金峰山 2011/6/10 標高2500M超単独無酸素登頂シリーズ
金峰山(きんぷさん)2599M 高低差239M
前日に引き続き山梨県の山を攻略していきます。日本百名山且つ三富温泉郷より1時間程度で行ける山として”金峰山”に決定致します。日本百名山としては第八座目になります。
金峰山は古くより修験道の道場として栄え、山頂に構える巨大な”五丈岩”は信仰のシンボルとされています。五丈岩の頂からは湧水が湧き、周辺地域の川の水源をなしたことから、金峰山に鎮座する神々を耕作の守護神として崇拝してきました。
(ルート):大弛峠⇒朝日峠⇒朝日岳⇒鉄山⇒金峰山⇒大弛峠(ピストン)
AM5時に起床、温泉に浸かり目を覚まさせます。勿論優雅に貸切です。その後、朝食(パン)・片付け・出発準備をしてから6時30分ロビーに向かいます。しかし、照明は暗くチャイムを鳴らしても誰も出てきません。前日遅くても7時には出たい旨、お伝えしておきましたが、これではチェックアウトができません。
仕方なく部屋に戻りコールします。5コール目で繋がり安心しました。未だ睡眠中だったようです。朝食の仕込みは何時から行うのでしょうか。6時40分精算してから大弛峠に向かいます。
大弛峠に向かうには国道140号線から牧丘町杣口方面に入ります。琴川ダムを経て、林道川上牧丘線入口まで真っ直ぐに進みます。途中通過してきた山々はガスっていました。
林道川上牧丘線に入り14Kで大弛峠に到着します。林道は舗装されていて対面通行可能です。林道からは、本日目指す金峰山の五丈岩が確認できました。
林道脇では1K毎に表示があり、大弛峠到着までの距離が明確に判断できます。
本日は車で一気に高度を稼いでいきます。下から徐々に高度を稼いで身体を高度順応させていく登山と異なり、一気に2360Mからのスタートになりますので、低山中心のハイカーとしては高度順応できるか一抹の不安があります。
8時大弛峠到着です。既に10台以上の車が駐車しておりました。駐車場にチップ式のトイレが併設されております。
準備を整え8時10分登山開始です。ここから国師ヶ岳・北奥千丈岳にも登山できます。本日は日本百名山の”金峰山”を目指します。
金峰山の表示版後ろ側には砂利の駐車場があります。長野方面から来られる場合、砂利側に出るようです。
金峰山登山口にはベンチがあります。ここより距離3.6K高度2500M超の無酸素登頂(前日、栗城氏の本の読み過ぎ)に挑戦します。高度2360Mからのスタートは、いつもより酸素濃度が希薄で頭がボォーッとしています。
まずは原生林の中を心拍数を上げないようにゆっくり歩いていきます。そしてすぐに勾配登りが始まります。
軽いアップダウンが続き呼吸が乱れ始めます。
道中、犬の散歩に出くわします。道を譲っていただき遠慮なく追い抜きます。その先、軽い岩場を乗り越えていく場所がありました。尖った岩場で犬の脚への怪我が心配されます。
ケルンの積まれた鞍部、”朝日峠”に到着します。ここからの眺望は利きません。
その後、急坂の登り込みに入ります。呼吸の乱れが収まり、身体は徐々に高度順応してきていました。
やがて岩石地帯へと突入していくと一気に展望が開けてきました。南の方面はガスっていました。
開けた岩尾根を歩いて振り返ると奥に国師ヶ岳、北奥千丈岳が確認できました。
そのまま朝日岳の方向に進んでいき、金峰山の五丈岩を確認できるようになりました。
更に登り込んで岩場を越えていきます。
山頂らしき場所に出てきました。”朝日岳”に到達です。標高は2581Mあり、低山ハイカーを開始してから初の2500M超です。酸素濃度が薄く感じるのは気のせいでしょうか。
展望は南側が開けており、先にあるベンチまで行くと金峰山がガッチリ見えるポイントに出られます。
これから目指す”金峰山”です。シンボルの五丈岩もはっきり確認できます。
見ていたらあの山頂に早く行ってみたくなりました。鞍部までガレた急坂を下ります。その後は登り返し・・・・と考えていたら帰路もあるからキツイなぁ・・・。
大きく下った後、もう一段鞍部まで下りをこなしていきます。
鞍部から樹林帯を巻いたり登り返したりして、一見見落としそうな”鉄山”の標識前を通過していきます。
鉄山の先を巻いていき暫くなだらかな道を歩きます。上りに転じて残雪が現れました。僅かな距離で残雪地帯は終了です。
ある程度登り切った場所で、歩いてきた道を振り返って見ると手前に”朝日岳”奥に国師ヶ岳・北奥千丈岳が確認できます。
