両神山(八丁峠コース) 2011/11/20 朝練シリーズ Practice in morning
両神山(りょうがみやま)1,723m 八丁峠コース 単純高低差583m
前日に予定されていたメンバーの月例登山が雨天の影響で中止となります。そこで、日本百名山「両神山」に3度目のアタックを仕掛ける機会が急遽到来します。上落合橋を起点に八丁峠で攻めるコースを難易度の高い朝練と位置付け、両神山を朝練登山で消化してしまおうと挑戦的トレーニングに意欲が湧きます。
この鎖場の多い「八丁峠コース」は通算2度目のチャレンジとなります。身体へのダメージを最少限に留め岩場・鎖場を楽しみながら登攀していきたいと思います。
では入山前によろしければお願いします。
(ルート):上落合橋⇒八丁峠⇒行蔵峠⇒西岳⇒東岳⇒剣ヶ峰⇒作業道⇒上落合橋駐車場
AM3時40分自宅近くのFマートで食料を調達し東松山IC~花園IC、一般道で大滝温泉廻りにて上落合橋6時15分到着です。既に他に2台駐車しておりました。
約11ヵ月ぶりの訪問となるギザギザ頭がシンボルマークの埼玉単独の百名山「両神山」を攻略していきます。準備を整えて登山口に向かうと先行者のバイクがありました。
登山口には、八丁峠コースの道標と「初心者向きではない」との注意事項が記載されている看板がいくつか設置されています。
ジグザグ気味に登り込んでいくと、先行者の男性シングルハイカーが登山道から外れて林の中に突入していきます。なんと!いきなりキジウチです。しかも見える位置で・・・・。見て見ぬふりをして通過していきます。
そのまましっかりとしたテンポで八丁峠に向けて登り込みます。すると今度はなんと!私がキジウチを討ちたくなってきました。八丁峠の先は鎖場でキジウチポイントが無いだらう。このままの状態で鎖場を乗り越えられるか自信が無くなってきました。
急遽、間合いを見計らって「同行者も確認不可能」とまで言われている私の神業的キジウチを両神山で討たされることになります。瞬間的に討ち込みます。(御食事中の方は大変失礼しました)
スッキリ気分に変わった私の顔色は復活!(鏡見れないのでたぶん・・)汗を噴き出しながら気合いが入ります。八丁峠まであと400m地点に来ていました。
立ち向かう八丁峠コースの稜線を眺めながらグングン高度を稼いでいきます。
斜めった登山道を進み稜線に近づいていくと、冷たい風が身体に吹き付けてきます。
そして登山口より50分程度で八丁峠に到達です。側には展望台があります。
展望台にはテーブル付きのベンチが設置されています。展望が利く高度には達しておりますが、樹木で遮られ眺望はイマイチです。
ここより先、八丁尾根縦走路となり急峻な岩場や鎖場の難コースが連続します。自信の無い方や体調の優れない方は、引き返す勇気も必要です。
「鎖場は一人ずづ安全を確認して登ろう」看板より先が1発目の鎖登場です。御約束で掴みますが、ここは鎖不使用でも登攀可能なポイントです。
そして周囲の山々を眺望して気持ちをリラックスさせます。遮るものがないので風が冷たい!
遠方にピークの見える山は瑞牆山だらうか。石灰岩の山「二子山」と背後には群馬の「御荷鉾山」が確認できます。
大きく下ってから鎖場の登り返しです。得意のガシィ!ガシィ!登攀で難なく上昇していきます。
ホールドのしっかりしている箇所はなるべく鎖に触れません。岩場登攀から下を見ると吸い込まれそうだ!
痩せ尾根の鎖場に突入していきアスレチックな感覚に変化していきます。両脇に樹木が茂っているので高度感はありません。
くさり!クサリ!鎖!巻き付けられそうになるくらい容赦なく鎖が襲いかかってきます。
鎖との格闘が一段落すると行蔵峠に到達しました。ここより西岳は僅か100mの距離です。
行蔵峠を振り返ると追随してきているハイカーたちを確認できました。
朝練なので特にゆっくりするつもりはありません。次に向かう東岳方向を確認して長めの鎖場を下ります。
鎖をよじ登っていくと赤い屋根の祠が見えます。下を見ると結構な高度感です。
祠の前で登頂御礼の挨拶をします。ロープが張られている箇所は、進入禁止の尾ノ内ルートです。
東岳を目の前に捉えて最難関の「ナイフリッジ」登場です!両脇は完全に切れ落ちています。前回はどうクリアするか悩んだ結果、四つん這いで横断しました。
今回は悩まず無謀に二本脚でトップを横断していきます。かなりヒヤヒヤものでしたが、恐怖から逃れたいあまり一気にクリアしました。因みに脇に掛かっている鎖あまり意味ないです。滑落した時に掴むのか?
