赤城山(黒檜山~駒ケ岳周回) 2014/3/22 ジーザス!爆風と青空、見事な霧氷のコラボレーション
赤城山(黒檜山1,828m/駒ケ岳1,685m) 単純高低差478m
当初の計画では赤城山か甲武信岳(西沢渓谷ピストン)で、両者天秤に掛けて前日まで悩んでおりました。てんきとくらす情報では、赤城山は暴風で×印、甲武信岳は安定的天候で○印。
久しぶりの挑戦的モードが高まってきて、ほとんど甲武信岳に気持ちが傾いていました。
しかしながら、花粉情報を調べてみると甲武信岳は非常に多いの最上級クラス、対して赤城山方面は2ランク下の多い状態。
そして直近の赤城山は事前学習として、「ゆうやけハイカー」のレポを参照し大変有益な情報が得られます。なぜか私まで雪庇恐怖症になってしまいます。しかし滑落後に自力で登山道に回帰する場面は、強靭な精神力の持ち主でなければ困難であらう。
花粉恐怖症と雪庇恐怖症を比較するとやはり花粉恐怖症の方が勝ります。
そこで、最終結論は「赤城山」に決定です。
当日は4時15分起床(少し寝坊)し、自宅を4時半過ぎに出発、前橋ICからは下道で赤城山地内へと進みます。道路は標高1000m地点から雪道でスタッドレスが大活躍しました。
そして大沼周辺には7時ぐらいに到着します。前日の降雪及び当日の暴風は覚悟の上でしたが、到着時点で雪が降っており、赤城山全体が雪雲に覆われていました。テンション下がりまくってしまい、一時車中でふて寝します。
1時間ぐらい仮眠してからビジターセンターや大沼周辺を車で周回、除雪作業車数台が活動していました。
強風は一向に収まる気配はありませんが、ふと空を見上げると地蔵岳の上空だけ青空が見えています。地蔵岳に登るかと思いきや、車で向かって見ると除雪がされていなくて諦めます。
再び、大沼周辺に移動すると、準備中や待機中のハイカーを多数見かけます。
温泉直行モードに半ばなりかけていた気持ちもやる気モードに変換、もう少し様子を見るかと待機します。
暫く待機すると、降雪が止み黒檜山方向は未だ雪雲に覆われていましたが、折角ならば行ける所まで行くか!と準備を整えます。
歩きだして行くと、黒檜山登山口にアルパイン風の軍団がいて、12本爪アイゼン装着にピッケル持参の出で立ちを拝見して、装備品6本爪アイゼンのみの自分のスタイルにやや不安を感じてきました。
さて、どのような展開が待ち受けているのであらうか。
レポ作成の原動力になりますので、下記1発ランクアップのため、宜しくお願いします。
【ルート】:おのこ第二駐車場(9:09)⇒黒檜山登山口(アイゼン装着 9:30-9:36)⇒猫岩(9:50)⇒黒檜山、ビューポイント(10:40-11:15)⇒黒檜山大神(11:17-11:22)⇒大タルミ付近(11:42)⇒駒ヶ岳(12:01-12:13)⇒駒ケ岳登山口(アイゼン解放 12:46-12:52)⇒おのこ第二駐車場(12:54)
※歩行距離:6.4㎞ 行程タイム:3h45m
(注):行程時間は個人のペースで歩いたり、自然観察をしている為、またアクシデント・渋滞等発生により全く参考にはなりません。
前日の降雪により赤城山に向かう道路は既に標高1,000m地点で雪道になっています。今期最強のスタッドレスをムーヴカスタムに履かせているので走行には問題ありません。しかし、4輪駆動ではないので馬力不足でスタックしたらアウトです。走行中除雪車が数台作業をしており、まずは大洞駐車場にてトイレに立ち寄ります。雪が降っていたので、テンション下がりまくって不貞寝をしてしまいます。その後、赤城ビジターセンターに移動して暫く様子を見ることにしました。ふと地蔵岳上空を見上げると、青空が見えるようになり身体が再起動し始めます。
おのこ第二駐車場に移動すると複数のハイカーが準備を整えています。猫岩より上部は未だ雪雲に覆われていて、ほとんど温泉直行モードになっていた重い身体で行ける所まで行ってみるかとややお試し山行モードで歩き始めます。
ハンディ塩原を横目に見ながら大沼中央部に目を移すと、ワカサギ釣りの名人らが集結してこの時期限定の釣りを楽しんでおります。