前進していくと森林限界のような場所に出ます。まるで庭園のようです。
遠方に数名の人影が確認できます。高山的な景観を見せているこの一帯は、”賽ノ河原”(さいのかわら)と呼ばれています。いつかは登ってみたい”瑞牆山”も確認できます。
ここは気持ちの良い岩場歩きができます。土砂流出防止岩があり”ケルン積まないで!”と記載がありました。
岩の間に転落しないように注意しながら大岩地帯を越えていきます。
矢印方向に廻り込みハイカーたちが賑やかに集まっている場所がありました。
そこはまさしく金峰山山頂でした。2599M単独無酸素登頂成功です。時刻は10時ジャスト、約1時間50分での登頂となりました。
岩尾根の先にはシンボルである”五丈岩”がどっしり山頂部で構えています。近づいていくと学生ハイカーたちが休憩しておりました。
ここは登山道の交差点にもなっていました。側に展望版があります。本日は遠方が視界不良で残念ながら富士山が確認できません。
五丈岩の南側に廻ってみることにしました。奇岩がありますね。
どうやら南側から五丈岩は上がれそうにありません。学生ハイカーも諦めていました。やはり遠方の展望が利いてませんねぇ。
そのうち周りが撤収していき、再度正面から登れる場所を捜してみます。向かって右側から登れそうですね。
意外と途中まで楽に行けました。落書きのある場所にアプローチしたいが、これ以上登れても下りる時が危険と判断し止めておきました。
朝日岳、国師ヶ岳方面を真横で確認します。落書きは何処かの山岳部らしき名称のものですね。
金峰山山頂部と五丈岩の鳥居を見下ろします。
五丈岩を下りて正面からもう一度眺めて立ち去ります。金峰山山頂は貸切になっていました。
三角点を撮影していた所に犬を連れたハイカーたちが登頂してきました。よくあの尖った岩を脚を切らずに登頂してこれましたね。
下山開始します。後は来た道を忠実に戻るだけです。瑞牆山の山容は妙に惹かれますね。近いうちクリアしてみたい候補です。
朝日岳に向かってややハイペースで下っていきます。
下山途中、人数の確認はできませんでしたが数組のパーティと擦れ違います。後続から登ってこられるハイカーが沢山おられました。朝日岳への登り返しはやはり急坂で過酷な登りでした。
朝日岳への登り返しを登頂できた地点で、小田原からお越しのアラフォー前後の夫婦と暫く会話します。これから金峰山へ向かうためベンチで休憩されていました。
本日は、乾徳山と金峰山どちらにしようか迷ったそうです。奥さんが乾徳山の鎖場登攀をご心配されて金峰山にシフトしたとのことでした。私が前日登頂してきた話をすると凄く興味深く聞いておられました。他にお互いに登ってきた山々の話をしているうちに甲武信ピストンや妙義山の話にたいへん驚かれておりました。たいへん話好きの仲の良い御夫婦でした。
朝日岳の先にある大岩地帯を歩いていきます。急な岩場は慎重に下ります。
朝日峠の鞍部を通過してガンガン下っていきます。数名のハイカーを遠慮なく追い越させていただきます。
原生林地帯を抜け出し明るい場所に出てきました。11時50分駐車場に到着です。
その後、学生ハイカーや他のハイカーたちは車に乗り込み撤退準備をしておりました。ここから国師ヶ岳・北奥千丈岳にも登頂できますが、抱き合わせでトライするハイカーが現れません。気持ちの良い疲労感が残る身体を”花かげの湯”(本日の癒し温泉)で早く癒したいという気持ちが先行して「撤退」の二文字が頭の中に浮かんできます。
その時です!内閣不信任案決議回避から党内部より辞任に追い込まれている環境にも拘わらず、そのまま居座り続けている管総理のことをまたもやこんな場面で思い出してしまいます。
そして東電に放った一言が出てきます。「撤退はありえない!」今度は30連発ぐらい高度順応できた脳内で響き渡ります。そこで車中5分間休憩してじっくり検討に入ります。
■天候:曇り時々晴れ
■出会った人:50人ぐらい(酸欠気味でカウント不能でした)
■タイム:8:10~11:50
■その他:
◇滅多に来れる場所ではない大弛峠からの登山でした。標高は既に2360Mとハイポイントで私のような低山ハイカーは慣れていないのか高度順応するのにやや時間が掛かった気がします。
◇標高2500M超えの登山は低山と違い、山頂の雰囲気と周囲のダイナミックでスケールのある景色を堪能できます。山頂のシンボルである五丈岩は圧巻でした。
この後、撤退せずに山行を続行するかどうか検討編に続きます。