その後、紅葉がきれいだなぁ~と感じていると道が不明瞭な箇所に来ていました。ルートを誤りました。危険と思われる岩場を無理やり下り切ります。ここはかなり心臓ドキドキしました。妙義山の白雲山と対等な恐怖心を受けます。着地後恐怖心から解放され脚が暫くガクガク逝ってました。
本筋のルートと合流して安心です。鎖場をしっかりと乗越えます。先程の道間違えした岩場は勿論鎖はありません。
なんと!その先では垂直の鎖場だぁああああ!!全鎖場中最難関の鎖場です。集中力を高めてガシィガシィ登攀を丁寧にこなしていきます。
通過してきた稜線を振り返ります。一呼吸落ち着かせる為、山々の展望を眺めて瑞牆山に視点を集中させます。
次はいよいよ、両神山頂の剣ヶ峰に向かいます。距離はまだ1キロ近くあります。
両神山3度目の登頂成功です!八丁峠コースでは2回目ですけど。時刻は9時30分、約2時間50分で登頂です。(タイムは前回とあまり変化なしです)
山頂には首なし地蔵(前はあったものと思われます)と祠が設置されています。
ここで大バカ者が三角点を占拠して呑気に飯を喰っています。狭い山頂に加えて日曜日なんだから端で喰えっ!てんだよ。(モードが変わって申し訳ありません)しかも三角点の脇で、こういう輩(やから)がいるから地蔵の首もぶっ飛ぶんだよぉ・・・。
山頂からは富士山の展望は利きませんでしたが、雁坂嶺~破不山~甲武信三山~国師ヶ岳~金峰山、雲取山など奥秩父の山々が確認できました。
石碑と祠が対峙しています。脇にはマナーのあるハイカーだちがいます。他のハイカーの邪魔にならないところで飯は喰ってほしいですね。
朝練なので山頂には長居せず下山に取り掛かります。最もずっと稜線上を越えてきたので展望はお腹いっぱいでした。
下山ルートは八丁峠の鎖場ピストンではなく、ショートカットのできるやや危険覚悟の作業道で下山していきます。日向大谷方面に一旦下り、両神山頂0.1KMの道標に巻かれているトラロープを潜り抜けます。
100mぐらい踏み込まれた道を歩いていくと作業道の表示の前に出ます。
「この先危険なため通行止」と記載されたロープを無理矢理潜り抜けます。ここから作業道のショートカット下山道(約1時間)になります。
登山道ではないので完全自己責任です。山岳保険に入っていても事故が起きた場合には保証はありません。くれぐれもコンプリートな自己責任を強調しておきます。そして決して簡単な道ではないことも併せて強調しておきます。
赤テープを目印にしっかりと踏み跡を確認しながら慎重に下山していきます。
基本的に道は明瞭となっていますが、一部崩落気味の箇所も存在します。
危険箇所にはロープが張られていますが決して侮れません。鎖場と異なる気の使い方をしなければならないので妙に疲れます(ここは、チャッチャカ下りは止めておいたほうが賢明だと思います)。見上げると通過してきた鎖場の稜線です。
ここは危険です。落ち葉に埋もれかけた濡れた箇所。冬場は凍結が、夏場は増水が心配です。
ここは少しチャッチャカできるかも・・・。やらない方が身の為だと・・・。
ガレを下っていくと駐車している車が見えてきました。高度感タップリです。
やや危険な作業道のロープを潜り抜けて行程終了です。時刻は10時45分でした。山頂からは約1時間程度の下山でした。狭い駐車場は満車状態ですね。
癒し温泉に向かう為、国道299号方面に車を走らせます。石灰岩の双耳峰「二子山」が見事です。年明けには是非再来してみたいと思います。
鎖場・作業道で疲弊した身体と精神を癒す為、何度目の訪問か忘れるくらい通っている「両神温泉薬師の湯」にてゆっくりと癒させていただきます。
帰り路、ミシュラン一つ星に輝いた「宝登山神社」横の国道を通ります。注目されかけているスポットですね。長瀞町には女優の「あき竹城」が住んでいるらしいです。
■天候:晴れ
■出会った人:6人(八丁峠コース2人、山頂4人、作業道完全貸切)
■タイム:6:40~10:45
■その他:
◇3度目の両神山登頂となりました。実は過去2回単独であった為、3度目は同行者と登頂したいと思い探しておりました。結果、声掛けしていた複数のハイカーより鎖場を拒否られて今回も単独山行となりました。次回同行されたいハイカーは今から募集します(たぶん1年後になると思います)。同じく妙義山も次回は3度目になりますので、同行者を募集しています(難易度は両神山より上です)。メタボ先輩が冗談半分で手を挙げていましたが却下しました。
◇作業道を下山して改めて感じました。結構手強く、周囲が薄暗いので気味が悪いです。利用される方は慎重にお願いします。女性ハイカーは、できれば単独作業道は避けるべきでしょう。
◇八丁峠コースの難所は、西岳~東岳の箇所で特に東岳手前の鎖場です。他は行蔵峠手前の鎖場が難易度高いです。