剱岳 早月尾根【日帰り】 2014/9/27 念願の「試練と憧れ」に挑戦!
剱岳【早月尾根日帰り】 2,999m 単純高低差2,259m
2014年9月27日に念願の「試練と憧れ」剱岳「早月尾根」を日帰りで登頂してきた山行記録です。
2013年8月、剱岳・立山連峰遠征を計画し、山行予定日2日前に仕事中に不覚にも腰を痛めてしまい、計画を断念する結果となってしまいました。ある意味計画の一部リベンジでした。
映画「剱岳 点の記」を観賞した時点では、ハイカーではありませんでした。しかし、山登りには興味があったので、こんな凄い山の頂きに立てたらいいなぁ~と憧れの気持ちを抱いておりました。
2010年10月、雲取(三峰ピストンデビュー)でハイカーになる切っ掛けが生じて、その後、低山中心に山にのめり込んでいくことになりました。
山岳ハイカー歴3年11カ月、今までの経験・体力・知識・・・集大成を試す場面を形に現わしておきたい。
念願の「剱岳」をアタックしたい!
アタックするならば、早月尾根日帰りにこだわっておりました。
8月は天候に恵まれず、様子を伺う状況。やはり9月の安定した気候でアタックを検討するしかないか・・・ずっと待ちわびておりました。
いよいよ、決行前日、仕事を半ドンで帰宅して、14時自宅を出発します。ナビの予定片道距離は370キロでした。関越自動車道東松山IC~塩沢石打IC下車~その後はひたすら馬場島まで下道で目指していきます。
走行途中は、PA・道の駅パーキング・コンビニPを利用して各30分~1時間程度の分割仮眠をしていきます。
馬場島荘駐車場に到着したのは22時半過ぎでした。(仮眠含8時間強掛かりました)
再び仮眠をとってから剱岳アタックに備えます。
AM4時前、試練と憧れの大石碑をしっかりと目に焼き付けて登山を開始していきます。前週の谷川連峰馬蹄形縦走に引き続き、ナイトハイクモードから突入です。予想通り、いきなりの急登から始まりますが、途中フラットな部分もあります。
徐々に根っこが張られた岩交じりの狭い登山道に変わっていきます。根が張られている道なのでとても歩きにくいです。
ちょうど谷川連峰の修羅場門(白毛門)に状況が似ております。
冬場の積雪に耐えながら圧縮された立山杉の異様な光景を目にしながら急登に耐えていきます。
1200m・1400m・1600m・1800m・2000mと200m毎に標高の表示板が設置されており、位置関係の目安にもなりました。
標高は3000mまで上昇して行きますので、早い段階から携帯酸素を積極的に活用していきます。単独無酸素登頂の解消です。
樹林帯では調子が上がってきませんでしたが、これが後の標高2600m超えの岩場から一気に調子が上っていきます。
やがて、標高2200m地点にある早月小屋に到達です。小屋が行程(体力的な意味も含めて)の中間地点と考えていいでしょう。
外にベンチ・テーブルが設置されているので、小休止をしていきます。山頂アタックに備えた岩場主体の登り込みにメンタル・フィジカル面と調整していきます。
小休止後、再び紅葉を観賞しながら2400m・2600mと更に高度を稼いでいくと、小窓尾根、室堂方面の視界が良く利いてきました。室堂方面からは風に乗り、硫黄臭が漂っていました。
そして、北側から見る剱岳の迫力ある山容も見えてきました。
標高2600m超えから積極的な携帯酸素活用の効果が現れてきます。調子が一気に上ってきて、ハイカー15人ぐらいを遠慮なく追い越していきます。
標高2800mから早月尾根核心部に突入していきます。
鎖場・ロープと鎖がしっかりしておりますので安心して登っていけます。高度感もそれなりに出てきますが、妙義山上級コースに比べるとたいしたことはありません。
滑落事故多発の「カニのハサミ」を丁寧に通過、ハイカーと交差する場合には譲り合いの精神が必要です。
山頂直下のマーキングを辿って、いよいよ念願の「剱岳」山頂アタックに向かいます・・・・・。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