地蔵岳上空には更に青空が広がっています。赤城神社先に見えている山々は昨年周回縦走をした陣笠山、薬師岳、出張山あたりです。勿論今年もやります!GWあたりに逆廻りで。
除雪後の車道を歩いて黒檜山登山口に到着すると、アルパイン風の軍団が12本爪アイゼンにピッケル装備の出で立ちで臨戦体制を整えています。周囲にいた他の登山者もオール12本爪を装着しており、6本爪軽アイゼンで登ろうとしている自分のスタイルに一抹の不安を抱えます。今回で4回目の黒檜山となりますが、厳冬期に戻った黒檜山を舐めていたかなぁ。駄目なら途中撤退のつもりで私も臨戦体制を整えます。
標識が埋もれた登山口から急登が始まります。ルートは目印のピンクテープがありますので迷うことはないと思われます。やはり、全赤城山ルート中、黒檜山に登るルートが一番過酷で拷問ルートとなります。
先行者のトレースを辿りながら道標に従って登り込んでいきます。すると呆気なく猫岩に到達します。
猫岩付近で見られるお馴染みの大沼、地蔵岳の雪景色の展望です。
大沼に張られた分厚い氷上にはワカサギ釣り名人で賑わっています。眼下の道路では、除雪車が既に両脇に積み上がっていた雪壁に新雪を積み上げる活動をしています。
再び急登を登り込んでいきます。本日は寒さに対抗して雪山用登山グローブを持っていないので、スキーヤー時代に使用していたスキーグローブを嵌めて登頂しております。年季物ですがこのアイテムフル活用できました。
先行者のハイカー達はアイスバーン交じりの急登に苦戦しながら息を切らしてペースダウンです。花粉で鼻より上部が死んでいた私は脚部は元気なので遠慮なく追い越していきます。
黒檜山にも天日が射し始めてきます。雪景色が綺麗とは言え、相変わらずきつい勾配です。
ふと樹林帯を見上げると霧氷が・・・感動の高木ぶぅー状態に陥ります。
高度感がありそうな張り出した雪庇からは著しく距離を置いて歩いていきます。
ジーザス!・・・・・ジーザス・クライスト・スーパースター!?
6本爪軽アイゼンを踵主体にグッサリと蹴り込んで、感触を掴みながらグイグイと登り込んでいきます。
青空と霧氷、爆風とのスリーウェイマッチング状態の中、雪景色を楽しんでいきます。
気持ち良く高度をグイグイ稼いでいくと山頂が近付いてきました。
ジーザス!山頂付近の様子
フラットな雪道を歩いていくと黒檜山山頂が見えてきます。
黒檜山にアタック成功!本年目標としていた厳冬期の黒檜山単独無酸素登頂達成に感動もひとしおです。来年は赤岳か、あくまでも厳冬期の単独無酸素登頂で、自分だけの力で達成させることが条件です。
山頂部は複数のハイカーで賑わいます。夏場に比べ積雪で立ち位置が高い為、視界が広がって見えます。
トレースが付いているので、北側のビューポイントに向かっていきます。
展望が期待できそうですが、北向きの爆風が吹き荒れています。皇海山だけははっきりと確認できます。
降雪後、新たに張り出した雪庇が見事です。
ビューポイントに到達しますが、爆風が凄いです。爆風と霧氷のコラボレーション。
爆風の対抗措置して気合いのバックダブルバイを決め込みますが・・・自撮りしながら2回もカメラが吹き飛びます。トータル7回ぐらい撮り直しをしていたら、グロ-ブを外していた右手の指先が凍傷気味になってきました。(@_@;)
何回も・・・別の場所での失敗作、こんな感じで適当な苦労をしています(汗)。え?だったらやるなだって。仕方ありませんので今回は下記にコメント欄をオープンにしておきますので、無記名でOKですので、山頂ポージングやめてほしい!またはいやいや、決まっているから継続してほしい!など今後の参考にさせていただきますのでご自由にどうぞ。ただコメントの返信は致しませんので予めご了承願います。っていうか、普段開けてないから気が付かないか。
北アルプス方面(左)、谷川連峰は著しく流れる雪雲の中(右)
凍結した大沼(左)、鈴ヶ岳、奥には白煙魔王の「浅間山」
強風で身体が揺さぶられながら展望を眺めていたら側にカリフラワー?
