雲取山(三峰ピストン) 2013/3/27 究極的日帰り単独ピストンシリーズ中級編
雲取山(三峰ルートピストン)日帰り 標高2,017m
今回で4回目の登頂となります「雲取山」、毎度相性の悪い雲取山では、山頂から完全な富士山を拝めたことがまだ1度もございません。今回こそはと日程調整を入れて三峰ルートのピストンに再度挑戦でしたが・・・。
過去雲取山に関係する山行では、三峰ピストン(日帰り1回、山荘宿泊1回)、鴨沢ピストン(日帰り1回)の経験がありました。私が低山ハイカーに転身する切っ掛けになったのが、2010年10月雲取山三峰ピストンを無謀にも日帰りで挑戦したことから始まります。登山スキル無、体力も衰えていた時期、気合だけで三峰ピストンを決行します。結果、嵐にも巻き込まれ、脚部玉砕型超疲弊状態に落とし込まれてのゴールとなり、甚大なダメージを受け、トラウマになった記憶があります。
ある意味、リベンジ山行としての究極的ピストンシリーズとなります。当日はスタート地点の標高1,100mですが、前日降雪があったようで既に周囲では所々白くなっていました。徐々に高度を上げていくと、標高1,600m付近からアイゼンが必要となっていました。新調した6本爪アイゼンを試す機会にも恵まれ、究極的ピストンシリーズを楽な展開に持っていこうとしますが・・・・。
※雲取山荘~雲取山山頂は北側斜面のため、登山道が凍結しています。(2013/3/27時点)
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
(ルート):秩父市市営駐車場(6:01)⇒鳥居(6:06)⇒炭焼平(6:43)⇒地蔵峠(7:05)⇒霧藻ヶ峰(7:13-7:19)⇒お清平(7:28)⇒前白岩の肩(7:58)⇒前白岩山(8:11)⇒白岩小屋(8:25-8:36)⇒白岩山(8:54)⇒芋ノ木ドッケ(9:00)⇒大ダワ(9:29)⇒雲取山荘(9:50)⇒雲取山・避難小屋(10:17-10:35)⇒雲取山荘(10:50)⇒大ダワ(11:03)⇒白岩山(11:50)⇒白岩小屋(12:06)⇒前白岩山(12:25)⇒お清平(13:08)⇒霧藻ヶ峰(13:25-13:38)⇒標高1,400m地点(13:53)⇒標高1,300m地点(14:05)⇒標高1,200m地点(14:16)⇒秩父市市営駐車場(14:32)【ピストン】
※歩行距離:21.2㎞ 行程タイム:8h31m(休憩含)
AM3時20分自宅を出発し、同県内にも拘わらず100㎞も走行して、約2時間20分で三峰神社の駐車場でもある秩父市市営駐車場に到着します。300台ぐらい駐車可能なスペースには私の車だけです。24時間使用可能なトイレを利用してピストンの準備を整えます。
雲取山方面は既に視界には無く、天候は期待できそうにありません。駐車場を6時過ぎにスタートします。
2年4か月ぶりの再来となります三峰ルート登山口の標高は、1,100m地点から始まります。石鳥居の脇に登山ポストがありますので、用紙に日帰りピストンの申告を記載しておきます。
前日に降雪があったようで、既に所々白くなっている箇所があります。穏かに登り込みながら二股桧を通過していきます。
標高1,300m地点を通過し徐々に高度を稼ぎにいきます。
妙法ヶ岳の分岐を越えて先を進んでいくと、標高に比例して積雪に厚みが増してきていました。そこへ思わぬ晴れ間が確認できます。
炭焼平⇒標高1,400m地点とグングン高度を稼ぎます。
そのままノーアイゼンで登り込みます。そして明るい方向に目を向けると、雲海が拡がって見えています。
やがて地蔵峠1,500m地点に到達します。
更に進むと秩父宮レリーフの岩壁に出ます。
レリーフの目先に「霧藻ヶ峰(1,523m)」があります。
霧藻ヶ峰では一部展望が開けており、三峰から歩いて来た稜線が見えています。そのずっと先には、雲海に浮かぶ「両神山」のギザギザヘッドが浮き出て見えています。
一旦、70m強標高を下げて鞍部の「お清平」に到達します。
