q百名山」判り易い!次の深Qは何処を狙おうかな。
おまけ編①
青木鉱泉までの道程
ちょっと時間がありましたので、夏場にアタックを予定している鳳凰三山の登山口でもある青木鉱泉の行き方を、確認しに車を走らせます。国道20号線北杜市方面に向かい、桐沢橋東詰を左折します。工場、住宅街を抜けて未舗装の道路を少し走ります。
その後は、対向可能な道幅の舗装された道を暫く上っていきます。
親切に青木鉱泉への表示も所々あります。途中、甘利山との分岐点に出ますが、鳳凰三山方面に右折していきます。
その後、青木鉱泉まで3分の分岐に出ます。ここまで15キロぐらいはあったと思います。
やがて、未舗装の道路に変わり、タイヤの摩耗を気にしながら橋を渡ります。
悪路と化した道を200mぐらい進むと駐車場が見えてきます。駐車料金は、750円だそうです。
100台ぐらいは停められるとのこと。この日は、1台も停まっていませんでした。上部には、青木鉱泉と宿泊者用駐車場があります。
戻りの悪路がやや気になりますけど・・・。私の車のタイヤがスリック状態になっていて、前輪のワイヤーが飛び出そうと指摘されていたもので(汗)。鳳凰三山は厚い雲で見えません。
おまけ編②
ホテルルートイン韮崎と韮崎駅周辺プチ街歩き
実は明日(5/2)の山行も考えて、予めビジホを予約していました。場所は、ホテルルートイン韮崎です。別館 4,500円(朝食付、大浴場あり、共同トイレ)を利用します。
通路と部屋の中はご覧の通り、合宿所を思い起こさせるような雰囲気です。本館にある活性石人工温泉で汗を流していきます。
駅まで10分程度歩いていきます。駅周辺には高校生が多い。駅近くにある韮崎高校は、サッカーで有名な中田英寿氏出身の高校です。反対側にはショッピングモールがありました。
ライフガーデンにらさきの目の前には、ニセ八ツが聳え立っています。山頂方面ガスっていますね。
フリーマンハイカーとなる為、ロトを2口購入して、松屋で夕飯を喰います。私が松屋ファンだということがバレてしまいますね。
満腹後は、ショッピングモール2Fより、再度、ニセ八ツを眺望します。ニセ呼ばわりされていても、山容は何とも言えず格好いいですね。
おまけ編③
荒天により山行中止、そして念願の「ほったらかし温泉」へ
翌日は、雨により山行を中止にしました。検討していた山は、櫛形山、甘利山・千頭星山、日向山をピックアップしていました。機会があれば登ってみたいと思います。
さて、前々から気になっていた「ほったらかし温泉」に立ち寄ることにしました。たまご輸送中の車の後ろを追尾していたので、安全運転で国道を走ります。
整備された峠道を上っていきます。眼下には、甲府市街の街並みが見えます。
フルーツ公園の中を通過していくと、やがて、ほったらかし温泉駐車場に到着します。広い駐車場は、280台置けるみたいです。
「あっちの湯、こっちの湯」に分かれています。「こっちの湯」は、リピーターに人気のある温泉で、営業時間は10時30分より。「あっちの湯」は、眺望スケールがこっちの湯の2倍で、日の出から営業しています。
ただいまの時刻は8時30分なので、選択肢は「あっちの湯」のみです。料金750円を支払って入場します。
脱衣場と露天からの眺望は、ご覧の様子です。他内湯、洗い場もあります。
特に露天が広く、気持ちも良かったので、2時間程度身体を癒して帰りました。富士山が拝めなかったのが残念ですけど・・・。
最後までご覧いただき、どうもありがとうございました。