再び黒檜山山頂部に戻り、ビューポイントでの自撮りに納得がいかなかったので、ギャラリーのいる中で遠慮なく低空バックダブルバイを決め込みますが・・・・やっぱ遠慮してたみたい!全然決まってないっす。寒くてもう無理っす!周囲のギャラリーの方にも一段の寒さを与えたみたいだ。速やかに撤収です。一体何やってんだがバカな俺?次はバカ尾根登ってやれ?・・・。
山頂部撤収後は黒檜山大神に移動します。なんと!鳥居が積雪で埋没しています。御黒檜大神の石碑は完全に埋没しております。
黒檜山大神からの正面に見える地蔵岳、長七郎山、小沼の展望
真っ白な山容の噴煙王「浅間山」
凍結したコンパクトな小沼(左)、遠方に薄く富士山(右)
黒檜山大神で引き返すハイカーも結構いましたが、駒ケ岳方面に新鮮なトレースが付いていることを確認します。下界は前橋市街地の展望でしょうか。
事前情報ではいくつか不明瞭なトレースが複数付いていて、危険な箇所に導かれるとありましたが、多岐に渡る複数のトレースは消えており、1本筋の通った新鮮なトレースが夏道に準拠した形で付けられているように感じます。
黒檜山ほどではありませんが目印テープもいくつかあります。地蔵岳を見降ろしながら下ります。
青空と霧氷、そして見事なもふもふ
これから向かう駒ケ岳を視界に捉え、鞍部には歩いているハイカーを確認します。
ここで必殺!尻セードを試しますが、ボブスレーのようにスピード感が出てきました。ここで緊急登山速報が脳内で流れます。低山登山家のおーまい・なるお氏が赤城山の黒檜山下山中に尻セードに失敗し滑落事故発生!焦って途中で尻セード行為を取りやめます。(汗)
張り出した雪庇に距離を保ちながら尾根道を進みます。
霧氷を演出するサンシャイン
芸術的な雪庇を観賞しながら安定感のある尾根道を気持ち良く歩きます。
桐生、足尾方面の山々(左)、アンテナ集合体の人工物がある地蔵岳(右)
振り返って巨大な黒檜山
大ダルミ付近と思われる地点を通過して駒ケ岳に向かいます。
薄いトレースを辿りながら駒ケ岳の方角に向かって、グイグイと直登りしていきます。
駒ケ岳にアタックです。山頂からは桐生、足利方面の開けた展望が楽しめます。
山頂ではおにぎりを食してから下山します。早朝の降雪からは考えられない予想外の快晴です。
縦走してきた黒檜山~駒ケ岳の稜線を振り返ります。鉄階段は埋没しているので、脇道にあるトレースを辿って下ります。
下山中、危険なトラバース箇所があり慎重に下っていきます。他に凍結箇所もありますのでアイゼンを喰いこませながら下ります。やがて駒ケ岳登山口に下りるとアイゼンを解放していきます。
縦走してきた周回ルートを見上げて駐車場に無事に帰着します。
温泉に向かう途中、赤城山の峠道で3台前を走るライダーが雪道でスライディング方式で転倒します。ハンドルが曲がったように見えましたが幸い怪我は無い様子でした。。もし直前を走っていたら、音速の貴公子モードで轢いていたかもしれませんので少々冷や汗が出ます。(汗)
その後、あいのやまの湯で冷えた身体を温めてから帰宅します。帰宅途中、走行中に赤城山を捉えます。圏央自動車道の奥に見えているのが赤城山です。
お疲れさまでした。
■天候:降雪後の快晴(山頂は身体が揺さぶられるぐらいの爆風)
■出会った人:40~50人ぐらい
■タイム:9:09~12:54【3時間45分、休憩等含】
■形態:単独行
■水分:1.5L(ペットボトル500ml:3本)
■山域:赤城山
■深Q百名山:第6座目で登頂済【通算4回目】
■出発地点より駐車場までの片道距離:107Km
■登頂日:2014年3月22日(土)
■その他:
★厳冬期に戻った赤城山の主峰に登頂して、目標としていた厳冬期の黒檜山をクリアできて満足です。山頂やビューポイントでは暴風に当たりながら30分程、雪山の光景を味わいました。降雪後に諦めずに突っ込んでいった御褒美に霧氷まで観賞できたこと嬉しく思います。今後は12本爪アイゼンとピッケル、冬靴などを入手できたら厳冬期の赤岳を単独スタイルで登頂を目標にしてみたいと思います。(いつになることやら?)
★猫岩から上部に凍結箇所が多く見られ、6本爪の踵を主体にグッサリと蹴り込んで、感触を掴んでからグイグイと登り込んでいきました。今期購入したチェーンスパイクに慣れていたせいか、6本爪アイゼンワークを忘れていましたが、体重移動にアイゼンの刃を旨く喰いこませれば、バランスが取れている感触を受けました。
★通算4度目の黒檜山ですが、黒檜山は断然冬に登るものだと感じます。大沼と周囲の赤城の山々が雪景色と絶妙に絡み合っている印象を受けました。勿論夏の黒檜山も好きですよ。いい山です。
★ココログのショボイコメント欄を限定的に下記に開いてみました。参考までに山頂ポージングの有無でも御回答いただけたら幸甚です。必要、不要、ウザくて見てられない、山頂にマッチングしていてもっとやってほしい!など適当な回答で構いません。勿論、名前無、通りすがりとかでもOKです。
・・・・・・・・・・・・・・・・~おまけ~・・・・・・・・・・・・・・・・
FBの山仲間に岐阜のハイカーがいます。空手家出身の彼女の山頂ポージングは、片脚を上空高く鋭く突き刺すナイスなスタイルに一目を置いています。私も何とか身体柔らかくして対抗できる脚上げポージングを目指したいと思います。(笑)
厳冬期の独標を6本爪軽アイゼンのみで登頂してしまう猛者でもあります。
因みに本人の掲載許可は得ております。