瑞牆山 2011/9/13 日本百名山の奇岩を突破する!
瑞牆山(みずがきやま)2,230m 単純高低差715m
瑞牆山は奥秩父西端に位置し、花崗岩から形成されている岩峰の塊はひときわ特異な景観で聳え立っています。
深田氏は日本百名山の著書の中で次のように紹介しています。「瑞牆山のユニークな点は、その岩峰が樹林帯と混合しているところである。まるで針葉樹の大森林から、ニョキニョキと岩が生えているような趣である。」として瑞牆山の山名と大きな岩のゴツゴツ立っている山容をたいへん気に入っているようでした。
毎度、瑞牆山を候補に掲げておきながら、急遽当日になって赤岳・四阿山・妙義山などに山行を変更していました。実は最終回は、最期の脱サラハイカー修行に相応しい山として、青木鉱泉から登頂する日帰り「鳳凰三山」を決行する予定でした。なぜかわかりませんがニョキニョキした岩が急に気になり出して、瑞牆山に向かうことになってしまいました。日本百名山登頂シリーズの第15座目となりました。
(ルート)瑞牆山荘駐車場⇒富士見平⇒天鳥川出合⇒瑞牆山⇒瑞牆山荘駐車場(ピストン)
前日の満月の夜、23時自宅を出発します。直前まで鳳凰三山へのアタックで迷いかけておりましたが、奥秩父の瑞牆山方面に向かうことにしました。そして秩父の雁坂トンネル廻りから山梨県内に入ります。1時30分「道の駅花かげの郷まきおか」に到着し車中泊です。5時過ぎに目覚め出発準備をします。周囲には10台ぐらい車中泊の車がありました。
道の駅まきおかの出発5時30分と少し出遅れてしまいました。クリスタルラインに向けて車を走らせます。乙女湖までは、金峰山の登山口のある大弛峠に向かうルートと同じです。焼山峠から道幅が狭くなり、対向車に注意しながら運転します。
結構な距離を感じさせるクリスタルラインでは、落石箇所でヒヤヒヤさせられたり、金峰山のシンボル五丈岩が見えて感動させられたりしながらドライブを満喫してきました。
瑞牆山荘前にある無料駐車場に到着です。まきおかから90分掛かってしまい、長いドライブに既に疲弊していました。
駐車場で準備をしてから瑞牆山荘横にあるトイレ(有料100円)を拝借します。
瑞牆山荘前の登山口より7時10分登山開始です!
徐々に傾斜のある登山道へと変わり、一旦林道を横切り木段を登ります。
ベンチの先の樹間から瑞牆山のニョキニョキした岩肌が伺えます。
更に高度を稼いでいきます。このあたりで男性シングルハイカー2人を遠慮なく追い越します。
ここ富士見平は金峰山との分岐点でもあります。奥に富士見平小屋が見えます。あの忌まわしい「山小屋OL殺人事件 」の現場です。事件については、瑞牆山のことを調べている時に知りました。1983年の事件で28年前の出来事ですが、複雑な気持ちで周囲を見渡します。
素泊まりは出来るようですね。また下山時にでも立ち寄ってみることにします。
このあたりから瑞牆山の岩峰がはっきりと確認できるようになってきました。
天鳥川(あまどりがわ)は増水時、きっと渡るのが困難なコンディションとなることでしょう。
沢を渡った先にはやや広めの休憩スペースがあります。小休止はせずにそのまま瑞牆山を目指します。
難所の岩場が立ちはだかります。岩場が滑るのでしっかりとロープを掴んで上昇していきます。
登り切った所で振り返ります。スタンスが取りづらい岩場でした。
この急登区間にてこちらも遠慮なく男性シングルハイカー3名を追い越していきます。
高度を稼ぎながら登り込んでいると富士山の姿を捉えることができました。
大岩を廻り込み見上げると”大ヤスリ岩”の上部が見えていました。
更に岩と格闘しながら上昇していくと富士山が見えやすくなってきました。
岩の赤矢印や赤テープの目印を追いながら上昇していきます。岩の隙間を通過しなければならない箇所もありました。
まだまだ連続する大岩地帯と格闘していきます。大ヤスリ岩が接近して見えるポイントまで高度を稼いできました。
ふと景色に目を移すと南アルプスの一部が眺望できます。絶景を期待して山頂を目指します。
執拗な程に岩場が現れます。流石はニョキニョキした花崗岩で形成されている山ですね。
かなりしんどい登りになりますが、難なく登り込んでいけました。日本三大急登の黒戸尾根・西黒尾根を経験してから体力が付いた気がします。
