二子山 2012/1/8 岩稜歩きで高度感に慣れよう!
二子山(ふたごやま)西岳1,166m/東岳1,122m
2012年初登山に選んだ山は、2回目の訪問となります埼玉県小鹿野町にある急峻な双耳峰が特徴的な「二子山」にターゲットを絞りました。
二子山は、石灰岩で形成された岩山の双耳峰で、西岳・東岳と急峻な峰が切り立っています。岩場は大変険しく、ロッククライミングのゲレンデとしても知られています。
昨年、両神山八丁峠コースより眺望できた二子山を、新年登頂岩稜歩き企画としてプランを練っていました。滑落したら重傷以上は間違いない、幅1m強の両脇が完全に切れ落ちている岩稜を、高度感とスリルを体感し、更に突風も加わるコンディションの中、絶景を楽しみながら縦走していきます。
※画像は、西岳登頂後、西峰までの岩稜歩きの稜線です。
宜しければ、入山前に下記ワンクリックお願いします。
(ルート):林道西秩父線股峠下P⇒股峠⇒東岳⇒股峠⇒西岳⇒西峰⇒ローソク岩⇒股峠⇒駐車場
AM5時過ぎ自宅を出発して、関越自動車道東松山ICに入ります。すると、いつもと違い車の数が多いことに驚きます。スキー客の増加か?90年代の頃のシーズン渋滞を思い出してしまいました。私は2区間の花園ICでお先に下車して、299号廻りにて小鹿野町に入ります。民宿登人の上部にあるバイオトイレで用足しを済ませてから、そのまま車で森林管理道を登っていきます。
森林管理道西秩父線を約10分間、車で上っていくと10台ぐらい置ける駐車スペースがあります。ここまで自宅から85キロぐらいありましたので、やはり筑波山の方が距離は近いです。
途中、凍結箇所がいくらかありましたので、ノーマルタイヤの私の車では慎重運転になりました。トップバッターのようなので、準備を整えて登山口に向かいます。
カウンターを押して無事に生還できることを祈り、7時20分初登山開始です!
約3分で股峠に到着です。ここは東岳と西岳の鞍部でもある分岐点です。
ゴツゴツした岩の間の踏み場を選びながら、グングン急坂を登っていきます。
一気に視界が開けてきます。次に向かう西岳、現在向かっている東岳が両脇を固めています。
そして東岳に登頂成功です!山頂部分は、風が当たりにくい場所でした。
正面には、両神山がドッシリと構えています。急峻な西岳をここから初めて見かけた時、あれをどうやって攻略していくのか不思議に思っていました。現在は攻略法を熟知していますので、疑問を抱きませんが、改めて眺めてみると、大変滑稽で迫力のある不思議な峰です。
今回の登頂目的には、年末に購入したコールマンのマイクロストーブを使用して、山頂でカップラーメンを食しながら冷えた身体を温めることでした。まずは東岳にて、ネスカフェスティックコーヒーを西岳に向けておいしく頂きます。
温まりながら南側の開けた山々を眺めていきます。白く見えている部分は、八ヶ岳です。
身体が温まったので一旦鞍部まで下り、視界に捉えている急峻な西岳を登り返していきます。
実は危険な鎖場で、ザック脇に引っ掛けていたぶどうジュース500mペット(未開封)を落としてしまいます。落ちた瞬間あれよ、あれよと手に届かない位置にガンガン落ちていってしまいました。未開封だっただけに、ショックは大きかったです。
股峠が見えてくると、連続していた緊張感が和らぎます。準備運動をしていたハイカーと丁度擦れ違いになり、東岳に登っていきました。
鞍部の股峠で、西岳案内図を目に焼き付けて行きます。急告!!も一読していきます。
急な斜面を登り込んでいきます。左側に進んでいくと、上級コースの前に出れます。因みに、右側は一般コースへと繋がっていきます。
そして、そのまま上級コースに突入していきます。転落事故多発地帯、まるで地雷源に足を踏み入れていくような感覚です。
以前、この上級コース岩場には、鎖が設置されていた旨が記載されています。撤去理由に、①鎖が多過ぎる②必要無い③鎖が取れたら責任執ってくれるだらうかとのことでした。設置されていた鎖が、かなり不評であった模様です。
正面に聳える岩壁を見上げて、ペイントが付されている方向に足を絡めていきます。
転落しないように、一歩一歩着実にスタンスとホールドを固めていきます。
上級コースゲレンデは大変険しいですが、岩は掴みやすいです。ホームセンターなどで販売されている作業用手袋があれば充分でしょう。
ペイントの方向へと素直にルートを取ります。真下はこんな感じで、高度感があります。
ホールド・スタンスを堅実に確保しながら、グングン高度を稼いでいきます。
急峻な峰を上昇して行くわけですが、途中ホッと一息付けるスペースもあります。
振り向くと、東岳の標高と肩を並べるくらいの高度まで上昇してきました。しかし、またまだ続きます。
一段、一段登り上げていきます。周囲の山々を見渡せる高度に達してきました。
やがて、急峻な峰登りも垂直加減が緩和されてきて、安心登りに変わっていきます。今の通過ルートを下山で利用した場合、確実に危険を感じると思います。私はおそらくやりません!っていうかやりたくありません。
正面に西岳山頂部分が見えます。既に、先客のハイカーに占拠されていました。