雲取山頂までは、まだまだ6.2㎞もあります。ここより前白岩山・白岩山に続く、第一の肉体破壊的核心部となる拷問チックな登り返しが始まります。
過酷な登り返しを雲海を眺めながら丁寧に消化吸収していきます。
積雪に滑りながら岩場を登り込んでいき、「前白岩の肩」へと一気に高度を稼いでいきます。
片道距離のハーフ地点を過ぎ(ピストンではクォーター)、まもなく前白岩山を通過します。
白岩小屋に到着し安全走行の為、今年初そしてモンベルで新調した6本爪アイゼン(5,700円)をNoceFaceのタウラギリに履かせます。これがまた装着が楽なんですよ。私的にはお勧めです。
アイゼン装着後、白岩山を登り込んでいきます。予想以上にグッサリとアイゼンの効きが足裏で感じとれます。これでひとまず安心走行が可能になりました。
そのまま白岩山・芋ノ木ドッケへと四輪駆動のように、馬力を効かせて走行していきます。
途中積雪量が無くなるまたは薄くなる箇所もありましたが、構わずグッサリ地面を刺しながら突き進みます。真面目に脱着をしていたら5回ぐらい必要でした。雲取山との距離も随分詰めてきていました。
危険なトラバース道や小刻みなアップダウンを消化して大ダワに到達です。
大ダワは登山道の交差点にもなっており、山頂に向かう男坂、女坂、それと日原方向に下山するルートがあります。積雪量がありそうな女坂をチョイスして進んでいきます。
途中より廃墟と化している雲取ヒュッテの脇を通り、雲取山荘へと抜けていきます。
2年4か月ぶりの雲取山荘です。確か2階の真ん中あたりに泊まったなぁ~。当時は職場の同僚を連れて登頂し個室に泊まれました。部屋には豆炭があって寒い思いをしませんでした。山荘より山頂までの距離700mの最後の登りが本命の核心部となります。
階段を上がると一気に積雪量が増してきています。
山頂直下の急登では、降雪の土台部分がアイスバーンとなっており、アイゼンをフルに絡ませて登ります。しかし、身体が疲弊した状態だったので、3回ぐらい立ち止まり呼吸を整えてアタックを仕掛けにいきます。
霧雨となっていた山頂にアタック成功です。雲取山頂は1年10ヵ月ぶり、4回目の登頂となります。山頂は視界不良で展望が全く利かず、予定通り貸切です。というよりまだ誰にも出会っていません。三峰から独占的貸切状態でした。
山頂にある避難小屋にも立ち寄ってみることにします。
小屋内部に入ると私と同年代ぐらいのハイカーが一人休んでおり、何処から来たのか話しかけられます。三峰のピストンで貸切であった旨話込みます。逆に尋ねると、鴨沢から登られて大ダワから日原へ下るとのこと。結構玄人チックな道を下っていくんですね。
気が付くと、もう一人?小屋の奥で寝袋に包まっているハイカーらしき人物がいました。話込んでいたハイカーが言うには、熟睡しているとのことでした。そして日原に下るハイカーは先に小屋を去っていき、私はゼリーを補給してから出発していきます。
ガスった鴨沢ルートを確認してから山頂に戻ります。日本に三つしかないと言われている原三角点と他の山頂セットを撮影していきます。
三峰ルートの下山に入ると、山頂直下で座り込んでいるハイカーがいます。先程の日原に下るハイカーがアイゼンを装着していました。やはり、この凍結具合にビビって装着を決断したみたいです。因みに、鴨沢ルートは南斜面になるので、積雪は全く無かったそうです。
日原ハイカーよりお先に失礼して、凍結下りで6本爪アイゼンの本領発揮です。ガンガン下って一気に雲取山荘前に到着です。
廃墟の雲取ヒュッテ先からは男坂で下っていきます。
難なく大ダワまで下ってきました。日原との分岐ですが、日原方面にはほとんど踏み跡らしき形跡が見られません。先程のハイカーはベテラン風の装備をしていたので問題ないでしょう。私自身がピストン大丈夫だらうかと心配です。
雪の無い箇所もアイゼン外すのが面倒なので、そのまま突き進みます。
危険なトラバース道を通過し芋ノ木ドッケへ。
台風跡地を通過し白岩山へ。下山ルートなのですが、ここまで下っているというより登りの延長のような気がします。