馬場島荘P(3:54)⇒標高1,000m地点(4:34)⇒標高1,200m地点(5:09)⇒標高1,400m地点(5:37)⇒標高1,600m地点(5:53)⇒標高1,800m地点(6:17)⇒標高2,000m地点(6:55)⇒早月小屋標高2,200m地点(7:31-7:42)⇒標高2,400m地点(8:11)⇒標高2,600m地点(8:43)⇒標高2,800m地点(9:27)⇒カニのハサミ(9:43)⇒剱岳(10:07-10:50)⇒カニのハサミ(11:06)⇒標高2,800m地点(11:33)⇒標高2,600m地点(12:01)⇒標高2,400m地点(12:22)⇒早月小屋標高2,200m地点(12:43-12:51)⇒標高2,000m地点(13:17)⇒標高1,800m地点(13:46)⇒標高1,600m地点(14:16)⇒標高1,400m地点(14:27)⇒標高1,200m地点(14:49)⇒標高1,000m地点(15:16)⇒馬場島荘P(15:49)
※歩行距離:18.6㎞ 行程タイム:11h55m(休憩等含)
(注):コースタイムは個人のペースで歩いたり、自然観察をしている為、またその日の登山道のコンディション・適度な休憩・アクシデント・渋滞等発生により、あまり参考にはなりません。
前日の仕事を半ドンで切り上げて、念願の剱岳に向けて14時自宅を出発します。関越自動車道東松山~塩沢石打IC下車、その後、仮眠をとりながら下道で馬場島まで走行していきます。片道367キロもありました。22時半馬場島荘駐車場にやっと到着です。3時間程度仮眠をしてから登山準備を整えていきます。
試練と憧れの大石碑を目に焼き付けて、裏手にある登山口に向かいます。 AM4時前、念願の剱岳アタックに向けて気持ちを起動させていきます。まずは暗黒の闇にヘッデン装着で突入していきます。本日は高低差2200m以上を稼ぐ体力勝負のルートとなります。
初っ端から急登の洗礼を受けていきますが、間もなくフラットな道が現れ暫し安心です。 暗黒の闇を歩いていると、早くもトレラン風のハイカー2名様に追い越されました。
ベンチの設置してある標高1000mポイントに到達です。因みに、山頂まで200m毎に表示板が設置されています。先を進んでいくと、冬場の積雪に耐えながら圧縮された立山杉の異様な光景を目の当たりにしていきます。
夜露に濡れた根っこ主体の足場不安定な登山道を登り込みながら、標高1200mポイントに到達します。 夜明け前の小窓尾根方面を眺めながら更に高度を稼ぎます。
樹林帯で汗を噴き出しながら、グイグイ標高を稼ぎにいきます。やがて1400mポイントに到達です。根っこが張られた岩交じりの狭い登山道を無心で登り込んでいきます。
スタート地点の馬場島方面を眼下に見ていきます。陽の光とともに青空が広がってきます。本日の快晴が期待できそうです。
標高1600mポイントを通過。そして標高1700m付近から色付いた葉がチラホラと出てきました。
豪快に見える「猫又山」を横目に登り込んでいきます。本日は標高3000m付近まで上昇していく為、酸欠対策用の必殺「携帯酸素」を積極的に吸引していきます。因みに熟女のフェロモン効果が加味されれば鬼に金棒状態になります。(笑)
その後、標高2600m超から必殺酸素効果が発現されることになります。
標高1800mポイントを通過。進行方向右手には奥大日岳・中大日岳・大日岳の山容が伺えます。
ギザギザの小窓尾根(左)、上市町方面(右)
高度を稼ぐに連れて、徐々に色付きに派手さが伺えるようになります。紅葉と猫又山方面を眺めます。(右)
遂にアタックターゲットの剱岳山頂部が姿を現します。
標高2000mポイントで穏かに紅葉ハントポーズを決め込んでいきます。
池塘と紅葉、そして赤・黄色・オレンジ・緑と色鮮やかです。
赤色と奥大日岳・中大日岳・大日岳の稜線(左)、立山連峰方面(右)
早月小屋が見えてきました。標高2200m超からの尾根を見上げていきます。
これからアタックに向かうべく、逆光の剱岳山頂方面
中間地点の早月小屋に到達します。スニッカーズを美味しく頂きながらベンチで小休止を取ります。
併設されているトイレ及びテン場の状況
早月小屋周辺の紅葉状況を確認していきます。この地点より更にピークまで約800m高度を稼がなければなりません。その上、岩場・鎖場など難易度が高まってくるので気を引き締めていきます。
後半戦の登山再開です。鮮やかなイエロー&レッドを楽しんでいきます。
標高を上げてから小屋周辺の紅葉を見下ろしていきます。そしてザレチックな岩場を通過していきます。
室堂方面からは風に乗って硫黄臭の香りが漂ってきます。室堂方面をズームしてみると、山小屋?ホテルか?