南側に少し歩を進めると、真下は断崖、正面は鎖場王国「両神山」です。
風当たりも強まりますが、周囲は絶景です。東岳より高度を上回っている位置にいます。こちらからも遠方に筑波山が確認できました。
岩稜を渡り、西岳にアプローチしていきます。一般道との分岐を通過していきます。
ザックが放置されている岩場を越えると、先程山頂方向に見えた学生風のハイカー3人組と擦れ違います。学生風ハイカーたちは、西峰方面への岩稜には向かわず、股峠方向に戻っていきました。そのまま進んでいくと、山頂標識の裏側部分が見えてきました。
セメント会社の餌食にされている叶山、そして白くなっている部分が見える八ヶ岳
貸切になった西岳山頂にて、早速マイクロストーブでお湯を沸かします。カップラーメンを用意しようと思ったら、なんと!箸を忘れてきました。
仕方がないので、コーンスープでも飲んで温まる作戦に切り替えます。沸騰したお湯を注いで二口ほど啜った所、なんと!ケトルをコーンスープを注いだカップの上に落として、全てをこぼしてしまいました!(汗)あまりにもダサ過ぎます。
気を取り直して、幅1m強、滑落したら重傷以上は間違いない岩稜歩きに入ります。両サイドが完全に切れ落ちているスリルと高度感を、西峰まで存分に味わっていきます。
強風も加勢するようになり、崖下に転落しないよう細心の注意を払いながら歩いていきます。
気持ちの良い貸切岩稜歩きです。時より、下の方から人の声だけは聞こえてきます。
先程までいた西岳山頂から歩いて来た稜線を振り返ります。こうして見ると、西岳の切り立った急峻な峰は圧巻ですね。
東岳とセットで捉えた西岳です。西岳(手前側)の方が44m上背があります。
ある程度、自己判断で岩場を選択しながら進んでいけます。険しい岩場では、黄色いペイントで進むべきルートをサポートしてくれています。
やがて、高度感タップリの岩場歩きは、徐々に高度を下げていくようになります。
約7mの垂直鎖場を下ります。スタンスが取り易いので難易度は中です。
その後、ロープ付岩場箇所を下っていくと、安定した場所に下りられます。
急坂をジグザグ気味に下っていきます。西岳からの岩稜を見上げられる位置に下りてから、ローソク岩方面へ進んでいきます。
ローソク岩まではトラバース気味に、軽いアップダウンを繰り返していきます。
間もなく、クライマーで賑わっているゲレンデの前に出ました。凄まじい断崖です。
ウォーミングアップをしているクライマーの中で、女性クライマーも結構いました。そして、既に登攀しているクライマーもいます。
クライマーたちの側には小さな祠があります。ここ、二子山でも滑落死亡事故は確かに発生しています。ハイカーもクライマーも気を付けて登攀を楽しみましょう。
股峠に到着して駐車場に帰着します。時刻は10時40分、約3時間ちょっとの山歩きでした。朝方、貸切の駐車場は10台全て埋め尽くされて、路上駐車まで出ていました。
その後、車で12キロ程来た道を戻り、「赤谷温泉小鹿荘 」の日帰り温泉(600円)に立ち寄ります。
入場料を支払い、お風呂はまだ誰もいないとの貸切情報をゲットします。通路を渡り、大浴場は右ですが、正面のホールでは成人式の式典らしき催事を行っていました。営業中の表示奥に大浴場はありました。
休憩所は決して広くはありませんが、貸切なら寛げます。女湯の暖簾を確認します。勿論入る訳ないじゃないですよ。(汗)
私とレポをご覧になられている方はこちらになります。脱衣場の籠は30個ぐらいあります。右側には、ロッカー(100円戻りなし)が併設されています。
カランは10個あります。内湯はご覧の通り、10人ぐらいは入浴できます。
内湯の奥には露天風呂、5人は入浴できます。そして、今年1年拷問登山で受けるであろう疲労感を、勝手にフォーキャストしながら思う存分、癒させていただきます。今年は男体山、浅間山、鳳凰三山を始め、甲斐駒黒戸尾根日帰りピストン、雲取三峰日帰りピストン、谷川岳馬蹄形縦走(自信ないけどプランに載ってます)を攻略していこう!と癒しながらプランの再確認をしていきます。
約1時間完全貸切状態、その後3人入ってきてもなお余裕です。計90分身体を癒し切ってしまい、逆に長風呂で疲弊してしまいました。
■天候:晴れ
■出会った人:11人(東岳貸切、~西岳4人、西峰貸切、~股峠クライマー7人)
■タイム:7:20~10:40
■その他:
◇新年1発目にチョイスした二子山の上級コースを、無事に登攀できて満足です。同じ上級コースでも妙義山上級コースに比べたら、緊迫する場面が少ないので安心して登攀できました。岩稜歩きは風がある時は、諸に受けますので突風時では覚悟が必要です。
◇今回初めて山頂にてマイクロストーブを使用して、温かいコーヒーを飲むことができて、たいへん充実した山行となりました。暫くは、必須アイテムになると思いますが、もう少し大きめのザック(40~45L)が欲しいところです。因みに持参しているザックは、32Lと25Lです。
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