平標山/仙ノ倉山 2011/10/21 谷川連峰攻略編
平標山(たいらつひょうやま)1,984m/仙ノ倉山(せんのくらやま)2,026m
仙ノ倉山は谷川連峰の最高峰を誇り、西側のピークには平標山が位置しています。迫力のある大岩壁を擁する谷川岳・一ノ倉岳周辺のような男性的なイメージとは対照的に、穏かな山容で女性的なイメージのある花の名山としても知られています。
今回偶々、平日に会社の都合で休む機会が得られます。また自分の誕生日ということもあり、谷川連峰を急遽訪問したくなり、平標山/仙ノ倉山の登頂を目指してみることにしました。
(ルート):平標山登山口駐車場⇒平元新道入口⇒平標山の家⇒平標山⇒仙ノ倉山⇒平標山⇒松手山⇒平標山登山口駐車場
AM3時30分自宅を出発⇒関越自動車道東松山IC⇒月夜野IC下車⇒国道17号をひたすら走り続けます。2時間強で苗場スキー場先にある平標山登山口駐車場(500円)に到着します。トイレが併設されているので車中泊も可能です。
まずは樹林帯を歩いていきます。すぐに舗装道路に出ると分岐道に出ます。直進が平元新道、左手が松手山経由ルートになります。
左手の松手山ルートを横目にみながら樹林帯の中を直進していきます。
後ろを振り向くと苗場山が見えました。周囲の紅葉を観賞しながら真っ直ぐ進みます。
平標山登山口に到着です。奥には車が1台駐車しておりましたが、山小屋の管理人の所有者だらうか。
限りなく続く丸太階段を登り込んでいくと並行位置に周囲の山々の視界が開けてきていました。
遠慮なく紅葉を観賞しながらガンガン高度を稼いでいきます。本日は高低差だけでも1キロ以上はあるので気合いを入れ込んでいきます。
大腿四等筋を躍動させながら登り進んでいくと「平標山の家」20分の表示看板が現れます。
高度を上げながら展望を気にしていると浅間山を視界に捉えました。
一段上昇して視界が更に広がり、苗場山との高低差も縮まって参りました。
平標山の家周囲の確認をしてみます。前方に谷川連峰の視界が開けています。
前方に「仙ノ倉山」と左進行方向に「平標山」だとこの時は思っていました。実際は両者共に道中にある偽ピークでした。
平標山ノ家を三国側から確認してみます。三国側にトイレがありました。
小休止後、平標山方面に進んでいきます。右前方には仙ノ倉山方面への稜線が一望できました。
非常にロングな木道階段が連続しています。設置工事にも相当な苦労が伺えます。贅沢な悩みですが歩くにも体力がいります。
木道階段で高度を稼いでいくと平標山ノ家が段々小さく見えるようになっていきました。前方に目を向けると暫く木道階段は続いています。
延々と続いている木道階段は山行経験の中で最もロングな階段です。
十数年前、何度か通った苗場スキー場のゲレンデです。車にスキー道具を積載し仕事を半ドンで上がって、ナイターに出掛けたことがあります。とても懐かしいです。周辺の紅葉も見事です。
そろそろ平標山山頂と思いきや偽ピークでした。だいぶ遠のいた平標山ノ家を見下ろします。
山頂まであと少しの所でベンチを見つけ小休止します。駐車場には数名のハイカーを見かけましたが、ここまで誰にも遭遇していません。気持ちの良い貸切です。他のハイカーたちは松手山コースから廻っているのだらうか。
時刻は9時ジャスト、約2時間40分掛かりました。この時は未だ山頂の風は微風でやや肌寒く感じる程度でした。その後に起きる悲惨な体験を未だ知る由もありません。
山頂での眺望を楽しむことができましたので、次に谷川連峰最高峰の「仙ノ倉山」に向かうことにしました。
登山道の周囲はこんな感じです。花の名山と言われているくらいですから花の時期は最高でしょうね。
先を進んでいき平標山を振り返ります。ゴツゴツした岩山と違い易しいイメージがありますね。なぜか安心させられます。
少し登り返していくと東芝ランプの標識がありました。谷川岳の肩ノ小屋より縦走してくるとここまで10キロあるのですね。
仙ノ倉山に続く稜線を見ながら歩いていきます。ふと新潟方面に目を移すと中里スキー場が見えていました。