弘法岩に到達です。山頂まであと10分の地点です。その先の岩場は腕力主体にロープで乗り越えていきます。
時刻は9時ジャスト。1時間50分の登頂でした。(近くにいた男性シングルハイカーと撮り合います)
山頂には写真を交互に撮り合いしたハイカーが仁王立ちしています。本日は絶景を味わえることができました。
ニョキニョキとした岩峰を見下げながら、山頂にある展望盤で確認します。
北岳・鳳凰三山・仙丈ヶ岳・甲斐駒ケ岳方面。丁度展望したい部分に雲が掛かっていますね。
仙丈ヶ岳・甲斐駒ケ岳、先日登頂してきた甲斐駒の円錐形だけでもしっかり確認してみたいです。
絶景ですが正面は切れ落ちています。奥までいくと逝ってしまいそうです。本当に最期となってしまいます。
山頂からは見下げる形になりますけど「大ヤスリ岩」が見事です。別名○○ポ岩でしょうか。絶景は広がります。
八ヶ岳は雲に隠れて眺望が利きません。麓の街並は確認できます。
山頂ではベスポジでガスを焚いているハイカーや休憩ハイカーが徐々に増えてきました。
南アルプスより低い位置に見える山が深田氏終焉の地”茅ヶ岳”いつか登頂してみたい山ですね。アルプス方面のガスが切れるのを暫く待ちます。
すると一瞬ですが、甲斐駒ヶ岳の円錐形の山頂が確認できました。
その後、山頂に”万歳オヤジ”が登頂してきます。登頂するなり「万歳!」と叫び両手を天に突き上げます。その万歳オヤジと金峰山をバックに写真を交互に撮り合います。
脱サラハイカー修行最終山行となるため、1時間強山頂で展望を楽しんでいました。山頂を去る前に山頂標識と大ヤスリ岩を眺めて下山に取り掛かります。
登りでは険しかった大岩地帯を周囲の木や岩を掴みながら下っていきます。
難所の滑る岩場です。ここで親子ファミリーハイカー4人が登りで苦戦しておりました。続いて私は後ろ向きで下りていきます。足元をすくわれそうな場面もありました。
富士見平に向けて登り返していきます。瑞牆山の岩峰も確認できます。
富士見平小屋が見えてきました。窓には人影らしきものが伺えます。
正面の戸が開放されていました。中には管理人らしきオヤジと友人のオヤジが話込んでおりました。金峰山方向には有料トイレがあります。28年前の事件の舞台となった管理人に待ち伏せをされていたトイレでしょうか。複雑な気持ちです。
山小屋周辺からテン場までを暫く見つめます。この辺りを必死に逃げていこうとしたが、捕まり殺害されてしまったのでしょうか。非常に悲しい事件です。
タイムマシンでもあれば当時の現場に立ち、私の首に巻いている汗たっぷりタオル、ザックに挿してあるステッキ、トラロープ等で鬼畜管理人オヤジをシバきます。
奥には喫茶店も併設されていました。駐車場に戻って癒し温泉に向かう準備をします。
奇岩・岩峰突破で疲弊した身体を「ラジウム温泉増富の湯 」で癒すことにします。源泉の湯は非常にぬるく気持ちが良いのですが、反面入浴している地元のじじぃたちが中々出ていきません。入りたい湯舟もあったのですが、占拠されていて1時間程度で断念して出てきました。回転率が非常に悪い温泉です。
帰りは勝沼ICまで一般道を走ります。鳳凰三山のオベリスクが確認できました。登頂したかったなぁ・・・・。
■天候:晴れ
■出会った人:30人ぐらい
■タイム:7:10~12:00(山頂休憩1時間強)
■その他:
◇最終脱サラハイカー修行として選択した瑞牆山、奥秩父とはいえ、非常に遠く感じました。これなら鳳凰三山でも良かったじゃん!と後悔しましたが、いつかチャレンジできる日が来ることを期待してその日に向けてトレーニングは欠かませんね。街歩き・里山歩き・山歩き・拷問登山どれも大好きです。
◇金峰山から見た瑞牆山、瑞牆山から見た金峰山どちらも美しい山です。また、眺望も素晴らしく美しい。八ヶ岳見えなかったのが残念ですが、天候も荒れず気持ちの良い登山ができました。暫く車中泊を含めた登山が出来るのか?今後の動向次第かな。
◇深田百名山15座を踏破、百は目指しませんが、関東甲信越にある百名山は全て登頂してみたいという目標は持っています。何年かかるだらうか・・・。
脱サラハイカーを御支援、御指導していただいた方々にはたいへん感謝の気持ちで一杯です。特にゆうやけ師匠にはアドバイスを含めたいへんお世話になりました。また、同行していただいたリーマン時代の仲間、役人時代の先輩など色々と有難う。また読者の方々にも感謝しております。