谷川岳(西黒尾根) 2011/9/7 魔の山に挑む!
谷川岳(たにがわだけ)西黒尾根 1,977m/一ノ倉岳1,974m/茂倉岳1,978m 単純高低差1,227m
甲斐駒黒戸尾根コース消化後、他の三大急登に谷川岳西黒尾根コースがあることを知ります。そこで「魔の山」と呼ばれている世界最大の遭難死者数を出しギネス認定までされている谷川岳をターゲットに準備を進めます。標高は決して高いという山ではありませんが、谷川岳独特の急激な気象の変化があるので侮れません。前日には、谷川岳馬蹄形縦走経験者のゆうやけハイカーさんより心強いアドバイスをいただきます。当日は早朝から完全快晴に恵まれ絶好の条件下、日本百名山第14座目を急登コースで踏破しにいきます。
(ルート)谷川岳RW駐車場⇒西黒尾根登山口⇒ラクダのコル⇒トマノ耳⇒オキノ耳⇒ノゾキ⇒一ノ倉岳⇒茂倉岳⇒トマノ耳までピストン⇒肩の小屋⇒ザンゲ岩⇒熊穴沢避難小屋⇒天神平(RW乗車)⇒RW駐車場
前日の22時自宅を出発⇒一般道⇒関越自動車道花園IC⇒水上IC⇒国道291号から谷川岳RW駐車場にそのまま向かいます。2時間半で到着しトイレ近くのベスポジを確保して車中泊します。立体駐車場は1Fのみ24時間開放されていてトイレも使用可能です。駐車料金500円は後払いになります。
AM5時30分車中泊から目覚めます。支度をして立体駐車場から外に出ると東京理科大学谷川山荘が脇にありました。
車道の方面に上がっていきます。駐車場入口は、夜間看板がライトアップされていましたのですぐにわかりました。RWのある右方向に上がっていきます。
少し上がっていくと車輌通行禁止のバリケートがありました。マチガ沢、一ノ倉沢までは歩いて散策してくださいとのことです。
谷川岳登山指導センターを通過して、200mぐらい車道を進んでいきます。途中、登山口が何処にあるかわからず戻ろうとしてしまいました。車道を歩いていけば出てきます。
日本三大急登のひとつ西黒尾根登山口の前に立ちます。初っ端から急坂になっています。6時ジャスト登山開始です!
いきなり樹林帯のクレイジー過ぎる急坂に苦しめられます。少し赤城山の黒檜山急登を思い出しました。
道標の先では、樹木の隙間から谷川岳が見え始めてテンションが上がり気味になってきます。
そしてガレ場の登り込みに変化していきます。急登はまだまだ続きます。
森林限界手前では、いきなり背後からハイペースなターミネートハイカーに軽く抜き去られます。首を境目にアンバランスな肉体をしており、首から下は現役アスリートです。樹木の隙間からは白毛門・笠ヶ岳が見えてきました。
西黒尾根前半の樹林帯を抜けると森林限界に出て、一気に視界良好となります。
天神平のRWも確認できる位置にきました。まだ運行してないみたいですね。RW組が山頂に到達してくる前に西黒尾根を登り切りたいと思います。
徐々に登攀で高度を稼いでいきます。すると周囲の絶景が広がり始めてきました。背後には白毛門・笠ヶ岳・朝日岳方面を捉えることができます。
右手にマチガ沢方面を見ながら上昇して、真下を振り返ると高度感があります。
そして谷川岳の双耳峰・マチガ沢を含め全山容が目に飛び込んできます。圧巻としか言いようがありませんね。見事な光景です。一気にモチベーションが高まり、アドレナリンも放出状態です。
前後左右と立ち止まりながらキョロキョロして首が忙しくなります。
鎖場の先は少し安心歩きができる箇所になります。そこからも絶景を確認です。
その先は長めの鎖場です。スタンスはしっかりとれます。一岩登攀を終え、更に向こう側にも鎖があります。
トマ・オキの耳を正面に捉えながら歩いていきます。相変わらず絶景は続きます。
登山道は遠方までしっかりと確認できますが、中々山頂が近付いてきません。これから下りに入る鞍部にシングルハイカーが確認できました。樹林帯で追い越されたターミネートハイカーでしょうか。
鞍部まで下ると”西黒尾根ガレ沢の頭”に到達です。別名「ラクダのコル」とも呼ばれています。ここは巌剛新道との合流地点でもあります。遭難慰霊碑には日本大学岳影会の文字が刻まれていました。
登り込んでいく岩場にはしっかりと目印の黄色いマーキングがなされていました。
一息入れるのに馬蹄形縦走路の一部、白毛門・笠ヶ岳・朝日岳を望みます。