標高2400mポイント通過後、徐々に森林限界に入っていくと岩場主体の登山道に変化していきます。
進行方向左手奥に白馬三山が見えています。振り返って登ってきた尾根を見て軌跡を確認していきます。
太陽をバックに豪快に構える剱岳ピークを見上げます。まだまだ高低差がありそうだ・・・。
室堂方面の奥に見えているのは薬師岳であらうか?(左)、 破線や登山道のない周囲の山々(右)
徐々に迫りくる剱岳山頂部(左)、再度、白馬三山(右)
標高2600mポイントに到達です。ポイントからは妙義山チックな小窓尾根を眺めていきます。
稜線上にいるハイカーたちを視界に捉えて、ピークを巻きながら剱岳にアプローチしていきます。
身体の重心を山側に傾注して歩きます。進行方向では、先行するハイカーが落石を発生させたようで、ガラガラ・ゴロゴロと石が転がる音が響いていました。
まだこの時点では視界良好なので、山頂での絶景を確信しておりました。
鎖場登攀、岩場登攀をクリア。積極的に単独有酸素登頂を仕掛けてきたことが功を奏して、調子が上ってきました。ヘバッたハイカーたちを、一気に10人くらい遠慮なく追い越していきます。
標高2800mポイントに到達してきました。最終アタックまで残す標高200mです。 この辺りから後立山連峰にガスが掛かり始めていました。
ガスり掛けた白馬三山を横目に使える箇所は手を積極的に使って上昇していきます。
標高2800mより、馬場島から登り込んできたルートを見下ろします。馬場島方面をズーム(右)
残りの標高差200mを見上げて、気合いを入れ込んでいきます。
日本海を遠方に捉えて、いよいよ標高2800m超の核心部に突入していきます。
見上げたピーク方面にはハイカーがチラホラと確認できます。眼下の早月小屋が随分小さく見えるようになっていました。
完全な岩場主体のルートに入っていくと、滑落事故多発地帯のカニのハサミが行く手を阻みます。
トラバース箇所の鎖場を慎重に渡ります。終盤にワンポイントのボルト(各レポで知名度のあるボルト)があるので、足場代わりに利用して横断します。
マーキングの方向へ忠実に三点支持で進んでいきます。登り上げて鎖場を見降ろします。
再び鎖場登攀に入ります。鎖は太目なので、ガッシリと掴んで一気に上昇していきます。
岩場を登り込んで立山方面を伺いながら、道標のある方向に向かいます。
いよいよ、念願のアタックを仕掛ける準備を整えていきます。
期待していた後立山連峰は既にガスに覆われていました。
究極の感動の高木ぶぅーーー状態でアタックに成功!
試練と憧れの「剱岳」でピークハントポーズをガッチリと決め込んでいきます。首から上は3000m超だぁ~~。
山頂部は冷え込んでいますが、それなりにハイカーも集結しています。アタック時点から谷側から一気にガスが上昇してきていました。
池ノ谷・小窓・仙人方面
立山方面を眺めるハイカーたちを横目に定番の?ガスハントポーズ!!(笑)
登ってきた早月尾根方面を見下ろすと、ガスの流れが著しく加速しています。雲海というほど穏かなものではありません。何これ?って呆気に取られる感じで一気に周囲の山々、稜線がガスに隠されていきます。
剱岳山頂部上空だけが青空が広がっている状態でした。山頂では40分強休憩していたでしょうか。下りも長いのでそろそろ下山の準備に取り掛かります。
山頂部を振り返りながら下山に入ります。進行方向左手には立山方面の鞍部が見えます。
マーキングを目印に岩場を慎重に下っていきます。視界不良時はリスクが増すと思われます。早月方面に忠実に進んでいきます。
ハイカーとの交差に注意しながら、鎖場を丁寧に下っていきます。そして難所のカニのハサミを通過。
ガスの濃度が濃くなっていく中、グイグイと標高を下げて行きます。おぉ!標高2800m地点で雷鳥発見!一羽・・二羽、三羽いました。なぜか自分は雷鳥遭遇率が高いんです。別名「雷鳥男」とも呼ばれています。(笑)
標高2800mポイントを通過し、鎖場・ロープ地帯を更にスルスルと下っていきます。
ガスガスで紅葉も冴えません。Nearの紅葉のみ観賞しながら素直に下っていきます。
早月小屋で小休止をしていきます。テン場には数組のテントが張ってありました。
脚と膝廻りが何気に痛くなってきましたけど、頑張って下っていきます。一気に2000mポイントへ。
そして段々苦痛になりながら、1600mポイントに到達です。ここで何度か遭遇していた名古屋からお越しのハイカーから御嶽山が噴火したという内容のメールを貰ったと話されます。まさか大惨事になっているとは想像も出来ませんでした。
その後も根っこの張り出した岩交じりの歩きづらい道を下っていきます。
めっさ、脚痛ぇーーーーー。耐えられるであらうか。メンタルを無理にごまかしながら無理クソ下っていきます。やがて、標高1000mポイントへ。