白岩小屋に至る下り坂で、本日三峰ルートではお初の青年ハイカーと擦れ違います。イヤホンをしていたので挨拶のみの擦れ違いでしたが、なんと!地下足袋を履いて登り込んでいました。
白岩小屋で小休止していきます。割れた窓から中を覗くと毛布などが置いてあり、最近ハイカーが泊まった形跡が見られます。
標高1,800mを下回っていくとガスが切れ、視界が利き始めます。この先でアイゼンを外すことにしました。
前白岩の肩に到達すると、更に視界が良好になってきました。
三峰神社方面に向かう稜線を眺めていきます。秩父市市営駐車場はまだまだ遠方に見えています。望遠で撮影すると僅かに私の車も写っていました。
両神山の先に薄っすらと浅間山が確認できます。
一旦、鞍部のお清平まで下って、最後の登り返しを消化していきます。これが結構脚部粉砕的な拷問として堪えてきます。
霧藻ヶ峰に到達し、閉まっている売店で小休止をしていると、三峰側から東京よりお越しの単独若手ハイカーが登り込んできました。そこで暫く話込みます。西武秩父駅からバスに乗車し、三峰神社スタートで本日は雲取山荘に宿泊だそうです。翌日は鴨沢に下りる予定とのこと。標高1,800m近辺からガスに覆われていると話すと、明日の天気は期待できないから山荘の出発時間を悩んでいる様子でした。
雪道なのでチャッチャカ下れないけど、標高を的確に下げていきます。
ダラダラと標高を下げていくに連れて、晴れ間が射してきます。
明るく陽が射している貸切の登山道を快適に下ります。やがて奥宮の鳥居が見えてきました。
ピストンの登山届を出したポストを左手に見て石鳥居を潜ります。
三峰神社方面にもちょこっと立ち寄りたかったので、駐車場上の登山口でアイフォンアプリの記録を終了させます。タイム的には不満でしたが、次回はアイゼン無しの時期にピストントレーニングを試してみたいものです。その前にもう一度、鴨沢ピストンもやってみたいですね。
時間に少し余裕がありますので、神社境内手前まで散策します。随身門は迫力のある立派な造りをしていますね。昔の仁王門にあたるそうです。
高台に遥拝殿があり、妙法ヶ岳を遥拝できます。
駐車場に戻る途中、白岩山までの稜線を確認できました。
雲取山はまだ分厚い雲の中です。霧雨状態が続いているのでしょうか。駐車場に帰着し、トイレの水道で汚れたアイゼンを洗わせていただきます。駐車料金500円を支払って疲弊した身体を癒す為、温泉に向かいます。
約15キロ下って、久しぶりの大滝温泉に立ち寄ります。究極的ピストンシリーズで疲弊した脚部を思う存分癒してから帰宅しました。
※最後までピストンにお付き合いいただきありがとうございます。
■天候:曇り(山頂霧雨)のち下界晴れ
■出会った人:3人+1人(寝袋で熟睡していたと思われる人間?)
■タイム:6:01~14:32【8時間31分、休憩含】
■形態:単独行
■水分:2.5L(ペットボトル500ml:5本)⇒消化したのは2本のみ
■山域:奥秩父
■深Q百名山:第3座目で登頂済
■出発地点より駐車場までの片道距離:100Km(同県内でも100㎞超えは運転がキツイ)
■その他:
★究極的ピストンシリーズ中級編となりました雲取三峰ピストンを後遺症も無く無事に終えて、一先ず次の展開へのステップとなった感じがします。駆け出し時代の約2年半前に比べて、自己の成長を確認することができた復習登山となりました。しかし、相変わらず登り返しのキツさは身体に堪えますね。
★雲取鴨沢ピストンを基準数値(100)とした場合の以下比較ポイントです。
雲取鴨沢ピストン(100)<高尾山⇔陣馬山ピストン(110)<甲武信ヶ岳徳ちゃん新道ピストン(115)<雲取三峰ピストン(130)
鴨沢ピストンに比べ、三峰ピストンは体力的に3割増しと私的には思います。対甲武信ピストンと比べても厳しいルートと考えられます。
★ガスると大変不気味な山道になる三峰コースですが、下山時は陽が射していましたので、大変快適な山道に感じました。