登り込んできた稜線を振り返ります。気持ちの良いくらいに周囲は全て絵になります。
長めの鎖場が行く手を阻みます。登りながら振り返ると高度感ありますね。
進行方向左手の天神尾根の稜線を眺めながら高度を稼いできた実感が湧いてきます。
一枚岩の岩登り箇所は滑り易く結構な難所でした。雨天時は危険箇所になりますね。
ザンゲ岩を通過して赤城山を振り返ります。見事な輝きの山容です。是非再度訪問してみたい山のひとつです。
西黒尾根・巌剛新道方面に対し注意喚起している看板です。遭難慰霊碑にトマの耳150mの道標あり。
まずは谷川岳トマの耳登頂成功です!時刻は9時ジャスト、3時間で過酷な西黒尾根を登頂してきました。
万太郎山・仙ノ倉山・平標山方面
子持山・八ヶ岳・浅間山・草津白根山・四阿山と眺望が利いています。
山頂には先程登り込み時、仁王立ちしていたおじさんハイカーが誰かが来るのを待っていた様子でした。そこで方位盤を見ながら山の説明をしていただきます。しかし、万太郎山方面の先に見えている新潟の山はよくわからないと申しておりました。本日は、蓬ヒュッテに宿泊とのことです。他に予約客がいないらしく貸切状態覚悟で寂しそうでした。昨日もオキの耳に来ていて、車中泊しこれから馬蹄形縦走もやるとかよくわからないことを言っていました。
暫く展望を楽しんだので一ノ倉岳に向かいます。奥の院の鳥居を通過していきます。
一ノ倉岳と奥には本日最終目的地の茂倉岳の稜線が鮮明に確認できます。
Bルンゼの頭の「憶出の碑」です。昭和28年の遭難事故のことです。谷川岳の遭難死者数781人(2005年データ)の内、一体この下では何人の方が眠っているのだらうか。
"ノゾキ”と言われる場所から一ノ倉沢を覗き込んでみます。雪渓が一部残っていました。実物は画像より迫力があります。
一ノ倉岳に向かいます。結構な急斜面を登り返していきます。西黒尾根で疲弊している身体には堪えます。
見た目より手堪えのあった登り返しをクリアすると山頂が見えてきました。
一ノ倉岳に登頂成功です。小さい避難小屋と道標があるのみでスルーして先に進みます。
尾根道を登り込んでいくと”茂倉岳”登頂成功です。一ノ倉岳から20分ぐらいで到達できました。
山頂からは新潟県側の関越自動車道土樽方面が見えます。過去何十回とお世話になっている関越トンネルの新潟県側を上から見下ろすことができてテンションが上がります。
一ノ倉岳、奥には武尊、日光連山、尾瀬方面の眺望が利いています。
湯沢方面を眺めているとトマの耳で、お会いしたおじさんが蓬ヒュッテに向かっていきました。
山頂には少しづつハイカーが到達してきました。展望を楽しむことができましたのでそろそろピストンで戻ることにします。
暫く見ることができないであろう谷川連峰の景観を目に焼き付けながらゆっくりと一ノ倉岳まで戻りました。
両脇岩壁の絶景稜線歩きをしていきます。すると7~8人ぐらいのパーティのリーダーに「ノゾキまであとどのくらいかかりますか?」と尋ねられます。適当に「5分ぐらいですよ。」と回答すると、リーダーが後続の仲間のハイカーにデカイ声で「あと5ふぅぅううんんん!!!」と吠えました。確か5分ぐらいだ!いや10分、15分かもしれない・・・。適当に回答したので少し責任を感じました。
オキの耳に戻るとRW組のハイカーが続々と到達してきて、みなさんお弁当を広げて絶景を観賞しながら味わっておりました。
それほど広くはない山頂にハイカーが集中してくるので、ゆっくり展望できそうにありません。既に先行ハイカーとして、充分景色を味わいお腹一杯になっていましたけどね。やはり絶景を独占するには早朝から登らないとダメですね。トマの耳に行ってみることにします。
トマの耳の方がややハイカーは少なめ、山頂標識のみ撮影して肩の小屋に下ります。
下りは天神尾根を利用してRWで帰着するルートをとります。一旦、有人小屋の谷川岳肩の小屋に出ます。
肩の小屋前にあるベンチに座り小休止します。ここから万太郎山5時間の表示を見て驚愕します。近くに見えていますが、中々辿り着くのが厳しいのでしょう。
小休止後、天神尾根を下ります。長い階段、そして岩場を下っていきます。
天神ザンゲ岩を通過し、結構な悪路のガレ場を足元に注意しながら下っていきます。