極限に追い込まれながらも無事に登山口に帰着です。試練と憧れの大石碑の前で、丁度通過してきたハイカーに撮影して頂きました。
下山後の癒し温泉は馬場島から約34キロ走行して、魚津市にある金太郎温泉に向かいます。金太郎温泉「カルナの館」で達成感著しい疲弊した身体を思う存分、徹底的に癒してから帰路につきました。帰路も半分以上は下道を利用して帰宅は朝の7時でした。まさに0泊3日の山行となりました。
お疲れ様でした。
御拝読どうもありがとうございます。
Written By OhMy_Naruo
■天候:晴れのちガス
■出会った人:約50人前後
■タイム:3:54~15:49【11時間55分、休憩等含】
■形態:単独行
■水分:5.3L(ペットボトル500ml他:10本)
■山域:剱岳【北アルプス】
■深Q百名山:第47座目【百名山ハーフハンターまで残り3座】
■出発地点より駐車場までの片道距離:367Km
■登頂日:2014年9月27日(土)
■その他:
★今年1番の目標であった「剱岳」、山頂に立てた時は感動もひとしおです。
アタック前までは視界が利いていたようですが、谷の方向からガスが上ってきて、視界が利かなくなってきました。視界へのリベンジなど到底考えてはおりませんが、念願の試練と憧れは登山人生の中で生涯忘れることのないビックなイベント山行となりました。最高の達成感に浸ることができました。
★まさに0泊3日の総走行距離735㎞含めた超ハード行程となりました。癒し温泉後の運転は、長野県更埴ICまでひたすら下道走行、更埴IC~東松山ICで帰路につきました。行きと同じように道の駅・高速PAで分割仮眠をとりながら、自宅にはAM7時朝帰りとなりました。
★甲斐駒駒ケ岳(黒戸尾根)との比較
私的には、剱岳(早月尾根)の方に軍配あり。ひたすら連続する樹林帯からの急登は、甲斐駒のような歩き易い道と違い、岩交じりの根っこの為歩きづらい。
標高2800m超の岩場も剱岳の方がきつく感じました。
★下山時、名古屋からお越しのハイカーから、メールに御嶽山が噴火したという内容が入ったと話してきました。自分のアイフォンでヤフーを確認してみると、確かに・・・。
先月8月後半、Oozuma-Power-Spo倶楽部で御嶽山登頂計画をしておりましたが、雨で中止になった経緯があり、近い将来に訪問する予定でした。
メンバーの都合が合えば、いつでも登頂準備の可能性がありました。被災されたハイカーの方々は、同じハイカーの仲間として他人事のようには思えませんでした。
富士山噴火ならまだ驚きませんが、御嶽山は全く警戒しておりませんでした。
お亡くなりになられた方のご冥福を謹んでお祈りするとともに、ご遺族の皆様にお かれましては心よりお悔やみ申し上げます。
※2014年4月にフィールドをヤマレコに移行してから、『流離のリーマンハイカー』の更新は3本ぐらいしか完成しておりませんでした。基本的にアルプス系、谷川連峰系はレポとして完成させたかったのですが、時間が取れずに簡易に作成できるヤマレコで記録を終了させておりました。
ちょうど、年末に2014年山行の軌跡をデジブックで作成し、リーマンハイカーでもアップをしたところ、化石化された中毒者と申していいのでしょうか。1230日もの長期間毒者を継続して頂いているココログ仲間の「らるご」さまより、剱岳のレポを造らんと画竜点睛やと脅されまして、年始より一生懸命造って参りました。(汗)
お時間の許す限り、反復・暗記するくらいに読み込まれて下さいね。(笑)
ヤマレコでお馴染みのハイカーの方も『流離のリーマンハイカー』の毒者であったよ!とチラホラと声を聞かせて頂きました。有り難いことです。
・チチブハイクさぁ~ん!見てる??見てねぇーだらうな・・・。ギャルと茶飲みが忙しいに違いない。
・榛名の麓に住んでいるjijibabaさぁーん!ヤマレコが忙しくてリーマンハイカーなんて見てねぇーな。。。。。
・私を再起動させてくれたamaterasu大御神、ソゲキング負債!!・・・全く見てねぇーやろな。。。。御夫妻共々モンスターハイカーになっちゃって、凄い方たちです。
・Jimny-Hikerさーん!!同じく見てねぇーな。雪山が忙しそうだからな。冬の低山ではお会いできそうもないですね。(笑)
・その他ネームを上げ切れなかったハイカーさんたち・・・宜しくお願いしますね。
そんな感じで私、OhMy_Naruo(王魔医 納流悪)はヤマレコで活動中です。『流離のリーマンハイカー』については、あくまでも時間が取れた時に更新して参りたいと思います。
【お知らせ】:2015年も谷川連峰馬蹄形縦走(両廻り)を歩きます。ただいまTHE BATEIKEI【馬蹄形】チーム構想を計画中です。健脚な女性軍を集める予定なのですが・・・中々集まりません。目指したい方がいれば是非ご連絡下さいね。では今後も宜しくお願いします!