木道歩きに変わります。雲の動きが加速し始め、時より強風が身体のスタミナを奪うようなコンディションに変化してきました。
前方に仙ノ倉山を捉えて平標山方面を振り返ります。苗場山とのマッチングが絶妙でした。
平標山より普通歩きで35分で到達できました。
山頂では突風が吹き荒れ始めていました。体感温度の低下です。平標山方面は未だ大丈夫そうですが、群馬方面からの風が強く、雲の動きが激しくなっていました。
山頂には立派な展望盤が設置されていました。各方面を確認してみることにしましょう。
浅間山・草津白根山方向です。浅間山はしっかりと確認できました。
群馬方面の榛名山・子持山はガスっています。富士山も確認できません。
そして谷川岳オキの耳・トマの耳~一ノ倉岳稜線を確認します。判り易い展望盤でした。
貸切山頂後、山頂には3名のハイカーが到達してきました。突風が強まってきたので三角点を撮影してから平標山方面までピストンします。
平標山方向の稜線の様子を伺いながら周囲の状況を見て下ります。
寒いです・・・。とても・・・。上着のフードを被りますが突風で戻されます。後頭部が・・・冷たい。木道から一気に超高速回転スーパーチャッチャカ歩きを試みます。まるで関節に潤滑油を流し込んだように高速回転が調子よく効いていました。擦れ違うハイカーたちは、突風により互いにまともな挨拶ができません。
最高のグリップが効いて高速回転を維持できました。平標山に戻る途中、超突風が吹き荒れます。
樹林帯のように遮るものがなく、諸に突風を浴びて後頭部が冷たくなっていました。
平標山にピストン戻りしてきました。スーパー高速チャッチャカ歩きを導入して仙ノ倉山から22分のタイムを弾き出します。
山頂より土樽方面に下るルートもありました。ご覧の通り爽やか歩きができそうなコースです。
突風が吹き荒れているので山頂でゆっくりしていられません。松手山ルートを利用して下山します。
年輩の御夫婦ハイカーと擦れ違います。立ち止まって平標山の位置と山頂の状況を尋ねられます。「山頂はすぐ先に見えているピークですよ。あと10分も登れば登頂できます」と回答します。ここも風が強いが山頂の突風を覚悟の上、登り込んでいくようです。仙ノ倉山はパスだそうです。しかし、平標山ノ家方向から風が吹き荒れているので無事に歩いていけたのでしょうか。
御婦人はこの世の終わりかのような表情をしておりました。因みに、私の後頭部はこの世の終わりかのように冷たくなっていました。
先程の稜線上で受けた突風ほど風は強くありませんので、高速チャッチャカ下りはせずペースを落としてゆっくり歩きに切り替えます。
その後、しっかりとした階段となり紅葉を観賞しながら歩きます。
松手山より一気に高度を下げにいきます。樹林帯では逆に暑くなり汗が吹き出してきます。
鉄塔からは国道17号と一度は泊まってみたかった苗プリが見えていました。
本日の癒し温泉は予め別の場所に決めていました。苗場スキー場近くにある「雪ささの湯」の看板を見かけて立ち寄ってみました。入口近くにいたエイリアンは何でしょうか?
そして予定していた26キロ先のみなかみ町にある「奥平温泉遊神館」に癒しを求めに向かいます。疲弊した身体と冷たくなった後頭部を温めるため、思う存分癒します。ぬるめの露天がやけに気持ち良かったです。その後仮眠をとるつもりで休憩所で寛いでいると呼び出しが入ります。残念・・・・渋川まで一般道を走り渋川ICより高速で帰宅しました。
■天候:晴れ(山頂突風)
■出会った人:14人(平元新道~平標山貸切、平標山~仙ノ倉山間10人、松手山コース4人)
■タイム:6:20~12:30
■その他:
◇樹林帯を抜けると一気に視界が開け、平標山ノ家周辺から眺める谷川連峰は最高の光景でした。もっと経験を積んでベテランハイカーになったら、平標山ノ家にも泊まってみたいと思いました。
◇流石は天候の急変が激しい谷川連峰ですね。稜線上の突風は遮るものがないので身体で強風を浴びせられるような感じで、飛ばされないように気を引き締めました。誕生日に最適の山行ができました。機会があれば是非再度訪問してみたい山でした。
■参考:「ゆうやけハイカー平標山・仙ノ倉山編 」