振り返ってトマ・オキの耳、登りに利用した西黒尾根を眺めます。
RWが見えています。まだまだ辿り着くまで距離がありそうです。
長さもあるガレ場の急登を四つん這い状態のハイカーたちが、苦戦しながら必死に登り上げてきます。天神尾根も相当手強いルートです。
RWからのコースなので初心者でも登れるルートと思っていたら大きな勘違いでした。初心者は谷川岳止めた方がいいです。過酷で厳しいです。もし挑戦意欲があるならば、拷問登山を覚悟の上登り込んで下さい。
やっと熊穴沢避難小屋に到達です。天神平までまだ歩行距離2.1キロもあるんですか?「まぢですか!」と叫びたくなりました。
木の階段を下り天神平まで残り600mの地点にきました。下りに弱い私が天神尾根で遠慮なく30人ぐらい追い越してきました。山慣れしていないハイカーが多かったような気がします。谷川岳は景観は最高ですが、低山でもっと訓練してから挑戦したほうがいいですよ。ほんと怪我するんじゃないかと思うようなハイカーが多いです。
ふと前方を歩くハイカーの目立つ背中を見てみると、なんと!!ネットで見覚えのある「谷川岳の名物オヤジ」が目の前を歩いていました。ここで出会えるとは思ってもみませんでした。
谷川岳登頂目標三千回を掲げていて、本日は2745回目の登頂のようでした。そこで声を掛けてみます。「有名な方ですよね?毎日登られているのですか?」の質問に対して名物オヤジは「有名だなんてそんなことはないよ、登るのは晴れている日だけだよ」と御丁寧な返答が返ってきました。
RW代の費用だけでも一体どれくらい掛かっているのだらう・・・。
余計なお世話になりますが、一往復二千円を2745回分でザッと計算してみると
なんと!!!549万円をRW代に投資しているではありませんか。
目標達成まで最低でも残額51万円が必要となります。
RW乗り場の前に来ました。更に上部には天神峠まで行けるリフトも併設されています。白毛門・朝日岳が正面に聳えています。
13時50分RWに乗車します。昔のスキー仲間がよく天神平行ってきたとかよく言っていたのを思い出しました。このRWを利用していたのですね。
帰着後、10キロ先にある”湯テルメ谷川 ”で疲弊した身体を思う存分に癒します。地下にある露天風呂が広くて気持ちよく浸かることができました。
1時間ぐらい温泉で癒した後、外が警察車輌で騒がしいです。どうやら車上狙いの被害に遭ったようです。私の車の近くに置いていた車輌が被害に遭いました。実は温泉に入る前、ロッカー荒らしを警戒して諭吉を英世に両替していました。そして半分を車中に置いてきていました。もしも私の車輌が被害に遭って英世がいなくなっていたらその場で「こんなことするなんて、ひで~よぉぉぉおおおおお!!!」ときっと叫んでいたに違いありません。
帰りは渋川まで一般道を走り、渋川IC⇒花園IC⇒一般道⇒自宅の順で帰りました。お疲れ様でした。
■天候:完全快晴(一点の曇りなし)
■出会った人:200人超(西黒尾根登り1人、谷川岳山頂4人、茂倉岳まで4人、その後カウント不能)
■タイム:6:00~13:50(西黒尾根は3時間)
■その他:
◇日本三大急登の甲斐駒ケ岳黒戸尾根コースに続いての第二弾、西黒尾根コースの制覇を達成できました。完全快晴の天候に恵まれ、森林限界からは終始絶景を楽しみながらの登攀となりました。
初っ端からの樹林帯の急登対策では、脈拍数を上げないようなゆっくり登りをして、後々のスタミナ温存に活かすことができました。
◇西黒尾根の核心部、岩場・鎖場の厳しさは素晴らしいマチガ沢の絶景によりかき消すことができました。ガスっていたらかなりテンション下がっていたはずです。私の苗字に「谷」が付きます。同じ「谷」同士相性が合うのでしょうか。
◇下山に選択した天神尾根ルートは想定外の難路でした。半数近くのRW利用ハイカーの方、コースを熟知されて登られているようには思えませんでした。厳しくて過酷な今にもぶっ倒れそうな表情の方ばかりで少し心配になりました。
◇谷川岳登頂成功して感無量です。二千メートルにも満たない山ですが、景観は魔の山そのものでした。
◇因みに西黒尾根より、八ヶ岳の真教示尾根の方が厳しいと感じました。イメージ的には、八ヶ岳の県界尾根コースと同格に感じます。